林業向けアプリ「mapry林業」がGNSS測量に対応し、造林補助事業の申請・検査がより効率的に
株式会社マプリィは、林業向けのiOSアプリ「mapry林業」において、GNSS測量機能の提供を2026年8月5日より開始しました。この新しい機能は、3周波(単独測位)に対応したGNSSレシーバー「R2」と連携して使用されます。これにより、これまで時間と手間がかかっていた造林補助事業の申請や検査業務がデジタル化され、大幅な効率化につながります。

デジタル測量への移行
近年、林野庁は「スマート林業」の推進に力を入れており、各都道府県でも造林補助事業の検査方法が見直されています。これにより、林業の現場ではデジタル技術を使った測量への切り替えが進んでいます。GNSS(全球測位衛星システム)を使った測量が主流になることで、補助金の申請や検査にかかる作業が大きく減り、事業者と行政の両方にとって、より透明性の高いデータ管理が可能になります。
「mapry林業」とGNSS測量の3つの利点
「mapry林業」アプリとGNSSレシーバー「R2」を組み合わせた測量には、従来のコンパスを使った測量と比べて、大きく3つの利点があります。誰でも、どこでも、そしてスピーディーに作業を進められる点が特徴です。
1. 電波が届かない山奥でも測量が可能(単独測位)
携帯電話の電波が届きにくい山奥の現場でも、衛星からの電波を直接受け取ることで測量が行えます。
2. 短時間で座標を取得し、作業を効率化
見通しが悪い山林でも、あらかじめ設定した測位条件に従って、各測点で最短数十秒待つだけで、効率的に座標データを得られます。
3. 申請・検査に必要な書類をパソコンから簡単に出力
現場で取得したデータは、パソコンソフト「mapryGIS」に取り込むことで、国の基準に沿った「観測手簿」や「図面」、ポリゴンデータなどを簡単な操作で作成できます。座標だけでなく、エポック数やPDOPなど、検査に必要な情報も含まれており、行政への申請手続きがスムーズになります。



GNSS測量の精度について
連携するGNSSレシーバー「R2」は、672チャンネルの受信能力を持ち、GPSや日本の準天頂衛星システム「みちびき(QZSS)」など、さまざまな衛星信号に対応しています。これにより、山間部でも安定して高い精度の測位が可能です。
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単独測位精度:水平1.2m(CEP)/垂直2.0m(中央値)
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RTK測位精度:水平0.006m + 1ppm(CEP)/垂直0.01m + 1ppm(中央値)
(※基準局から20km離れた場所でも合計誤差を約3cmに抑えます) -
主な対応衛星システム:GPS、QZSS、Galileo、GLONASS、BeiDou
実地検証の結果
実際に山林で、補正局を使わない単独測位での検証が行われました。その結果、林野庁のガイドラインで定められている測量条件をクリアしており、実際の業務で問題なく使えることが確認されています。
| 項目 | 林野庁の基準 | 検証結果・実績値 |
|---|---|---|
| 位置精度(PDOP) | 4以下 | 0.9〜1.2 |
| 衛星捕捉数 | 概ね6衛星以上 | 26〜32個 |
| データ取得数 | 10エポック以上 | 10エポック |
| 対応衛星 | 複数(GPS、みちびき等) | 5システム(上記記載) |
| 2D標準偏差 | – | 0.017〜0.166 |
※測量規模:面積 2.69 ha / 水平距離 758.08 m / 全19測点にて実施
今後の展望
今後は、背負って使うタイプや手持ち式のLiDAR(ライダー)「LA03-1」を使ったGNSS測量への対応も予定されています。これにより、一度の計測で申請に必要な複数のデータ(GNSSデータ、コンパスデータ、オルソ画像など)を同時に取得できるようになります。また、DTM(数値地形モデル)による視覚的なデータ提示で、森林所有者との合意形成もスムーズになるでしょう。さらに、取得した点群データを活用して、松枯れやナラ枯れなどの被害状況を効率的に調べることにも応用できると見込まれます。
「mapry林業」アプリは下記よりダウンロード可能です。
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マプリィについて
マプリィは、測量、林業、防災、農業、建設など、幅広い分野で利用できるサービスです。これまで費用や操作の難しさから導入が難しかった三次元データの取得、解析、活用を容易にするソリューションを提供しています。


