イーディーエル、経済産業省「DX認定事業者」に認定された実践型「DX教習所」を全国展開へ

イーディーエルが「DX認定事業者」に認定、自社検証の「DX教習所」を全国へ展開

Google for Education Professional Development Partnerであるイーディーエル株式会社は、2026年7月1日付で経済産業省が定める「DX認定事業者」の認定を受けました。これを受けて、同社は経営層の意思決定から現場への定着、基盤づくりまでをサポートする4つのプログラムを、商工会議所や地域のパートナーと協力し、9月1日から全国で提供を開始します。

この支援体制は「DX教習所」と呼ばれており、単にツールを導入するだけでなく、組織全体がデジタル化を自分たちで進められるようになることを目標にしています。イーディーエルは、この方法をまず自社で試し、手作業を完全に無くしたうえで、外部への提供を始めました。

DX認定 edl Education Design Lab

自社で成果を出してから支援する方針

DX認定は、経済産業省が「デジタルガバナンス・コード」に基づき、DXを進める準備が整っていると認めた事業者に与えられる国の制度です。

イーディーエルがこの認定を受けたのは、「自社で試していない方法を、他社の経営改革に使うべきではない」という考えがあるからです。同社はまず、自社の事務作業にGoogle Workspaceと生成AI「Gemini」を組み合わせた業務の再設計を行いました。この過程で得られた成功と失敗の経験が、現在の支援プログラムの元になっています。

自社で得られた具体的な成果

  1. 申込処理の手作業を完全に排除
    Webからのサービス申し込みに関わる「アカウントへの権限付与」や「案内メール送信」といった一連の作業を自動化しました。これにより、該当業務の手作業が完全に無くなっています。2025年4月から2026年6月までの期間で、累計150件の処理において、合計37.5時間(1件あたり15分)の手作業が削減されました。

  2. 現場のデータを個人別に可視化するダッシュボードを構築
    これまでは、研修後のアンケート結果を回ごとに集計するだけで、担当者個人の傾向や時間の経過による変化を把握できていませんでした。そこで、集計を自動化し、個人別、実施回数、評価項目ごとの目標達成状況を一覧できるダッシュボードを作りました。これにより、これまで感覚でしか語れなかった状況を数字で確認し、次に何をするべきかを人が判断できる状態になっています。これは、人が目的を設定し、AIが処理した結果を人が受け取って判断する「H-A-Hプロセス(Human-AI-Human)」を自社で実現した例です。

    この仕組みは、日報や作業報告、点検記録、面談記録など、現場が定期的に入力するデータであれば、どんな業種でも活用できます。

    AIと人が協働する「H-A-Hプロセス」の全体像

  3. Web診断の自動化モデルで月50時間の削減見込み
    Webサイト上の簡単な診断から、個別のレポート作成、そして自動配信までを人手を介さずに完了させる仕組みを構築しました。月に100件の診断が行われた場合、約50時間の作業時間を削減できると見込まれています(同社試算)。

「AIと人の分業」を現場に定着させる支援モデル

イーディーエルは、「AIと人の分業」を企業に定着させるためのプログラムを提供しています。

  1. 経営者向け集中講座「エグゼクティブDXラボ」
    現場任せのDXは、ツールを導入する段階で止まってしまうことがよくあります。このプログラムは経営者を対象とし、生成AIをどのように活用するかを具体的に描くための「6時間集中・体験型講座」として提供されます。

    特に注目すべきは、これまで大手コンサルティング会社が数千万円規模で提供してきた「バランス・スコアカード(BSC)戦略マップ」の作成を、生成AIを使って自分たちで何度でも作ったり更新したりするスキルを身につけられる点です。これにより、外部に頼らず、変化の激しい市場に合わせて素早く戦略を立てられるようになります。

    この講座では、以下の3つの要素を同時に設計・構築し、すぐに実行できる状態を目指します。

    • ロードマップ:DXを成功に導く目標設定と実行計画

    • 運用ルール:現場のリーダーが実践するためのガイドライン

    • 業務環境:Google環境だけで生成AIを日常業務に取り入れ、生産性を大きく向上させる仕組み

    さらに、このプログラムには、学んだことを組織に定着させるためのサービスも含まれています。朝礼のように業務時間内に定期的に組み込み、「インプット・アウトプット・知識共有」をセットで運用します。4週間ごとにAIが実施結果を分析・報告することで、個人のやる気に頼らず、組織の仕組みとして継続・定着させていきます。

