冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムの世界市場、2032年には22億米ドル規模へ成長予測

冷蔵倉庫用スプリンクラーシステム市場が成長、2032年には22億米ドル規模に

株式会社マーケットリサーチセンターは、冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムの世界市場に関する調査レポート「Global Cold Storage Fire Sprinkler Systems Market 2026-2032」を発表しました。このレポートによると、冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムの世界市場は、2025年の13億米ドルから2032年には22億8,400万米ドルに拡大すると予測されており、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)8.6%で成長する見込みです。

冷蔵倉庫は、食品や医薬品などを低温で保存する重要な施設です。火災が発生すると大きな被害につながる可能性があるため、適切な消火システムが不可欠です。

冷蔵倉庫向けスプリンクラーシステムとは

冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムは、冷蔵倉庫、冷凍倉庫、極低温貯蔵施設向けに特別に設計された水系の自動消火システムです。これらのシステムは、火災を初期段階で素早く検知して作動し、火元エリアに水を噴射することで、火災の拡大を防ぎます。

一般的な常温保管用のスプリンクラーシステムとは異なり、冷蔵倉庫は0℃以下から-30℃という低温環境にあるため、凍結や結露を防ぐための特別な設計や構成が求められます。

利益率に見られる傾向

冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムの粗利益率は、製品の提供方法によって違いがあります。スプリンクラーやバルブなどの標準的な部品では、競争が激しいため、粗利益率は15%から30%の範囲に収まる傾向があります。

一方で、低温環境での信頼性や誤作動・凍結リスクの管理、高所での消火能力といった高い要求に応える「ソリューションベース」の製品やシステムパッケージでは、粗利益率が30%から45%に達することがあります。これには、設計サポートや選定ソフトウェア、試験・認証、認定設置システムなどが含まれます。特に、ラック内のスプリンクラー数を減らし、メンテナンスを楽にし、高層冷蔵倉庫の保管容量を効率的に使えるソリューションは、高い価値を生み出す可能性があります。

市場成長を後押しする3つの要因

冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムの需要を支える主な要因は、以下の3つです。

  1. 冷蔵倉庫とコールドチェーン物流の拡大
    世界中で食品、医薬品、生鮮食品のEC(電子商取引)、越境コールドチェーンが広がり続けており、新しい冷蔵倉庫や既存施設の改修プロジェクトが増えています。これがスプリンクラーシステムの需要を直接的に押し上げています。

  2. 冷蔵倉庫火災のリスク増加と消火能力の強化
    冷蔵倉庫での火災は、高層の棚、プラスチック包装の多用、高度な自動化といった特徴から、火災が広がるのが速く、消火が難しい傾向にあります。このため、施設の管理者や保険会社は、より強力な消火能力を持つESFR(初期消火用スプリンクラー)やドライESFR、プレアクションシステム、そしてより厳しい設計基準を採用するようになっています。

  3. 低温環境特有の課題への対応
    低温環境での凍結や給水遅延といった問題が注目されています。業界では、スプリンクラーヘッドへの給水時間計算、迅速な起動、配管内の除湿・結露制御、棚内スプリンクラー数の削減などを中心とした技術的な改善が進められています。これにより、高付加価値の部品や総合的なソリューションの導入が進んでいます。

レポートの詳しい内容

この調査レポートでは、冷蔵倉庫用スプリンクラーシステム市場について、多角的な分析が提供されています。

  • タイプ別セグメンテーション: クローズドシステム、オープンシステム

  • システムの稼働状態別セグメンテーション: ウェットシステム、ドライシステム、プレアクションシステム

  • 消火媒体別セグメンテーション: 水系スプリンクラーシステム、泡系スプリンクラーシステム、ガス補助式スプリンクラーシステム

  • 用途別セグメンテーション: 食品コールドチェーン産業、医薬品コールドチェーン産業、化学品コールドチェーン産業、その他

  • 地域別分類: 南北アメリカ(米国、カナダ、メキシコ、ブラジル)、アジア太平洋地域(中国、日本、韓国、東南アジア、インド、オーストラリア)、欧州(ドイツ、フランス、英国、イタリア、ロシア)、中東・アフリカ(エジプト、南アフリカ、イスラエル、トルコ、GCC諸国)

  • 主要企業: ジョンソン・コントロールズ、ミニマックス・バイキング、リライアブル・オートマチック・スプリンクラー社、ヴィクタウリック社、ラピドロップ・グローバル社、グローブ・ファイア・スプリンクラー・コーポレーション、千住スプリンクラー株式会社、NAFFCO FZCO、HDファイア・プロテクト・プライベート・リミテッド、AVKグループ、クラ・バル、バーマド、ミューラー社、NIBCO社、ケネディ・バルブ、クラウ・バルブ・カンパニー、ワッツ・ウォーター・テクノロジーズ、ASCエンジニアード・ソリューションズなど、主要な18社が取り上げられています。

冷蔵倉庫の安全を守る技術

冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムには、いくつかの種類があります。

  • 湿式スプリンクラー: 常にパイプ内に水を保持しており、火災時にすぐに水が放出されます。

  • 乾式スプリンクラー: 低温での凍結リスクを避けるため、通常はパイプ内に空気が入っており、スプリンクラーが作動してから水が供給されます。

  • 準湿式スプリンクラー: 湿式と乾式の良い点を組み合わせ、低温でも素早く水を供給できるように設計されています。

食品倉庫では、消火に使用される水や化学薬品が食品に影響を与えないよう配慮が必要です。また、医薬品などを保管する倉庫では、損害を最小限に抑えるために高い性能が求められます。

関連技術として、火災検知システム、温度センサー、煙感知器が挙げられます。これらは火災を早期に検知し、スプリンクラーシステムに情報を伝えます。特に、温度変化が少ない冷蔵倉庫では煙感知器が重要です。

その他にも、冷却剤や冷凍庫に設置される消防用のシャッターや隔壁が火の広がりを防ぎ、消火活動を助けます。適切な換気システムも、スプリンクラーの効果を最大限に引き出すために必要です。

システムの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスや検査が欠かせません。低温環境では凍結や結露の問題が起こりやすいため、専門知識を持つ技術者による点検が特に重要です。

レポートに関するお問い合わせ

冷蔵倉庫用スプリンクラーシステムの世界市場レポートの詳細については、株式会社マーケットリサーチセンターのウェブサイトからお問い合わせください。

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