アイティップスとエフワンエヌ、インドで防水工法「AXSP」の事業化に向け協業を開始

「oyakata」を展開するアイティップス株式会社は、独自の防水・改修工法を持つ株式会社エフワンエヌと、同社の防水工法「AXSP(高強度ウレタン・ゴムアス複合塗膜防水)」のインド市場における事業化に向けた協業を始めました。

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この協業では、まず1年間を準備・評価期間とし、インド国内での市場調査や営業活動、技術・施工方法の習得、施工体制の検討を進めます。アイティップスのインド現地法人がインド国内での営業と人材を担当し、エフワンエフが商品知識、施工技術、営業のノウハウを提供します。

協業の背景と目的

インドでは、都市化や経済の成長に伴い、住宅や工場、商業施設、公共施設などの建設が増えています。しかし、建物を長く使うためには、雨水や時間の経過による劣化から守る防水技術、適切な下準備、そして安定した施工品質がとても大切です。

エフワンエヌは1988年の設立以来、防水工事や浴室改修、コンクリート仕上げなどの分野で、独自の材料や工法を開発し、施工まで一貫して行ってきました。2025年6月30日時点の決算データでは、「日本SME格付け」で最も高い「aaa」の評価を受けています。

アイティップスは、インドで建設業や製造業を自ら行い、南インド・ベンガルールで訓練校「oyakata Skill Training Centre(OSTC)」を運営しています。今回の協業では、エフワンエヌの技術とアイティップスがインドで培ってきた現地での基盤や人材育成の仕組みを組み合わせ、日本と同じ高い品質の防水施工をインド市場に広げる可能性を探ります。

インドのITIPS社施設前で立つ関係者

本協業の位置づけ

アイティップスは、日本のものづくりをそのままインドに持ち込むのではなく、現地の人々が学びやすい形に作り直すことを重視しています。そのため、まず自社でインドに現場を持ち、現地の建設・製造の状況や働く人々の仕事の進め方を自分たちの目で確かめてきました。その上で、日本の現場との違いを埋めるための訓練校カリキュラムを自社で開発しています。

インドの現場は、カリキュラムを作る出発点であると同時に、訓練生が実際に体を動かして学ぶ場でもあります。アイティップスは自社の現場に加え、コマツインディアや三菱エレベーター・インディアの現場でも実践的な研修の場を確保し、教育と現場を一体で運営してきました。

今回のエフワンエヌとの協業は、他の会社の技術と協力することで、その現場を自ら新しく作り出す初めての試みです。日本の優れた技術をインドの現場に広げるとともに、現地の人材が学び、経験を積み、働ける機会を増やすことを目指しています。

日本とインド間の建設業・製造業における現場のギャップを埋めるための教育・訓練

AXSP(高強度ウレタン・ゴムアス複合塗膜防水)とは

AXSPは、ゴムアスファルト系の防水材と高強度ウレタンゴム系の防水材を組み合わせた複合塗膜防水工法です。独自の下地処理技術によって防水材を下地にしっかりと密着させ、防水層を複合することで、ひび割れへの追従性と施工品質の安定性を高めます。

■ 施工の流れ

  • 下地処理: 弱い部分を取り除き、しっかりした下地を作る
  • アスドックス塗布: 伸び縮みし、自らくっつく防水層を作る
  • 高強度材吹付け: 複合防水層を作る
  • トップコート: 仕上げと保護
  • 完了: 丈夫な塗膜防水が完成する

建物の防水構造の断面図

主な取り組み内容

1. インド市場における事業性の検証

建設会社、工場、倉庫、商業施設などを対象に、AXSPの需要、施工環境、価格の競争力、材料の供給方法などを調査します。

インド市場における事業性の検証をテーマにしたイラスト

2. 営業・施工体制の構築

アイティップスが現地での営業と人材を担い、エフワンエヌが商品知識、営業ノウハウ、施工技術を提供し、両社で協力体制を築きます。

インドのアイティップスと日本のエフワンエヌが協業し、営業・施工体制を構築する図

3. 現地人材への技術移転

営業や施工活動を通じて、日本式の防水施工、品質管理、安全意識、現場運営を学べる環境を整えます。

F1Nの技術を現地人材へ移転するプロセス

4. 在校生・卒業生の機会創出

将来的には、OSTCの在校生が現場で研修を受けたり、卒業生が採用されたりする機会につなげることを検討しています。これは協業を通じて検討する将来の計画であり、現時点で決まっているわけではありません。

在校生および卒業生がキャリアを築くための機会創出プロセスを示す図

「oyakata」プラットフォームと職人育成

アイティップスが目指しているのは、単に人材を送り出すだけでなく、育った人が現場で経験を積み職人となり、やがて弟子を育て、教える側に回るという循環を作ることです。「oyakata(親方)」という名前には、この考えが込められています。今回の協業は、この循環に「防水」という新しい仕事を加える取り組みでもあります。

