doda調査:年収600万円以上のハイクラス求人が5年で2.6倍に増加、建設・IT・営業で需要が拡大

転職サービス「doda」は、2022年上半期から2026年上半期までのハイクラス求人の増加率について分析したランキングを発表しました。この調査は、提示年収の下限が600万円以上の求人を対象としており、その結果から、採用市場の大きな変化が明らかになっています。

doda ハイクラス求人の増加率ランキング

ハイクラス求人が5年で2.6倍に成長

「doda」に新規掲載された求人のうち、提示年収の下限が600万円以上の求人数は、2022年上半期と比較して2026年上半期には約2.6倍に増加しました。これは、求人全体の増加率(約2倍)を上回る結果であり、企業が即戦力となる専門的な人材を強く求めていることがわかります。

求人情報サイトの給与欄

この傾向は今後も続くと予想され、企業は年齢や性別に関わらず、活躍できる人材を積極的に採用していく必要があるでしょう。

ハイクラス求人数の推移

業種別ランキング:建設・プラント・不動産がトップ

業種別のハイクラス求人増加率ランキングでは、「建設・プラント・不動産」が4.9倍で1位となりました。特にゼネコン、デベロッパー、サブコンといった分野での求人が増えています。次いで「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」が4.8倍で2位、「運輸・物流」が4.0倍で3位となっています。

業種別 ハイクラス求人(下限600万円以上)の増加率ランキング

この背景には、東名阪での大規模な再開発や、AIの普及に伴うデータセンターの需要拡大が挙げられます。これらのプロジェクトでは、「建物づくり」から「街づくり」へと業務が複雑化し、より高度な専門知識を持つ人材が求められています。

職種別ランキング:建設・建築・不動産関連の技術職がリード

職種別では、「技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場)」が4.7倍で1位でした。特に施工管理の求人増加が顕著です。2位は「販売・サービス職」で4.5倍、3位は「営業職」で4.2倍となっています。

職種別 ハイクラス求人(下限600万円以上)の増加率ランキング

販売・サービス領域では、小売市場の多様化が進み、店舗開発や店長、スーパーバイザーといった事業を動かす即戦力人材の需要が高まっています。また、営業職では建設・土木・不動産・住宅営業やIT営業の伸びが目立ちます。

採用ニーズの変化と今後の展望

大規模再開発とデータセンター需要

建設・不動産領域では、大規模再開発やデータセンターの増加により、慢性的な人手不足が続いています。これに加え、再生可能エネルギー設備や通信インフラなど、さまざまな要素を組み合わせた大規模プロジェクトが増えることで、エネルギー、通信、製造、環境分野など、異なる業界で経験を積んだベテラン人材の活躍の場が広がっていくでしょう。

販売・サービス領域の即戦力需要

販売・サービス領域では、人手不足とコロナ禍からの需要回復に加え、小売市場の競争激化がハイクラス求人増加の背景にあります。戦略的な店舗開発や店舗運営を担う店長・スーパーバイザー、商品企画などの即戦力人材が強く求められており、今後も獲得競争は続くと予想されます。食品・日用品メーカーや専門商社で培った知見を持つ人材への需要も高まるでしょう。

AI・半導体・EV需要によるエンジニア需要

AIや半導体の需要拡大、EV化の進展により、製造業では事業の再編が進んでいます。成長が見込まれる半導体、次世代電池、EVなどの分野では、大規模な設備投資や生産ラインの新設が進んでおり、組み込みエンジニアや機械・電気系エンジニア、新規ラインの立ち上げを担う即戦力人材への需要が増加しています。高度な専門性を持つエンジニアは育成に時間がかかるため、提示年収を引き上げて採用する企業が増えていると考えられます。今後もこれらの分野への投資は続き、人材獲得競争は激化するでしょう。

DX・AI投資によるITソリューション営業の需要

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI活用への投資が拡大する中で、ITソリューション市場も大きく成長しています。多くの企業がDXやAI活用の方向性を模索しているため、顧客の課題を理解し、具体的な解決策を提案できる高度なソリューションセールス能力を持つIT営業人材が求められています。製造業、金融業界、小売業界などで培った知見とDX・AI活用の知識を併せ持つ営業人材への需要も高まっていくと予想されます。

解説者プロフィール

今回のレポートについて、ハイクラス・ミドルシニア労働市場スペシャリストの石井 宏司氏が解説しました。

石井 宏司氏のポートレート

石井氏は、パーソルキャリア株式会社にてミドルシニア層のキャリア支援やハイキャリア人材活用の推進に尽力しています。大手コンサルティング会社での経験を活かし、転職市場の動向を多角的に分析し、課題を特定することを得意とする専門家です。

調査概要と「doda」について

本調査は、2022年上半期から2026年上半期にかけて転職サービス「doda」に新規掲載された求人のうち、提示年収の下限金額が600万円以上であるものを対象としています。

「doda」は「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに、転職サイトや転職エージェント、doda転職フェアなどを通じて、転職希望者と求人企業の最適なマッチングを支援しています。

パーソルキャリア株式会社は、「人々に「はたらく」を自分のものにする力を」をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」などを提供しています。個人の「はたらく」に焦点を当て、社会課題の解決とすべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指しています。

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