建設業の「数量拾い」が最大12時間から約10分に短縮!AIアプリ活用事例が専門誌に掲載

建設業界の課題とAI活用の可能性

建設業界では、熟練技術者の退職が加速する「2025年問題」や若手人材の不足が深刻化しています。一方で、老朽化したインフラの維持管理需要は高まっており、「需要増×供給減」という構造的な課題に直面しています。このような状況の中、AIなどの新しい技術を活用し、業務の効率化や若手技術者の育成を進める動きが注目されています。

静岡の建設会社とAIコンサルティング企業が共同開発

東京都港区に本社を置くAIコンサルティング企業、株式会社renue(以下、renue)は、静岡県島田市の土木建設会社である株式会社丸紅(以下、丸紅)と共同で、建設業界の積算業務を大きく変えるAIアプリを開発しました。この取り組みが、一般財団法人経済調査会が事務局を務める月刊誌『建設マネジメント技術』2026年7月号に掲載されました。

掲載された記事のタイトルは「地方建設業におけるAI活用による積算業務の変革と若手技術者の早期戦力化 〜静岡県・株式会社丸紅による『工数見積もり業務』の標準化とDXの実践事例〜」です。この記事では、renue代表の山本悠介氏が執筆し、丸紅とrenueが共同開発した「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」による積算業務の変革が紹介されています。

建設マネジメント技術2026年7月号の表紙

属人化していた「数量拾い業務」の変革

積算業務の中心となる「数量拾い」は、設計図面を目で見て、構造物の名前や寸法、数量を読み取り、手作業で計算して集計する作業です。丸紅では、この作業を5〜6人のベテラン担当者が行っており、1つの案件で2〜15時間もの時間がかかっていました。図面を読み解くには長年の経験と知識が必要で、マニュアル化が難しく、若手社員が参加できる機会はほとんどありませんでした。このため、ベテラン社員に負担が集中し、見積書の提出が遅れたり、仕事のチャンスを逃したりすることもありました。

AIアプリによる業務プロセスの再構築

共同開発された「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」は、設計図面(PDF形式)をアプリにアップロードするだけで、AIが自動的に構造物の名前、寸法、数量を抽出するシステムです。

AIアプリ「種別数量拾いアシスタント」の解析画面

例えば、駐車場の図面であれば「車止め8個」「フェンス10m」といった一覧表が自動で作成され、Excel形式で出力できます。AIが抽出した箇所は図面上に自動で色付けして表示されるため、確認作業も効率的になりました。複数の図面をまとめて処理することも可能です。

このアプリの重要な点は、AIが出した結果をそのまま最終的なものとせず、必ず技術者が目で確認する仕組みを取り入れたことです。このように「AIと人が協力する」モデルが、現場でのスムーズな導入を可能にしました。

AIアプリ「種別数量拾いアシスタント」の寸法補正画面

導入による劇的な成果と現場の変化

最も大きな変化は、数量拾いにかかる時間が大幅に短縮されたことです。最大12時間かかっていた作業が、約10分で完了するようになりました。これにより、全体の工数は最大15時間から約4時間へと大幅に削減されています。

アプリケーション導入効果を示す表

AIの認識精度は高く、資材の名前を間違えることはほとんどありません。時間短縮だけでなく、専門知識がない社員でも数量表を作成できるようになり、これまでベテランに限定されていた業務が、若手社員や未経験者にも開かれました。これにより、社員はより価値の高い仕事に集中できるようになり、会社全体の生産性向上につながっています。

丸紅の紅林眞実代表取締役社長は、「人手不足が深刻化する中で、経験の浅い社員でも図面から数量を拾えるようになり、見積書の提出スピードが大幅に向上した。これは仕事を受注する力そのものを強くする。最大の成果は、若手や女性を含む多様な人材が見積もり業務に参加できるようになったことだ」とコメントしています。そして、「このシステムを他の建設会社にも提供し、同じ課題を抱える全国の建設会社を助けたい」という展望も語っています。

今後の展望

今回の事例は、これまで特定の人の知識や経験に頼っていた業務をAIで標準化し、「誰でも参加できる仕事」に変えたことに大きな意味があります。若手社員が早くから活躍できるようになり、限られた人材がより重要な業務に集中することで、労働時間あたりの価値が高まります。

丸紅とrenueは今後、このアプリを土木業界向けのクラウドサービス(SaaS)として外部に販売し、地方の建設業とAIが協力して作り出す新しい成功事例を全国に広げていく計画です。

掲載情報

  • 媒体: 月刊『建設マネジメント技術』(編集:建設マネジメント技術編集委員会/事務局:一般財団法人経済調査会)

  • 掲載号: 2026年7月号(通巻578号、2026年7月10日発行)

  • 掲載面: 「建設業界の動き」コーナー(91〜93ページ)

  • 記事タイトル: 「地方建設業におけるAI活用による積算業務の変革と若手技術者の早期戦力化 〜静岡県・株式会社丸紅による『工数見積もり業務』の標準化とDXの実践事例〜」

  • 執筆: 株式会社renue 代表取締役 山本悠介

株式会社renueについて

  • 会社名: 株式会社renue

  • 所在地: 〒105-7105 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 5階

  • 代表者: 山本悠介

  • 事業内容: AIコンサルティング業

  • URL: https://renue.co.jp/

本件に関するお問い合わせ

本リリースや「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」に関するお問い合わせ、または数量拾い・積算業務にお悩みの建設会社の方は、下記までご連絡ください。

株式会社renue 広報担当
メール:info@renue.co.jp
電話:03-4500-7154

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