AIとの協働の質を測る「AI協働力」の評価方法を公開 — 116万件のデータから標準化
AIとの協働力を測る新指標「AI協働力」の評価設計が無償公開
株式会社ハイヤールーは、エンジニアがAIエージェントとどれだけ上手に協力して作業できているかを測るための独自の指標「AI協働力」の評価設計を、無料で公開しました。この指標は、300社以上の企業から集めた116万件を超える評価データをもとに作られており、AIとの協力の質を5つの領域と13の評価ポイントで標準化しています。

この「AI協働力」が評価するのは、AIが生み出した結果そのものではありません。AIを使う人が、AIにどう指示を出し、どこで確認し、どのように判断を変えたかといった、人間側の作業プロセスに焦点を当てています。
あわせて、この評価方法の全体を詳しく解説したホワイトペーパー『AI協働力 — 100万件の評価データに基づいた、AI時代のスキル指標』も無料で提供されており、2026年9月3日(木)にはオンラインセミナー『AI協働力は量から質へ——生産性の差を生む”AI活用の質”の見極め方』が開催されます。
なぜ「AI協働力」が必要なのか?—「使った量」では成果を測れない時代へ
近年、生成AIを使ったコーディングツールは広く使われるようになりました。以前は「使うべきか」が議論されていましたが、今では「どれだけ使ったか」を測る動きが広がっています。AIのトークン使用量や利用回数を数え、これを「AI活用度」の目標(KPI)にする企業も少なくありませんでした。
しかし、「量」を増やしても、それが必ずしも良い成果につながるとは限りませんでした。海外の事例では、AI利用量をランキング化した企業で社員の反発が起きたり、年間のAI予算を数ヶ月で使い切ってしまったりするケースも報告されています。GoogleやStanford大学などの調査でも、AIの消費量と生産性には直接的な関係がないことが示されています。ハイヤールーが20本以上の論文を調べた結果も同様で、「たくさんAIを使う人」が必ずしも良い成果を出すわけではないという結論に至っています。
さらに、2026年6月にはAnthropicやGitHub Copilotといった主要なAIツールの料金体系が変更され、AIの使用量が直接コストに結びつく構造がより明確になりました。これにより、企業が「たくさんAIを使うこと」を推奨しづらくなっています。「量を増やす」という目標は、コスト管理とぶつかってしまうのです。
成果を説明できず、使えば使うほどコストが増える。このように、「量をKPIにする」という考え方は二重の意味で成り立たなくなりました。これからの時代に問われるのは、「同じ課題に対し、どれだけ的確にAIを活用して解決できたか」という「質」です。しかし、この「質」を測る共通の基準はこれまでありませんでした。
「AI協働力」の評価設計
「AI協働力」は、ハイヤールー独自の指標「SEI(Software Engineering Index)」を構成する要素の一つです。この指標では、実際の開発作業の様子から、以下の5つの領域と合計13の評価ポイントについて、定められた基準と採点方法に基づいて評価します。
| 評価領域 | 何を見るか |
|---|---|
| 意図の仕様化 (Intent Specification) | 何を作りたいのかをAIに伝わる言葉で説明できているか。前提条件や制約、完成の基準をどこまで明確にしているか |
| 環境構築 (Environment Engineering) | AIが正しく動くための準備ができているか。AIに参照させる資料、使うツール、目的に合わせたモデルの使い分け |
| 共同推論 (Co-Reasoning) | AIとの対話を通じて問題を解決できているか。AIに仮説を出させ、それを検証し、進め方を修正するやり取りができているか |
| 実行の統制 (Execution Control) | AIの作業をどこまでコントロールできているか。どこでAIの作業を止め、どこを承認し、どこをやり直させるか |
| 出力の品質保証 (Output Quality) | AIが出した結果が正しいかを確かめられているか。テスト、レビュー、受け入れの判断 |
この指標が測るのは、AIが書いたコードの質ではなく、AIを使う人間の指示や判断そのものです。この評価方法には二つの大切な意味があります。一つは、AIモデルの性能が上がっても、評価されるのは人間側のスキルなので、評価基準が変わらないことです。もう一つは、AIを使う人の行動が変わらない限り、スコアは上がらないということです。ツールを変えたり、承認の回数を増やしたりしても、実際に指示の出し方や確認の仕方が変わらなければ、スキルが向上したとは見なされません。
評価データから見えた「共同推論」の課題と伸びしろ
ハイヤールーの評価データによると、5つの領域の中で平均スコアが最も低かったのは「共同推論」(48.6%)でした。「共同推論」とは、AIと対話しながら問題を解決する力のことです。一方で、「実行の統制」(69.7%)や「意図の仕様化」(67.3%)は比較的高いスコアでした。
