企業の半数以上が正社員不足と回答 金融業がトップ、非正社員は飲食店で改善傾向に【2026年7月調査】

株式会社帝国データバンクは、全国の企業を対象に「雇用過不足」に関するアンケート調査を実施し、2026年7月時点の人手不足の現状をまとめました。

夜のオフィスでパソコンに向かい頭を抱える男性

調査の概要

この調査は、全国2万2,350社を対象に2026年7月17日から7月31日までインターネットで行われ、1万518社から有効な回答がありました。人手不足に対する企業の動向を毎月調べており、今回は2026年7月の結果が報告されています。

正社員と非正社員の人手不足の現状

2026年7月時点で、正社員が不足していると感じる企業の割合は51.3%でした。これは7月としては4年連続で50%を超えており、前年同月(2025年7月、50.8%)と比べても0.5ポイント上昇し、高い水準で推移しています。

一方、非正社員が不足していると感じる企業の割合は28.8%でした。前年同月(28.7%)から0.1ポイント上昇したものの、7月としては3年連続で3割を下回っており、正社員に比べて非正社員の人手不足は改善傾向にあることが示されています。

正社員と非正社員の割合の約20年間の推移を示すグラフ

業種別の正社員不足

正社員の不足を感じている企業を業種別に見ると、「金融」が67.1%で最も高い割合を示しました。ある損害保険代理店からは「Webからの問い合わせ件数が増え、新規加入件数も上向いている」との声が聞かれ、案件の増加が人手不足につながっている状況が見られます。

また、金融機関では、日本銀行の利上げによる貸出金利の上昇や、M&A、事業承継支援、企業価値担保権の活用といった専門性の高いサービスが求められており、人材確保が重要になっています。

「建設」(66.0%)や「運輸・倉庫」(65.6%)も、現役世代の高齢化や引退、慢性的なドライバー不足を背景に、人手不足の割合が高水準で推移しています。土木工事の企業からは「資材の高騰や人員不足で作業員の確保が厳しく、赤字覚悟で受注している」との声が寄せられており、人件費の上昇が経営を圧迫している現状がうかがえます。

2013年から2026年までの金融業と全業種の動向を示す折れ線グラフ

業種別の非正社員不足

非正社員の不足を感じている企業を業種別に見ると、「飲食店」が57.7%で最も高い割合でしたが、4カ月連続で6割を下回り、改善傾向が続いています。

一方で、「メンテナンス・警備・検査」(56.8%)は前年よりも割合が上昇しました。警備会社からは「受注は比較的旺盛だが、人手不足による売り上げ減少に加え、人件費や諸経費アップを十分に価格転嫁できていない」との声があり、人手不足が業績に影響を与えている状況が見られます。

このほか、「娯楽サービス」(54.1%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(46.6%)、「金融」(45.3%)なども、前年から5ポイント以上上昇しており、今後の動向が注目されます。

2024年から2026年7月までの正社員と非正社員の業種別動向を示す表

人手不足倒産とその背景

2026年上半期には、「人手不足倒産」が227件発生しました。これは上半期としては5年連続で前年を上回り、過去最多を更新しています。業種別では建設業が65件で最も多く、サービス業(59件)、運輸・通信業(38件)が続きました。

「建設、工事案件はあるが原材料の高騰と人を集めることが困難で、受注したくてもできない状況」という声があるように、仕事があっても働き手が足りずに受注できないケースが見られます。また、「できる職人が減って技術力の高いところに集中している」や「業界人材の高齢化が一層進んでおり、次の世代が不足し育成にも力を入れていない」といった、経験豊富な人材の高齢化や引退も、人手不足による受注制約が続く一因となっています。

今後の見通し

正社員の人手不足割合は、今後も高水準で推移するだろうと予想されます。特に金融業では、M&Aや事業再生、DXなど、幅広い専門的なサービスが求められ続けるため、継続的な人材の確保と育成がとても大切になるでしょう。

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