  2. 属人化を防ぐ業務分類
    DXが途中で止まる原因の多くは、ツールが増えすぎることです。チャット、ファイル共有、会議、生成AI、端末管理などをそれぞれ別のサービスで揃えると、アカウントや管理画面、セキュリティ設定がバラバラになり、情報システム部門を持たない中小企業では管理しきれません。また、データの活用や生成AIを使った分析も難しくなります。

    イーディーエルは、Google Workspaceを業務の土台とし、生成AI「Gemini」や「Gemini Notebook」、Chromebook、Google Cloudまでを、一つのアカウントと管理画面で完結する構成に統一します。導入する道具を増やすのではなく、一つの基盤の上に業務を移し替えるという考え方です。その上で、特定の担当者に仕事が集中しがちな業務を次の3種類に整理します。

    • AI自動化:問い合わせ対応やデータ入力など、決まった作業はAIが自動で完了させます。

    • AI補助:資料作成など、判断が必要な業務では、AIを下書きアシスタントとして活用します。

    • プロの伴走:経営判断や高度な相談は、経験豊富な専門家が直接支援します。

なぜ「教習所」と呼ぶのか

同社がこの支援体制を「DX教習所」と呼ぶのは、教習所が教官がずっと同乗し続けるのではなく、受講者が一人で運転できるようになって送り出すことを目指しているからです。イーディーエルも同じように、企業が自分たちでDXを計画し、運用できるようになるまでを目標にしています。「卒業」を明確なゴールにしている点が、これまでの外部に依頼するDX支援とは違う点です。

同社のサービスは、経営層の意思決定、現場の定着、基盤づくりという段階ごとに最適な解決策を用意した4つのプログラムで構成されています。組織のどの段階から始めても、最終的に全体が変わるように設計されています。

常に変化することを前提とした設計

クラウドや生成AIの分野では、機能の追加や仕様の変更が短い期間で頻繁に起こります。研修で覚えた画面や手順が、数ヶ月後には変わっているということが日常的に発生する環境です。

イーディーエルは、Google for Education Professional Development Partnerとして、Googleから提供される情報に基づき、教材や研修内容を常に新しいものにしています。「DX教習所」における卒業とは、特定のツールの操作を覚えた状態ではなく、変化が起きたときに自力で対応できる状態を指します。そのための情報提供は、同社が提供する継続契約型のサービスに標準で含まれています。

これまでの取り組みと今後の目標

イーディーエルはこれまで、全国102の商工会議所などを通じて、生成AIの体験セミナーやGoogle Workspaceの導入支援を行ってきました(2022年4月〜2026年8月実績)。しかし、ツール導入と実践的な研修の両方を合わせて、本格的な組織改革まで支援できたのは11箇所にとどまっています。ツールや研修を「点」で提供するだけでは、現場の業務定着や根本的なDXにはつながりにくいという課題がありました。

今回の「DX認定」取得を機に、同社は支援モデルを再構築します。2027年度末までに40の地域拠点において「導入と研修」が一体となったモデルを確立し、さらにその先の地域の中小企業1000社へのDX定着を目指します。

支援機関と企業が一緒にDXを進めることで生まれた時間を、給料アップや働きがいの向上に役立てる。生産性と従業員の満足度が同時に高まる組織を全国に増やすことが、イーディーエルの最終的な使命です。

代表取締役の平塚知真子氏は、次のようにコメントしています。

「私たちは、他社におすすめする前に、まず自分たちの会社で徹底的に試行錯誤しています。自動化がうまくいかず作り直した工程もありますし、現場がなかなか使えずにやり方そのものを検討し直したこともあります。その地道な過程こそが、いま提供している支援の中身そのものです。私自身、今年で20年目を迎える会社で、社員18名と業務委託トレーナー14名を預かる経営者です。人を採用し、育て、給与を払いながらDXを進める難しさは、実感として分かっているつもりです。同時に、いまも全国の商工会議所や教育機関で年間数十回、自ら講師として登壇しています。経営者の悩みと、現場が動かない理由の両方を、机上ではなく自分で確かめてきました。DX支援の成功とは、私たちが必要とされ続けることではありません。『自分たちだけでできるとわかりました』と言っていただけたときが、本当のゴールだと考えています。変わりたいと願う全国の中小企業の皆様と、その地点まで一緒に走りたいと思っています。」

関連リンク

  • デジタルトランスフォーメーション(DX)に関するイーディーエル社の取り組み(DX方針): https://edl.co.jp/dx
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