    • 育成: OSTCで安全、日本語、規律、基礎的な技能を学ぶ

    • 実践: インドの営業・施工現場で、技術を実際に使いながら学ぶ

    • 就業: 卒業生が採用され、現地事業で活躍する機会につなげる

    • 還流: 日本で経験を積んだ人材が、将来インドの中心的な人材や指導者となる

「oyakata」は、日本政府の「国家戦略特区」事業にも選ばれたモデルで、人材紹介ではなく「人づくり」に重点を置いています。入国前の育成から、来日後の職場定着までを一貫してサポートし、安心・安全な人材の流れを実現しています。また、累計250名を超える入学者が学んできた訓練校では、日本の現場で求められる行動規範を徹底的に指導し、世界トップクラスの合格率を達成しています。

今回の協業は、「oyakata」がこれまで培ってきた安全教育、仕事に対する倫理観、基礎技能教育の枠組みを、防水という専門工事の分野に広げる取り組みでもあります。訓練生が実際の施工現場で学ぶ機会を増やし、インドの若者のキャリアの選択肢を広げるとともに、インドの建設現場における安全意識と施工品質の向上に貢献することを目指しています。

各社代表コメント

株式会社エフワンエヌ 代表取締役社長 木村 美恵子氏より

「当社は1988年の創業以来、調査から施工まで一貫して管理する『責任施工』を大切にしてきました。防水は、材料や工法だけで成り立つ仕事ではありません。下地処理から施工、品質管理までを一つのものとして考え抜く人がいて、はじめて品質になります。経営の本質は人との信頼を積み重ねることにあり、その根幹を成すのは『人』だと考えています。

エフワングループは、台湾、韓国、中国、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシアなどアジア各国へ事業を広げてきました。そこで学んだのは、気候も文化も現場の慣習も国ごとに異なること、そして現地のスタッフが技術を持ち帰り根づかせてはじめて、その国の事業になるということです。インドでも同じだと考えています。

アイティップス株式会社様は、インドで自ら現場を持ち、人を育ててこられました。その姿勢は、当社が掲げる『全員成長』——一人ひとりの成長が会社の成長につながるという考え方と重なります。両社で力を合わせ、インドの建設現場に新たな価値をお届けするとともに、AXSPを担う人が現地で育っていく流れをつくってまいります。」

木村 美恵子氏

アイティップス代表 クマール ラトネッシュ氏より

「『すべてのがんばる人に、幸せを』──私たちが一貫して掲げるミッションです。

私たちはこれまで、インドの若者を育て、日本企業との就職機会をつくることに取り組んできました。しかし、人を育てるだけでは十分ではありません。教育は現場があってこそ生きるものであり、育った人が経験を積み、挑戦し、将来にわたって活躍できる仕事や現場そのものを増やす必要があります。

だからこそ私たちは、インドで建設業・製造業を自社で営んできました。今回のエフワンエヌ様との協業は、他社と組むことでその『自社の現場』そのものを広げていく、新たな挑戦です。

エフワンエヌ様はグループとして、アジア各国へとチームで出ていかれた会社です。ご一緒するなかで印象に残ったのは、技術や実績以上に、チームの雰囲気の良さでした。役割は違っても同じ方向を向いていて、現場での判断が速い。国を越えて事業を続けてこられた理由は、ここにあるのだと思います。その行動力と知識、経験、そして何よりこのチームワークから、私たち自身、学ぶことが多いと感じています。

一方で、インドの建設市場に入っている日本企業は、いまだにゼネコンが中心で、専門工事を手がける会社はほとんど見当たりません。この市場で私たちが積み上げてきた現地のネットワークと、自ら現場を持ち人を育ててきた経験は、エフワンエヌ様の技術をこの国に根づかせるうえで必ずお役に立てるはずです。

日本の職人技術をインドの現場へ届け、現地で技術を学ぶ人、教える人、働く人が育っていく仕組みへと発展させたい。
日本の職人文化を、世界へ。」

クマール ラトネッシュ氏

会社概要

株式会社エフワンエヌ

独自の材料・工法を展開する防水・改修・コンクリート意匠の専門企業です。AXSP、浴室リニューアル「エフユニックス」、コンクリート表面素地仕上げ「クリスタルハード」などを展開し、調査・計画から施工、アフターフォローまで一貫した責任施工に取り組んでいます。

    • 所在地: 大阪府茨木市星見町22-11

    • 設立: 1988年7月

    • 資本金: 9,950万円

    • 代表者: 代表取締役会長 福原 忠彦、代表取締役社長 木村 美恵子

    • URL: https://fonen.co.jp/

アイティップス株式会社(英語表記:iTips Inc.)

    • 所在地: 愛知県名古屋市昭和区鶴舞1−2−32 STATION Ai内

    • 設立: 2022年1月

    • 代表者: クマール ラトネッシュ

    • 資金調達: プレシードで約5000万円の資金調達を実施し、累計資金調達額は約2億円以上(エクイティ・デッドファイナンス・補助金の合算額)

    • URL: https://www.itips.blue/

関連情報・お問い合わせ

本件に関する取材や協業、インドでの防水・建設分野の事業展開にご関心のある企業の方、人材育成や採用にご興味のある建設・製造業の企業の方、インドでの職人育成や訓練校運営にご興味のある方は、下記URLよりご連絡ください。
https://oyakata.blue/contact/

また、アイティップスでは、ともに事業や組織を成長させる仲間を募集しています。「すべてのがんばる人に、幸せを」というミッションに共感し、事業に興味を持ってくださった方は、下記よりご応募ください。
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