2026年8月の企業倒産件数は827件、3カ月連続で前年を上回る ~サービス業と建設業の倒産が特に増加~

株式会社帝国データバンクの集計によると、2026年8月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)は827件でした。これは前年同月の751件を10.1%上回り、3カ月連続で前年を上回る結果となりました。8月に800件を超えるのは2012年以来14年ぶりです。
2026年1月から8月までの累計倒産件数は7199件となり、前年同期を7.3%上回っています。この傾向が続くと、2026年の年間倒産件数は2年連続で1万件を超えることが予想されます。
負債総額は1406億9200万円で、前年同月と比較して24.6%増加し、6カ月連続で前年を上回りました。負債額が最も大きかったのは、ゴルフ場を運営していた東京グリーン株式会社の155億円です。

業種別に見る倒産の状況
主要7業種のうち4業種で倒産件数が前年を上回りました。特に目立ったのは『サービス業』で223件(前年同月比21.2%増)と最も多く、『建設業』が182件(同18.2%増)、『小売業』が178件(同9.9%増)と続きました。全体の構成比では、『サービス業』と『建設業』の2業種で約半分を占めています。
細かく見ると、『サービス業』では「医療」や「専門サービス」(学習塾、経営コンサルタントなど)の増加が顕著でした。『建設業』では、大工工事や土工・コンクリート工事を含む「職別工事」が大きく増加しています。

倒産の主な原因
倒産の原因で最も多かったのは「販売不振」で659件(前年同月比8.7%増)となり、3カ月連続で前年を上回りました。「販売不振」を含む『不況型倒産』は667件で、全体の8割を占めています。その他、「放漫経営」が4カ月連続で増加し、「経営者の病気、死亡」も大幅に増加しました。

倒産手続きの種類
倒産手続きの形態では、事業をたたむ『清算型』倒産が807件と全体の97.6%を占めました。このうち「破産」は775件で、3カ月連続で前年を上回っています。事業の立て直しを目指す『再生型』倒産は20件で、2カ月ぶりに前年を上回りましたが、全体の割合は低いままです。

負債額と資本金、業歴の状況
負債額別では、「5000万円未満」が525件と最も多く、8月としては2000年以降で最多となりました。一方で、「100億円以上」の大型倒産も4件発生し、増加が目立ちます。
資本金別では、「個人事業主+1000万円未満」の倒産が602件と全体の72.8%を占め、こちらも8月としては2000年以降で最多です。
業歴別では、「30年以上」の企業が251件で最多となりました。また、業歴10年未満の『新興企業』の倒産は252件となり、全体の構成比が初めて30.0%を超えました。新興企業では「サービス業」や「小売業」での倒産が増加傾向にあります。


地域別の倒産動向
地域別では、9地域中4地域で倒産件数が前年を上回りました。『近畿』が229件(前年同月比25.8%増)と3カ月連続で増加し、8月としては直近15年で最多となりました。特に大阪と和歌山で大幅な増加が見られます。
増加率が最も高かったのは『九州』で81件(同37.3%増)、次いで『中部』が118件(同34.1%増)でした。愛知と三重で増加が目立っています。全国47都道府県のうち17都府県で倒産件数が前年を上回りました。

今後の見通し
2026年8月の企業倒産は827件と高水準で推移しており、この傾向は続くでしょう。負債総額も6カ月連続で前年を上回っており、特に負債100億円を超える大型倒産が複数発生しました。
物価高の背景にある円安は、2026年初来155円~160円台で推移するなど基調が続いています。これにより、円安影響による倒産は今年1月から8月までの累計で56件発生し、前年同期を上回りました。輸入物価指数の伸び率が輸出物価指数を上回り、企業の輸入コストが収益を圧迫しています。
定期調査「価格転嫁に関する実態調査」(8月28日発表)によると、コスト上昇分に対する販売価格への転嫁率は39.9%と、前回調査から低下しました。仕入価格の上昇スピードが速まる中で、早期の値上げが十分な転嫁に結びついているとは言えない状況が明らかになっています。
中東情勢悪化による「中東発インフレ」への懸念も高まっており、9月には食品主要195社で4900品目を超える値上げが実施されました。また、日本銀行による政策金利の引き上げ観測や財政悪化懸念から長期金利も上昇し、9月1日には30年ぶりに3%の高水準となりました。企業からは金利負担の増加を指摘する声も出ています。このようなインフレ経済の中、価格転嫁による収益力維持・拡大が事業継続の重要な条件となっています。今年1月から8月までの倒産は累計で7199件となり、2年連続で年間1万件を超える見込みです。