つまり、多くのエンジニアは、作りたいものをAIに伝え、AIが出した結果を管理することはできています。しかし、AIと一緒に考えて、より良い解決策を見つけるための対話が十分にできていない、という現状が浮かび上がってきました。一度指示を出して、AIから返ってきた結果を人が手作業で修正しているケースが多いことを示しています。

これは裏を返せば、「共同推論」が最も成長の余地が大きい領域だと言えます。同じAIツールやモデルを使っていたとしても、この「共同推論」の差が、最終的な成果の差につながるでしょう。AIの使用量を抑えつつ成果を上げるためには、まずこの領域から改善に取り組むことが重要です。
無料ホワイトペーパーとオンラインセミナーのご案内
「AI協働力」の評価体系について、詳しく解説したホワイトペーパーが無料で提供されています。5つのサブ領域と13の評価観点の設計、検出条件、採点方法、そして2万件を超える実際の評価データから分かる「差がつくポイント」がまとめられています。
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タイトル:AI協働力 — 100万件の評価データに基づいた、AI時代のスキル指標
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想定読者:エンジニアリングマネージャー、技術責任者、採用・人事責任者、評価設計担当者
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仕様:PDF・18ページ(読むのにかかる時間の目安:約10分)
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費用:無料
また、オンラインセミナーも開催されます。
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タイトル:AI協働力は量から質へ——生産性の差を生む”AI活用の質”の見極め方
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日時:2026年9月3日(木)12:05~13:00
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形式:オンライン(Zoom)・参加無料
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対象:エンジニアリングマネージャー、採用・人事担当者、経営層の方
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内容:AIが個人の能力を大きくする中で、成果だけで実力を見極めるのがなぜ難しくなったのかを解説します。海外の調査事例とハイヤールーの評価データをもとに、AI協働力の評価基準と評価方法を紹介します。
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お申込み:https://hireroo.io/events/ai-collaboration-quality-shift/
代表取締役 葛岡宏祐氏のコメント
株式会社ハイヤールーの代表取締役である葛岡宏祐氏は、AIツールを導入した企業が次に使用量の可視化を行ったことについて触れ、しかし量が成果を説明せず、料金体系の変更により量を増やす方向の目標がコスト管理と衝突するようになったと述べています。そして、これからは「どれだけ使ったか」ではなく「どれだけ的確に使えたか」が問われると強調しています。
また、ハイヤールーの評価データで最も低かった「共同推論」の重要性を指摘。「指示は出せるし、管理もできるが、AIと一緒に考えることができていない」現状に対し、「測れないものは改善もできない」という考えから、評価設計そのものを公開したと説明しています。この指標がハイヤールーの中だけで使われるのではなく、業界全体の共通の物差しとなることで、日本の開発組織全体が発展することを願っているとのことです。
『HireRoo』について
『HireRoo』は、AIと協力して成果を出す力「AI協働力」を測ることができる、エンジニアリング組織向けのプラットフォームです。独自の指標である「SEI(Software Engineering Index)」は、NTTドコモ、三井住友カード、freeeなど300社以上の企業に導入されており、これまでに116万件を超える評価実績があります(2026年7月時点)。採用時のスキル評価から、現在働いているエンジニアのスキル評価までを、一貫した指標でサポートしています。
関連リンク
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AI協働力について:https://hireroo.io/sei/ai_collaboration
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株式会社ハイヤールー:https://hireroo.io


