エクサ、危険作業を減らし人手不足を解決する「フィジカルAIプラットフォーム」開発を本格化

株式会社エクサは、産業や社会の基盤となる現場で起きる危険な作業を減らし、人手不足の問題を解決するため、「フィジカルAIプラットフォーム」の開発プロジェクトを本格的に始めました。

このプロジェクトの最初の取り組みとして、エクサがこれまで海事の分野で培ってきた知識や実績を活かし、船の保守・点検作業の自動化に着手します。ドローンを使ってデータを集め、AI(人工知能)で分析し、デジタルツイン(現実の世界をコンピューターの中に再現する技術)上で見やすくすることで、点検作業を自動化することを目指します。

この取り組みは、エクサが今年度から始めた中期経営計画に基づいており、今後も積極的に投資を続けていく予定です。

危険な作業と人手不足に悩む船舶保守・点検の現場

日本において、農業や漁業などの一次産業や、社会を支えるインフラ施設の管理現場では、経験豊富な技術者が高齢になり、人手が足りないという問題が深刻化しています。

特に、保守・点検の現場では、次のような課題があります。

  • 高い場所や暗い場所、狭くて閉ざされた空間での作業が多く、落ちたり酸欠になったりする危険がある

  • 作業員の安全を守るための足場を設置したり撤去したりするのに、多くの時間とお金がかかる

  • 点検結果の判断が、検査員や熟練した技術者の経験やスキルに頼りがちである

  • 熟練技術者の高齢化や人手不足により、将来にわたって点検体制を維持することが難しくなっている

これらの問題を解決し、将来にわたって保守・点検業務を続けていくためには、厳しい環境や危険を伴う作業を、少ない人数で行ったり、自動化したりすることが求められています。

エクサは、こうした社会の課題を解決するため、「フィジカルAIプラットフォーム」の開発を進めています。その中でも最初に力を入れるのが、海事産業における船の保守・点検業務です。ドローンなどを活用して人が立ち入る範囲を減らし、集めたデータをコンピューターの空間に記録して見やすくすることで、保守・点検業務を効率化する新しい仕組みを作ろうとしています。

現実世界とデジタル世界をつなぐ技術とフィジカルAIの融合

エクサはこれまで、膨大な量の3D点群データ(ものの形を点の集まりで表すデータ)を処理する技術や、現実の設備や空間をデジタル空間に再現するデジタルツイン技術など、CPS(サイバー・フィジカル・システム)と呼ばれる分野の技術を培ってきました。

CPSとは、現実の世界から集めたデータをデジタル空間で処理・分析し、その結果を現実世界の活動や制御に反映させる仕組みのことです。

フィジカルAIは、AIによる認識・理解・判断と、ドローンやロボットなどの機械による動作を組み合わせ、一連の作業を自動的に行う技術です。

このプロジェクトでは、JFEスチールの現場で培われた3D点群データ処理技術やデジタルツイン技術を土台に、ドローン、エッジAI(機器の近くでデータを処理するAI)、自律・遠隔制御などの技術を組み合わせ、「フィジカルAIプラットフォーム」の開発を進めています。これにより、安全で客観的な新しい点検方法を確立することを目指しています。

フィジカルAIプラットフォームのシステム概要図

開発体制と各社の役割

エクサがこのプロジェクトを主導し、プラットフォーム全体の計画・開発、さまざまな技術の統合、そして実際に試す実験を進めます。株式会社エアロネクストと株式会社Forcesteed Roboticsは、それぞれの得意な分野で技術的な協力を行います。

  • 株式会社エクサ
    大規模な3D点群データの処理技術やデジタルツイン技術を基盤として、フィジカルAIプラットフォーム全体の計画・開発、技術の統合、実証実験を推進します。

  • 株式会社エアロネクスト
    乾ドック(船を修理するために水を抜いた場所)の中や、狭い船内環境も考慮したドローンの選定、設計の支援、そしてドローンを自動で動かしたり遠くから操作したりする技術について助言を行います。

  • 株式会社Forcesteed Robotics
    ドローンなどから取得したデータを現場で処理するエッジAIの検討や実装の支援、取得したデータの認識・分析、AIとロボットを連携させるためのシステム設計を支援します。

保守・点検作業の安全性向上と時間の短縮を目指す

2026年度中には、実際の船のデータを使ったデジタルツイン環境を作り、実証実験を進める予定です。データ取得、AIによる処理・分析、点検する対象を見やすくするといった、プラットフォームを構成する中心となる技術の確立を目指します。このプラットフォームが完成すれば、これまで数週間かかっていたドック内での点検に関する作業工程を、数日程度に短縮できることを目標としています。

さらに、船の保守・点検業務で得られた技術や知識をフィジカルAIプラットフォームとしてまとめ、将来的には一次産業や社会インフラをはじめとする他の産業分野へも展開していくことを検討しています。

会社概要

株式会社エクサ

JFEスチールを母体とし、キンドリルジャパンを親会社に持つITサービス会社です。技術力とお客様への共感を大切にし、上流のコンサルティングから開発・構築、運用・保守までの各種サービスを総合的に提供しています。
ホームページ:https://www.exa-corp.co.jp/

株式会社エアロネクスト

「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ。」という使命のもと、低い空域を活用した次世代の社会インフラ構築に取り組んでいます。
ホームページ:https://aeronext.co.jp/about/company/

株式会社Forcesteed Robotics

AIや画像認識、ロボット技術の高度な研究開発と社会での実用化をけん引する企業です。Agentic Visionや空間知能、人工意識FSR-ACを核とし、環境の認識から状況の理解、意思決定、エッジAI、さらにはロボットの行動分析まで、人と共生するロボットの実現に不可欠な技術や製品を幅広く展開しています。
ホームページ:https://www.forcesteed.com/

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