2026年7月 全国企業倒産件数が1037件に リーマン・ショック後と同水準で増加傾向
2026年7月の企業倒産件数が1037件に、負債総額は今年最大
2026年7月の全国企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)は1037件に達し、前年同月と比較して8.5%増加しました。これにより、2カ月連続で倒産件数が1000件を超えることとなり、リーマン・ショックの影響が残っていた2009年以来、約17年ぶりの高水準となっています。負債総額も2341億1800万円となり、前年同月比40.6%増と5カ月連続で前年を上回り、今年で最も大きな金額となりました。この負債総額の約半分は、クレジットカード売上代金の早期決済代行サービスを手がけていた株式会社全東信の倒産によるものです。

倒産件数と負債総額の推移
過去のデータを見ると、2022年から2026年にかけて倒産件数は増加傾向にあります。特に2026年7月は、倒産件数、負債総額ともに顕著な増加が見られます。

業種別の状況
主要7業種のうち5業種で倒産件数が前年を上回りました。特に『小売業』は234件で前年同月比27.2%増となり、2000年以降で最も多くの倒産が発生しています。次いで『サービス業』が261件、『建設業』が207件と、いずれも200件を超えました。
飲食関連産業の増加が目立ち、『小売業』では「飲食料品小売」や「飲食店」、『卸売業』では野菜卸売などの「飲食料品卸売」が増加しました。『建設業』では電気工事や管工事などの「設備工事」が大きく増加しています。

倒産の主な原因
倒産の主な原因としては、「販売不振」が840件と最も多く、7月としては2000年以降で2番目に多い件数となりました。販売不振を含む「不況型倒産」は847件で、2カ月連続で前年を上回っています。
また、「放漫経営」による倒産が27件と前年から大幅に増加しました。

倒産の種類
倒産の種類を見ると、事業を清算する『清算型』倒産が1003件となり、東日本大震災が発生した2011年3月以来、約15年ぶりに1000件を超えました。このうち「破産」が951件、「特別清算」が52件でした。一方、事業の立て直しを目指す『再生型』倒産は34件で、5カ月ぶりに前年を下回りました。
負債額・資本金規模別の状況
負債額が「5000万円未満」の倒産が655件と、2000年以降で過去最多を2カ月連続で更新しました。これは、比較的小規模な企業の倒産が増えていることを示しています。
資本金規模別では、『個人事業主と1000万円未満の法人』の倒産が全体の70.0%を占め、726件となりました。

企業の歴史(業歴)別の状況
企業の歴史(業歴)を見ると、「30年以上」の企業が339件で最も多く、このうち創業100年以上の老舗企業も20件倒産しました。また、「15年以上20年未満」の企業が141件と、2011年3月以来約15年ぶりに140件台の高水準となっています。
一方で、創業10年未満の『新興企業』の倒産は272件で、2カ月ぶりに前年を下回りました。

地域別の状況
地域別では、全国9地域のうち7地域で倒産件数が前年を上回りました。『九州』は115件と2000年以降で2番目に多く、特に福岡県と鹿児島県で過去最多を記録し、地域全体を押し上げました。一方で、『北陸』は7カ月ぶりに前年を下回っています。
増減率では、『東北』が57.5%増と最も高く、全県で前年を上回りました。次いで、『四国』が57.1%増となり、7カ月連続で前年を上回っています。

特殊な要因による倒産
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物価高倒産: 121件が判明し、過去最多を更新しました。
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人手不足倒産: 30件が判明し、3カ月ぶりに前年を下回りました。
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後継者難倒産: 52件が判明し、2カ月連続で前年を上回りました。
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ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産: 63件が判明し、そのうち『小売業』が16件で最も多くなっています。
今後の見通し
2026年7月は企業倒産が2カ月連続で1000件を超え、増加傾向が続いています。負債総額も今年最大を記録し、特に不適切な会計処理が相次いで発覚していることが注目されます。株式会社全東信のような大規模な粉飾の疑いが指摘された事例もあり、利用者や金融機関への影響が懸念されています。
また、7月28日に発生した熊本県での地震は、多くの企業に影響を与えています。帝国データバンクが7月30日に発表した「令和8年熊本地震」関連調査によると、震度5強以上の強い揺れを観測した熊本県内25市区町村に本社を置く企業は1万8257社、支店・工場などの拠点は1万1356社に及ぶことが判明しています。半導体や自動車産業が集積する地域であり、サプライチェーンへの波及とその影響は注意深く見守られるでしょう。
物価高倒産が過去最多を更新する中で、いまだ終結をみない緊迫化する中東情勢や原油価格の上昇も懸念材料です。「中東情勢悪化倒産」は7月末までの累計で12件にとどまっているものの、月を追うごとに増加傾向にあり、今後の推移に注目したいところです。また、物価上昇が進むなかで消費者の節約志向の高まりも想定され、小売業や消費者向けサービスを展開する企業にとっては厳しい事業環境が続くことが予想されます。
国内景気はAI・半導体関連需要や政府による成長投資が大手企業を中心にプラス材料となっていますが、業績の改善に至らない中小企業には、そうした恩恵が及ばず、企業間の規模間格差は拡がっています。このため、企業倒産は年後半も高い水準で続く可能性が高いと考えられます。


