Play Robotics、ヒューマノイドロボットの内製化支援プログラムを開始 – カクイチが「新卒総合職ロボット」導入へ
株式会社Play Roboticsは、2026年7月23日より「フィジカルAI/ヒューマノイド内製化支援プログラム」の提供を開始しました。このプログラムは、中小企業がヒューマノイドロボットを自社で活用できるよう、技術開発から人材育成までを一貫してサポートすることを目的としています。
第1号の導入事例として、株式会社カクイチが2027年4月に二足歩行型ヒューマノイドロボットを「新卒総合職」として迎える取り組みを支援します。これは、ロボットを導入するだけでなく、社内に技術を残し、使いこなせる人材を育てることを重視するものです。

ロボット導入の課題とプログラムの背景
近年、人口減少と人手不足が深刻化する中で、ヒューマノイドロボットへの関心が高まっています。しかし、多くの企業からは「導入後に誰が動かすのか」「安全に運用できるのか」といった不安の声が聞かれます。
ヒューマノイドロボットは大きな力を持つため、安全の確保が非常に重要です。また、現場の課題に合わせてロボットの動きを作り込むには、機体を理解し、操作できる人材が社内に必要となります。外部に運用を委託し続けるだけでは、社内に技術やノウハウが蓄積されません。
Play Roboticsは、こうした「導入した後に使いこなせない」という課題を解決するため、社内でフィジカルAIやヒューマノイドの技術開発ができる人材を育成することに焦点を当てた内製化支援プログラムを開発しました。
プログラムの概要
「フィジカルAI/ヒューマノイド内製化支援プログラム」は、顧客企業の現場でロボットを稼働させながら、同時に社内の人材を育成する伴走型のサービスです。
導入において特に難しいとされる「安全の確保」「技術選定」「学習設計」といった部分をPlay Roboticsが担当し、顧客企業は「実践的な活用」に集中できるような設計となっています。このプログラムはヒューマノイドロボットだけでなく、ロボットアームや自律移動ロボットなど、現実世界で動くAI(フィジカルAI)全般の内製化にも対応しています。
1. 安全に運用できる状態の構築
ヒューマノイドロボットが人と共に働く空間では、安全設計の誤りが事故や事業リスクに直結する可能性があります。Play Roboticsは、産業用安全機器の設計実務に関する長年の経験に基づき、「どのような動作を、どの速度で、どの重量まで、どの範囲で行ってよいか」というリスク評価を行い、運用条件を明確に定義します。これにより、安全な運用体制を構築します。
2. 遠回りを避ける技術選定
ヒューマノイドロボットの分野では技術の選択肢が多岐にわたり、選定を誤ると時間と費用の無駄が生じることがあります。Play Roboticsは、目的や用途に合わせて機体、ロボットハンド、周辺機材、学習手法などを中立的な立場で選定し、顧客企業が試行錯誤するコストを削減します。ロボット本体の調達は行わず、調達ルートの紹介に留めます。
3. 初学者でも到達できる学習設計
ロボットに初めて触れる方でも、段階的に無理なく技術を習得できるよう、学習の順序を設計し、教材を整備しています。これにより、特定の個人に依存しない、再現性のあるカリキュラムを提供します。また、構築済みの動作環境を提供することで、環境構築にかかる時間を最小限に抑えます。
4. 現場実証と活用設計のディレクション
どのような作業や現場課題にロボットを適用するかの設計から、実際に運用が成功するまでPlay Roboticsが伴走します。安全確認が必要な節目では、現地での立ち会いも行います。
社内に残る成果物
プログラムを通じて、以下のドキュメントが成果物として提供されます。これらはプログラム終了後も顧客企業の社内に残り、ロボットの運用や拡張の基盤となります。
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技術選定の記録: 何をなぜ選んだかという経緯が残り、今後の自社での判断に役立ちます。
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安全評価と運用条件の定義: 「どのような動作を、どの範囲で運用してよいか」という判断基準が明確になります。
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学習教材: 担当者が変わっても、社内で引き継いで学び直せるように整備された教材です。
役割分担
このプログラムの大きな特徴は、役割が明確に分かれている点です。安全に関わる領域や、ロボットが動くための基本的な土台(構築済みの動作環境)はPlay Roboticsが提供します。その上で、ロボットに新しい仕事をさせるためのプログラミングは、顧客企業自身が生成AIなどを活用して行います。
これにより、顧客企業は「ロボットに新しい仕事をさせる力」を身につけることができ、プログラム終了後も自社で知見を持ち続けられる状態を目指します。
第1号導入事例:株式会社カクイチ
株式会社カクイチは、2027年4月に二足歩行型ヒューマノイドロボット(Unitree社製 G1)を、人間の新卒社員と同じ「新卒総合職」として迎え入れます。配属先や担当業務を限定せず、工場、営業、教育、安全管理など複数の部門で研修と実務経験を通じて継続的に育成する計画です。
