国内ドローンビジネス市場、2025年度に4973億円規模へ拡大 ドローン活用企業は「実運用」フェーズへ移行
株式会社インプレスは、国内のドローンビジネス市場に関する調査結果を発表しました。この調査をまとめた新産業調査レポート『ドローンビジネス調査報告書2026』は、2026年3月27日(金)に発売されます。
これまでのドローン活用は、技術的に可能かを試す「実証実験」の段階が中心でしたが、現在は実際に業務で使い始める「実運用」の段階へと移り変わっています。今回のレポートでは、市場の分析や産業分野、国の動きに加え、新たにドローンを使っている企業の状況や技術の進歩についても詳しく紹介されています。
2025年度の市場規模は4973億円、2030年度には9544億円に成長と予測
2025年度の日本国内におけるドローンビジネスの市場規模は、前年度と比べて13.8%増の4973億円に達すると見込まれています。そして、2030年度には9544億円にまで拡大すると予測されています。
ドローンビジネスの市場は、ドローンの機体、ドローンを使ったサービス、そしてバッテリーなどの周辺サービスの3つの部分でできています。

2017年度から2030年度までのドローンビジネス市場規模の推移と予測
2025年度に最も大きかったのはサービス市場で、2711億円でした。次に機体市場が1227億円、周辺サービス市場が1036億円と続いています。どの分野も今後さらに大きくなると予想されています。
各市場の動向
機体市場では、国内外のメーカーが点検、測量、農業、物流といった様々な産業で使えるドローンを提供し続けています。特に、充電や離着陸を自動で行う「ドローンポート」に力を入れる企業が増えており、これによりインフラ点検や工事の進捗確認などが「完全に無人で決まった時間に」行えるようになり、ドローンの使い道が広がると考えられます。
また、2025年1月に発生した道路陥没事故をきっかけに、人が入れないような狭い場所の点検用ドローンの需要が急に増えました。下水道をはじめとするインフラの点検で、ドローンの有用性が広く認識されています。
サービス市場では、点検、土木・建築、農業などの分野でドローンの実運用が進んでいます。特に点検分野は大きく、下水道の点検だけでなく、橋の損傷をAIで自動的に見つける技術も開発されています。農業分野では、ドローンを使った農薬散布が一般的になりつつあり、今後も普及が進むでしょう。土木・建築現場では、工事の進み具合を確認するためにドローンポートの利用が急速に広まっています。測量の技術も実用的なレベルに達し、公共測量だけでなく、工事の出来高管理などにも使われています。
近年急速に拡大しているのが「ドローンショー」です。2025年の大阪・関西万博では、184日間ほぼ毎日1,000機規模のショーが開催され、ギネス記録を更新するなど、エンターテインメントとして社会に広く定着しました。また、広告効果の予測など、マーケティングの道具としても活用が進んでいます。
運搬分野も大きく広がっており、最大80kgの荷物を運べるドローンが登場したことで、「ドローンは軽いものしか運べない」という考え方が変わりました。人手不足の解消や、現場の作業効率を高める道具として、今後さらに市場が拡大すると期待されています。

2017年度から2030年度までのドローン関連サービスの市場規模予測(分野別)
周辺サービス市場は、ドローンの産業利用が進むにつれて機体市場が大きくなり、それに伴ってバッテリーなどの消耗品や定期的なメンテナンス、人材育成、保険、そしてドローンポートといった分野も成長していくと予想されます。特に、ドローンポートはドローンの充電やデータのアップロードなどを自動で行うことができ、運用の自動化や省人化を進める上でとても重要な技術として注目され、売上が急速に伸びています。

ドローンの多様な産業分野における研究、開発、事業化の段階
ドローン利用企業の7割以上が「実運用」フェーズへ
企業へのアンケート調査によると、ドローンを業務に「利用している」企業は13.1%、「利用したことがある」企業は7.2%でした。これらを合わせると、20.3%の企業がドローンを利用した経験があります。さらに「利用を検討している」企業が6.5%おり、全体の26.8%の企業がドローン活用に関わっていることが分かりました。
企業規模が大きいほどドローンの利用率は高く、業種別では、電気・ガス・熱供給・水道業といったインフラ系の企業で特に利用が進んでいます。建設業や通信業と合わせ、インフラや現場作業を行う産業での普及が目立っています。一方で、約半数の企業(45.9%)はドローンの利用を検討しておらず、企業の業務内容や規模によって活用の状況が二極化している様子がうかがえます。

企業におけるドローン利用状況のアンケート結果
ドローンの利用実績がある企業に活用の進み具合を聞いたところ、約半数の48.9%が「実運用」段階にあります。「運用実証(導入や運用が可能か最終確認する段階)」の24.7%を含めると、7割以上の企業が「PoC(概念実証、技術的に可能かの検証)」を終えて、実際に使い始めるフェーズに入っています。
現在ドローンを「利用している企業」に限定すると、「実運用」が64.5%、「運用実証」が21.3%に達しています。これは、ドローン活用がこれらの企業で定着していることを示しています。特に建設業では67.6%、電気・ガス・熱供給・水道業では66.7%が「実運用」段階にあり、測量や現場の進捗管理、インフラ点検といった業務にドローンが組み込まれていることが分かります。

ドローン利用実績のある企業における導入・運用段階の内訳
ドローンを実際に使っている企業や、これから使いたいと考えている企業がドローンをどのような目的で活用しているか尋ねたところ、「土木・建設(現場状況把握)」が24.6%で最も多く、「点検(設備外観)」が20.4%、「土木・建設(測量)」が18.0%と続きました。

ドローン活用のユースケース(目的)の調査結果
また、ドローンポートの利用状況については、約半数の48.4%が「利用している(17.6%)」または「利用を検討中(30.8%)」と回答しました。これは、現場に人が行かなくてもドローンを遠隔で完全に自動で動かせるようになる「運用の自動化・省人化」に高い関心があることを示しています。ドローンの活用は、単にドローンを「飛ばす」ことから、その「運用を無人化する」ことへと関心が移っているようです。

ドローンポートの利用状況に関する円グラフ
『ドローンビジネス調査報告書2026』について
今回の調査報告書は、ドローン市場の動き、関連企業の状況、活用されている分野や目的、国の制度の動き、企業のドローン活用状況、技術の進歩、法律や規制など、様々な角度からドローン市場を分析しています。ドローンを活用したい企業や、ドローンを使ったビジネスを考えている事業者にとって、役立つ情報がまとめられた一冊です。

インプレス総合研究所が発行する『ドローンビジネス調査報告書2026』の表紙
書誌情報
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書名 :ドローンビジネス調査報告書2026
[『実証』から『社会実装』への転換──産業基盤強化と2030年への戦略] -
著者 :春原 久徳、青山 祐介、伊藤 英、インプレス総合研究所
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監修 :ドローンジャーナル編集部
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発行所 :株式会社インプレス
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発売日 :2026年3月27日(金)
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価格 :CD(PDF)版・電子版 143,000円(本体130,000円+税10%)、CD(PDF)+冊子版 154,000円(本体140,000円+税10%)
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判型 :A4判
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ページ数 :562ページ
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ISBN :9784295024194
詳細およびご予約は以下のウェブサイトでご確認ください。
https://research.impress.co.jp/drone2026


