建築業界でAI活用が組織全体に広がる、半年で68.5%に拡大

建設AI経営実態調査

建築AI経営研究会は、建築・建設業の経営者を対象に「建築AI経営実態調査」を実施し、その最新結果(2026年8月)を発表しました。2026年3月の調査開始と比較すると、半年間でAIを特定部署以上で活用する企業の割合が43.4%から68.5%へと拡大しています。この結果は、AIが個人の利用にとどまらず、組織全体で成果を出すための重要なツールへと変化していることを示しています。

AI活用が個人から組織へ

調査によると、「特定部署以上でAIを活用している(Level2以上)」企業の割合は、3月の43.4%から8月には68.5%へと、25.1ポイント増加しました。一方で、個人の利用にとどまるLevel1の企業は56.6%から31.5%へと減少しています。さらに、自社のデータを学習させた独自AIを構築する「Level4」の企業も3.8%から9.3%へと倍増し、AIを深く活用する企業が増えていることがわかります。

AI活用レベルの推移

導入ツールは「定着」から「高度化」へ

AIツールの導入状況を見ると、「Claude」の会社としての有料導入率は、半年間で18.9%から約70%へと定着しました。「Gemini」も高い水準を保っています。加えて、8月の調査では「Claude Code(57.4%)」「NotebookLM(53.7%)」「Codex(25.9%)」といったコード生成や知的生産に特化した新しいツールが上位に入り、AI活用が「広く浅く」から「深く多様に」進んでいることが示されました。

会社AIツール有料導入率の定点比較

経営者の悩みは「導入」から「人材・浸透」へ

経営者がAI活用で直面する最大の課題も変化しています。「何から始めればよいか優先順位が見えない」という初期の課題は50.9%から31.5%へと減少しました。これに代わり、「活用できる社内人材がいない・育っていない」という悩みが7.5%から20.4%へと上昇しています。これは、AI導入の初期段階が一段落し、人材育成と社内への浸透が次の重要な課題となっていることを意味します。

経営の壁の定点比較

AIへの意識が「期待」から「成果実感」へ変化

AIに対する経営者の意識も変わっています。「AIはすでに業績を変えている武器だ」と答えた経営者は、3月の9.4%から8月には25.9%へと増加し、約4社に1社がAIの成果を実感しています。また、同業他社のAI活用に対して「進んでいて危機感がある」と感じる経営者も26.4%から42.6%へと高まり、AIへの信頼感が広がっていることがわかります。

同業他社への競合感とAIマインドセットの定点比較

AI活用の効果、数字で捉える動きが加速

AI活用の効果をどのように把握しているかについても変化が見られます。「時間短縮・工数削減など業務数字で把握している」と答えた企業は15.1%から24.1%へと増加しました。一方、「効果がまだ出ていないので把握できていない」という回答は47.2%から20.4%へと大きく改善しており、AI活用の効果が感覚的なものから、数字で明確に捉えられる段階へと進んでいることが示されています。

AI効果の把握の定点比較

半年間の変化から見えてくるAI活用の未来

この半年間の調査結果から、建築・建設業におけるAI活用が「導入して試す」段階から「組織で成果を出す」段階へと移行していることが明らかになりました。

定点観測 変化サマリー

AIの活用レベルは底上げされ、個人利用が主流だった状況から、特定部署以上で活用する企業が約7割を占めるようになりました。また、主要なチャットAIの定着に加え、コード生成や知的生産系のツールを組み合わせる企業が増えています。課題の中心も「何から始めるか」といった初期段階の悩みから、「人材育成」「社内浸透」「効果の定量化」といった次のフェーズへと移っています。

一方で、「相談できる専門家やパートナーがいない」という課題は11.3%から27.8%へと上昇しており、伴走支援へのニーズが高まっていることも示されています。建築AI経営研究会は、経営者同士の実践的な知識共有を通じて、この移行を支援していく方針です。

調査概要

  • 調査名: 建築AI経営実態調査 定点観測レポート(2026年3月→6月→8月)

  • 調査主体: 建築AI経営研究会(運営:株式会社LIFEFUND)

  • 調査対象: 建築・建設業の経営者

  • 有効回答数: 2026年3月調査 n=53 / 2026年6月調査 n=31 / 2026年8月調査 n=54

調査レポートを引用・転載する際は「建築AI経営研究会 調査(2026年8月)」と出典を明記してください。

建築AI経営研究会について

建築AI経営研究会ロゴ

「建築AI経営研究会」は、建築・住宅業界の経営者を対象に、AIを経営の武器として活用するための実践的な知識を共有するコミュニティです。「建築経営にどのようにAIを浸透させるか」をテーマに、隔月で研究会を開催しています。次回は2026年9月28日に開催される予定です。

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