この新入社員ロボットには、宮沢賢治に由来する「宮澤」と、カクイチのミッション「こたえのない問いにこたえ続ける」を意味する「No Answer」を込めた「ノア」から、「宮澤ノア」という名前が贈られました。株式会社カクイチおよび株式会社Play Roboticsの調査によると、日本国内の中小企業が二足歩行型ヒューマノイドロボットを「新卒総合職」として迎え、複数部門で継続的に育成する取り組みは日本で初めてです。
プロジェクトには、株式会社カクイチ、カクイチ建材工業株式会社、株式会社カクイチ製作所の3社から約10名の社員が参加しています。Play Robotics取締役CTOの横山皓大氏による技術支援のもと、2026年7月から基礎学習が始まっており、9月以降は実機を用いた開発に移行する予定です。
最初の目標は2027年4月の入社式ですが、これは最終目標ではありません。暑い、臭い、危険といった環境の悪い作業や、単純作業の繰り返し、現場監督の補助など、製造現場の課題にロボットが本当に役立つのかを1台で徹底的に検証することが主な目的です。

今後の展開
「宮澤ノア」が新しい技術や仕事を身につけていく過程は、両社のニュースリリースやオウンドメディアを通じて継続的に発信されます。成功事例だけでなく、うまくいかなかったことも含めて公開することで、これからヒューマノイドロボットの導入を検討する企業にとっての判断材料となることを目指しています。
Play Roboticsは、同様の課題を抱える企業に対して、このプログラムを順次提供していく予定です。
Play Robotics 代表取締役 佐野貴氏のコメント
株式会社Play Robotics 代表取締役の佐野貴氏は、「ヒューマノイドロボットは、購入がゴールではなくスタートです。実際に現場で使うと、必ず転んだり壊れたりすることもあります。その前提を共有した上で、それでも一緒に走り切れるお客様と組みたいと考えていました。カクイチ様が下された『1台を徹底的に使い倒す』という判断は、美しいデモンストレーションを一度見せることよりも、はるかに勇気のいる決断だと思います。」と述べています。
また、「ヒューマノイドロボットに任せられる仕事は、これから大きく広がっていきます。重いものの運搬や危険な場所での作業から、人と会話しながら進める仕事、状況を見て判断する仕事まで、可能性は無限大です。しかし、いきなりそこを目指すのではなく、まずは現場で『今のヒューマノイドにできること』を見極め、内製化と人材育成から始めることが重要です。だからこそ、『新卒社員』という役割からのスタートに意味があります。完成品として扱うのではなく、育てる対象として迎えることで、できることを一つずつ増やしていける。それが結果として、企業としての投資対効果にもつながっていくと考えています。」と、プログラムの意義と未来への展望を語っています。
さらに、「私たちは、事故に直結する安全の領域は責任を持って引き受け、その上でロボットに新しい仕事を覚えさせる部分は、皆さん自身の手でつくっていただく設計にしました。技術が社内に残らなければ、内製化とは呼べないからです。100年後には、1人1台のロボットがいる。その未来を、いま届けるための第一歩です。」と締めくくりました。
プログラム提供概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | フィジカルAI/ヒューマノイド内製化支援プログラム |
| 提供開始 | 2026年7月23日 |
| 対象 | ヒューマノイドの導入・活用を検討する企業 |
| 期間・規模 | 案件に応じて設計(1台から対応可能) |
| 内容 | 初期設計・技術選定、安全評価、内製化トレーニング、現場実証・活用設計のディレクション、現地立会 |
| 料金 | 個別にお見積り |
| 備考 | ロボット本体の調達費は含みません。調達ルートはご紹介します。 |
株式会社カクイチについて
株式会社カクイチは1886年に創業し、ガレージ・倉庫などの鉄鋼製品や産業用ホースの製造・販売を中心に、太陽光発電、農業改善、ミネラルウォーター、ホテルなど多岐にわたる事業を展開しています。
公式サイト:https://www.kaku-ichi.co.jp/
株式会社Play Roboticsについて
株式会社Play Roboticsは「100年後の未来を、いま届ける。」を掲げ、ヒューマノイドロボットの安全な社会実装に取り組む専門企業です。世界各国のヒューマノイドロボットの研究・評価を行い、現場の課題整理から機体選定、安全設計、導入・運用の設計、組織への定着までを一貫して支援しています。人とロボットが共に働くための組織や仕事のあり方も含めて設計し、ヒューマノイドが安全に活躍できる社会の実現を目指しています。
公式サイト:https://play-robotics.com/
お問い合わせフォーム:https://play-robotics.com/contact
会社名:株式会社Play Robotics(英文:Play Robotics Inc.)
所在地:東京都中央区月島1丁目15-7 パシフィックマークス月島 6F
代表取締役:佐野 貴
設立:2026年4月9日
事業内容:ヒューマノイドロボットの研究・導入支援、安全コンサルティング、コンパニオンロボットの開発、ロボット関連メディア運営


