JDSCが都市の新しいエネルギー源「フラクタル型太陽光発電」の実証を開始
都市の課題を解決する「フラクタル型太陽光発電」の実証がスタート
株式会社JDSCは、都市部での再生可能エネルギー導入を促す新しい方法として、「フラクタル型太陽光発電活用システム」の構築実証を開始します。この実証は、東京都環境局と公益財団法人東京都環境公社が募集する「令和8年度 次世代再生可能エネルギー技術社会実装推進事業」に選ばれました。実証は東京都品川区にあるオフィスビルの敷地を使い、令和9年度から約1年間行われる予定です。
都市部における再生可能エネルギー導入の背景
東京都は、2030年までに温室効果ガスの排出量を2000年と比べて半分に減らす「カーボンハーフ」という目標を掲げ、「ゼロエミッション東京戦略」を進めています。さらに、2035年までには60%以上の削減を目指しており、都内で新しい再生可能エネルギー技術が社会で使われることを強く推し進めています。
しかし、都市部では建物が密集しているため、太陽光発電のパネルを置く場所が少なかったり、景観を守るためのルールがあったりします。また、最近の暑さやヒートアイランド現象も問題となっており、これまでの太陽光発電を導入することが難しい状況でした。
JDSCは、このような都市ならではの課題に対応するため、研究が進んでいる「フラクタル構造」を太陽光発電に応用する技術を開発しました。この技術が東京都の事業に採択され、今回の実証が始まります。
フラクタル型太陽光発電の特徴
フラクタル型太陽光発電は、大きなパネルを骨組みとし、その隙間を小さなパネルで埋めるような、何層にも重なった構造を持っています。これにより、木漏れ日のような光と影を作り出しながら発電します。従来の平らな太陽光パネルとは異なる、以下のような特徴があります。

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効率的な発電と放熱: 三次元的なフラクタル構造により、限られた設置面積でも太陽の光を受け止める面積を最大限にし、効率よく発電しながら、熱を逃がす(通風)こともできます。
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ヒートアイランド現象の緩和: 適度に光を通す「木漏れ日効果」によって、パネルの真下の道路や空気の温度の上昇を抑え、都市のヒートアイランド現象を和らげるのに役立ちます。
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多様な場所への設置: 風が通り抜ける設計のため、風の力がパネルにかかりにくく、大きな工事が難しい歩道、駐車場、公園などの空いているスペースにも設置しやすいというメリットがあります。
実証事業の具体的な内容
この実証事業は、JDSCが中心となり、ものづくりJob shopコンソーシアム(パネル改良)、株式会社芳和システムデザイン(センサー提供)、日鉄興和不動産株式会社(実証フィールド提供)、そして京都大学名誉教授で静岡県立大学副学長の酒井敏氏(技術監修)が協力して行われます。
実証では、設置されたフラクタル型太陽光発電設備に7種類のIoTセンサーを配置し、約1年間にわたってデータを継続的に取得します。これにより、システムの3つの強みについて、具体的な数値で検証を行います。
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発電性能: パネル同士が影を作り合う条件下で、発電量がどれだけ減るかを調べます。
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冷却効果: フラクタル型の日よけの真下で、道路や空間の温度がどれだけ抑えられるかを測定します。
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耐久性・安全性: ビル風、雨、台風などの厳しい環境で、設備を支える架台、パネル、動く部分がどれだけ丈夫かを検証します。
さらに、公共の場所での利用も視野に入れ、100名以上の利用者を対象にアンケート調査を実施します。これにより、この設備がどれくらい快適か、景観に合うか、再生可能エネルギーに対する意識がどう変化するかを評価します。
今後の展望
JDSCは、今回の実証で得られる約1年間のデータをもとに、製品の標準的な仕様を決め、大量生産に向けて開発を進める方針です。そして、2029年度からは東京都内の公共空間や民間の施設への展開を見据え、社会で実際に使われるモデルを確立することを目指しています。都市の空いている場所を有効活用して、再生可能エネルギーの導入を広げるとともに、ヒートアイランド現象を和らげるインフラとして、東京都のゼロエミッション目標達成に貢献していく考えです。
株式会社JDSCについて
株式会社JDSCは、AI(人工知能)技術とデータサイエンスを使い、日本の主要な産業を変革しているテクノロジー企業です。製造業、物流、インフラ、公共施設など、さまざまな現場に深く関わり、デジタル変革(DX)やAIによる意思決定の高度化から、現実世界を最適化し、自動で動かすフィジカルAIまでを実現しています。社会の課題を解決する新しい産業の基準を作り、日本の発展に貢献することを目指しています。


