日本の無人航空機(UAV)市場、2035年に向け年平均11.9%の成長予測

株式会社マーケットリサーチセンターは、日本の無人航空機(UAV)市場に関する調査レポートを発表しました。このレポートによると、日本のUAV市場は2026年から2035年の間に、年平均成長率(CAGR)11.9%で大きく成長すると予測されています。
市場成長を支える主な要因
UAV市場の成長をけん引する要因は多岐にわたります。特に注目されるのは、以下の分野です。
防衛と安全保障
地政学的な状況が変化する中で、日本の自衛隊は情報収集、監視、偵察(ISR)能力を高めるためにUAVの導入を進めています。長距離を飛行できるUAVや、無人水上・海洋システムを調達する計画も進められており、防衛分野でのUAVの役割はさらに重要になるでしょう。UAVは、人が立ち入りにくい危険な場所での監視や、長時間の任務にも適しています。
自然災害への対応
日本は地震や台風、豪雨などの自然災害が多い国です。UAVは、災害が発生して人が近づけない場所でも、上空から素早く状況を把握するのに役立ちます。高解像度のカメラや赤外線センサーを搭載することで、がれきの下や夜間、視界が悪い状況でも、取り残された人を探し出す捜索・救助活動に活用できます。また、橋や道路、送電設備などの被害状況をいち早く確認し、復旧計画を立てる上でも大きな価値を発揮します。
建設・鉱業での活用
建設現場や鉱山では、UAVを使った測量や監視が進んでいます。周囲の状況をリアルタイムで把握しながら地図を作るドローンナビゲーション技術が発展しており、広大な現場を短時間で測量できるようになります。これにより、危険な場所での人の作業を減らし、安全性の向上や作業時間の短縮、データのデジタル化につながります。
AIと自律飛行技術の進化
人工知能(AI)とUAVの組み合わせも、市場の成長に不可欠です。AIによる画像解析を使えば、UAVが撮影した映像からひび割れや腐食、異常な物体などを自動で見つけ出せるようになるかもしれません。これにより、インフラの点検作業がより効率的になるでしょう。また、UAVが人の操作なしで自動的に飛行する技術が成熟すれば、定期的な点検作業などをより簡単に自動化できるようになります。
物流と輸送
物流分野では、人口が少ない地域や離島、山間部などでの「ラストマイル配送」にUAVが活用される可能性が期待されています。災害時には、医薬品や物資をUAVで迅速に届けることもできるでしょう。
市場を構成する要素と競争環境
UAV市場は、機体本体(プラットフォーム)だけでなく、高性能カメラやセンサー(ペイロード)、通信装置(データリンク)、地上管制システム、発進・回収システムといったさまざまな要素で成り立っています。特にデータリンクは、防衛や災害対応、インフラ点検などでUAVが取得したデータをリアルタイムで安全に送るために非常に重要です。
市場には、Northrop Grumman、BAE Systems、Lockheed Martinなどの防衛大手企業や、ACSL、Terra Droneといった日本の産業用ドローン企業、そしてDJIのような民生用ドローン企業が参入しており、用途によって競争の状況は大きく異なります。
まとめ
日本のUAV市場は、2035年に向けて高成長が見込まれており、単なる空撮用のドローンから、防衛・防災・産業インフラを支える自律型センシングプラットフォームへと発展していくと考えられます。この市場の発展は、情報収集、災害対応、インフラ点検、AIを活用したUAV、自律的な点検、測量とマッピング、高周波データリンク、ラストマイル配送といったテーマが中心となるでしょう。
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