ジオテクノロジーズと日本IBM、AIで地理空間データの活用を加速するDX/AIパートナーシップを締結

この度、デジタル地図事業を手がけるジオテクノロジーズ株式会社と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、デジタル変革(DX)とAI技術の活用に関する協力関係(DX/AIパートナーシップ)を結びました。

DX/AIパートナーシップ締結の様子

このパートナーシップでは、ジオテクノロジーズが持つ地理空間データや、人やモノの動き、購買情報などのダイナミックなデータとその分析技術に、日本IBMのクラウド上で動くシステムを作る技術(クラウドネイティブ技術)やAIの活用方法、開発の進め方を組み合わせます。これにより、新しい価値を生み出し、地理空間データの利用をさらに広げていくことを目指します。

具体的には、地図を作るための大切なシステムをクラウド上で動くようにし、AIを使って開発を効率良く進めることに加え、新しい地理空間データ・ソリューションを協力して開発していきます。

パートナーシップの背景

デジタル技術が進むにつれて、地理空間データは単に地図で現状を知るだけでなく、人やモノの動きを分析することで、企業や自治体が重要な決断をするための支えとなっています。

ジオテクノロジーズは30年以上にわたり地図事業を行っており、これまでに集めてきた高精度な地理空間データと、人流や購買といったダイナミックなデータを組み合わせて分析することで、企業や自治体の意思決定を助けたり、近い未来を予測したりすることに取り組んでいます。

一方で、自動運転や先進運転支援システム(ADAS※1)に対応するなど、地理空間データに対する新しいニーズが高まっています。これに対応するため、ジオテクノロジーズはデータの構造をより高度にし、多様な顧客の要望に柔軟に応えられるよう、地理空間データの編集・更新を行う主要なシステムの刷新を進めていました。

日本IBMは、企業の主要なシステムを新しくする支援を長年行ってきており、その実績と知識を持っています。クラウドネイティブ技術や生成AIを使った次世代のシステム開発を進めています。ジオテクノロジーズのシステム刷新においても、生成AIを活用して、必要な資料が不足している問題や、開発に必要な人材の確保といった課題の解決をサポートしてきました。

パートナーシップの主な取り組み

このような状況のもと、両社は地理空間データの基盤をより高度にし、新しいデータの価値を生み出すため、DX/AIパートナーシップを結びました。このパートナーシップでは、主に以下の取り組みを進めます。

1. 地図整備基幹システムのクラウド基盤構築

ジオテクノロジーズの地図データの編集・更新を行う主要なシステムに、日本IBMのクラウドネイティブ技術を導入します。これにより、自動運転やADASといった多様な顧客のニーズに素早く対応できる柔軟性を高め、高品質なデータをタイムリーに提供できるクラウド基盤を作ります。合わせて、セキュリティとデータ管理を強化し、安全で継続的にデータを活用できる仕組みを確立します。

2. AIエージェント・仕様駆動開発による開発効率化

ジオテクノロジーズの地図整備基幹システムの構築において、日本IBMの知識を活かした開発方法を取り入れ、設計から開発、運用までを一貫して効率化します。具体的には、AIが開発を支援するパートナーである「IBM Bob」や、大きなシステム開発で仕様駆動開発を本格的に適用するための標準的なソリューション「AI Lifecycle Shared Engineering Artifacts(ALSEA、アリーシア)」の活用を検討し、品質の向上と生産性の改善を図ります。これにより、開発にかかる期間を全体の30%以上短縮することを目指します。

3. 地理空間AI基盤を活用した新たなデータ・ソリューションの共同開発

両社は、日本IBMの地域DXセンター※2などの協力拠点や開発・保守体制を活用し、モビリティ、都市開発、防災、マーケティングなど幅広い分野で、自治体や企業の意思決定を支援する新しいデータ・ソリューションを共同で開発します。その中心となる技術として、ジオテクノロジーズが開発・提供する地理空間AI基盤「GeoTechAgent®」の活用を検討します。「GeoTechAgent®」は、RAG(検索拡張生成:必要な情報を探し出し、それに基づいて回答を生成する技術)やAIエージェントの技術を地理空間の分野に応用したものです。これにより、施設・地点情報(POI)の検索や、地点周辺の分析、人やモノの動きを考慮した将来の予測などを、対話形式でまとめて提供します。専門知識がなくても、必要な地理空間情報や分析結果に直感的にアクセスできる環境を実現します。

4. 責任あるAIとデータ・ガバナンスの推進

両社は、透明性、説明できること、公平性を大切にする「責任あるAI」の原則に基づいて、このパートナーシップを進めます。人流や購買などの動くデータの活用においては、個人情報保護法をはじめとする関連する法律を守り、適切なデータ管理とプライバシー保護を徹底します。また、AIによる分析や予測の結果については、人が確認・監督を行い、安全性とセキュリティを確保した上で、産業や社会の意思決定を支えるデータの価値を生み出すことを目指します。

今後の展望

両社はこのパートナーシップを通じて、地理空間データとAIの活用をさらに高度にし、産業や社会の意思決定を支える新しいデータの価値を生み出すことを加速させます。加えて、モビリティ、都市開発、防災、マーケティングなど幅広い分野でのデジタル変革に貢献し、持続可能な社会の実現を目指します。

※1:Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム
※2:日本IBMは2022年から全国にIBM地域DXセンターを開設し、ITサービスの高度化、AI活用、地域人材育成を推進。2026年内に9拠点体制となり、今後もグローバル拠点と連携したサービス提供を強化していきます。

関連リンク:
AI Partnership with Geo-Technologies

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