サイオニックエーアイ、日本語検索で高精度なAIモデル「comsat-embed-ja」を公開
サイオニックエーアイ株式会社は、生成AIやAIエージェントが社内の日本語文書をより正確に探し出せるようにする新しいAIモデル「comsat-embed-ja」のプレビュー版を、2026年7月にHugging Faceで公開しました。
生成AIを業務で使うための課題
最近、生成AIがいろいろな場所で使われるようになってきました。会社で生成AIを使うとき、AIが適切な答えを出すためには、まず会社の中にあるたくさんの資料から、必要な情報を正しく見つけ出すことがとても大切です。
会社の資料は、ルールブック、マニュアル、よくある質問、契約書など、いろいろな場所に分かれていて、同じ内容でも部署や文書によって表現が違うことがあります。このような状況では、文書や質問が「意味的に近い」もの同士を見つけやすくする仕組みが求められます。
「comsat-embed-ja」とは
「comsat-embed-ja」は、日本語の質問や文書の意味的なつながりを理解するためのAIモデルです。これにより、AIエージェントやRAG(Retrieval-Augmented Generation:情報を探し出して生成するAIの仕組み)が、探している情報をより簡単に見つけられるようになります。例えば、社員からの問い合わせ対応、社内にある知識の検索、書類作成の手助けなど、さまざまな場面での活用が期待されています。
サイオニックエーアイは、このモデルの公開を通じて、企業が生成AIを単なる「文章作成や相談」だけでなく、実際の仕事の流れに組み込んで使えるようにするための技術的な基盤を強くしていくことを目指しています。

活用例
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会社のルールやマニュアルから、社員の質問に必要な情報を探し出す。
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よくある質問や過去の問い合わせ記録から、お客様サポートや社内ヘルプデスクの答え探しを手助けする。
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契約書、報告書、会議の議事録などから、関連する記述やこれまでの経緯を探し出す。
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たくさんの文書に散らばった情報を、AIエージェントが探し出して参照できる土台として使う。
公開モデルの種類
今回公開された「comsat-embed-ja」には、用途に合わせて選べる2種類のモデルがあります。
| モデル | 特徴 | 想定される使い方 |
|---|---|---|
| comsat-embed-ja-8b-preview | 検索の正確さを重視 | 高い検索性能が必要な会社の文書検索、AIエージェント、RAGでの利用 |
| comsat-embed-ja-0.3b-preview | 処理の軽さを重視 | 使える機器や費用を考えながら、日本語文書検索をしたい場合での利用 |
より詳しいモデルの仕様については、技術記事で紹介されています。
日本語検索ベンチマークで高い性能を確認
「comsat-embed-ja」は、日本語埋め込みモデルの性能を測る「JMTEB v2」という公開ベンチマークで、高い検索性能を確認しています。サイオニックエーアイが同じ条件で比較した結果、「comsat-embed-ja-8b-preview」は、2026年8月7日時点でJMTEB v2の検索タスク11データセットの平均NDCG@10という評価で0.8133を記録し、比較対象の中で最も高いスコアとなりました。

また、「comsat-embed-ja-0.3b-preview」は、比較したモデルの中で一番小さいサイズながら、同じ評価条件で高い検索性能を示しています。これにより、限られたコンピューターの力でも日本語文書検索に活用できるモデルとして、軽さを重視する場面での利用が期待されます。
詳しい評価結果や比較条件、学習方法、商用Embedding APIとの比較については、技術者や研究者向けの解説記事で公開されています。
技術記事:
Qiita
「STORM Platform」との連携
サイオニックエーアイは、企業向けのAIエージェントを作るプラットフォーム「STORM Platform」も提供しています。このプラットフォームは、会社の中にある文書や業務データを使って、問い合わせ対応や知識検索、仕事の手助けをするAIエージェントの構築をサポートします。
今回公開された「comsat-embed-ja」は、「STORM Platform」で日本語文書を扱うAIエージェントやRAGの社内文書検索の精度を上げるための重要な技術の一つです。
モデル公開情報と今後の展望
両モデルは、Hugging Faceでプレビュー版として公開されています。
これらのモデルはCC BY-NC 4.0ライセンスのもと、研究、評価、個人的な利用などの非商用目的で利用できます。商用利用を希望する場合は、サイオニックエーアイに問い合わせが必要です。
サイオニックエーアイは今後も、日本語や他の言語の検索技術の研究開発を続け、企業がAIエージェントやRAGをもっと実用的に使える検索基盤の提供を目指していきます。また、プレビュー版への意見をもとに、検索性能や実際の運用での使いやすさをさらに向上させていくとのことです。
サイオニックエーアイ株式会社に関する詳細はこちら:
https://www.sionic.jp/


