Polyuseと京都大学、国土交通省の助成を受け建設用3Dプリンタの品質管理技術を共同開発

株式会社Polyuseと京都大学のインフラ先端技術産学共同研究部門は、国土交通省の「SBIR建設技術研究開発助成制度(中小・スタートアップ企業タイプ)」に新たに採択されました。これにより、両者は建設用3Dプリンタでの印刷状況をリアルタイムで計測する技術の開発を共同で進めます。

Polyuseと京都大学のロゴ

この技術開発は、印刷時に発生する残存空隙(材料や構造物の中に残る隙間)や寸法を検出し、品質管理をより良くすることを目指しています。

背景:建設現場の課題と3Dプリンタ技術

建設用3Dプリンタを使って高品質で安定した建物を造るには、モルタルを出す状態や、積み重ねていくときの形をきちんと管理することが大切です。現在は、作業員が目で見て確認しながら、印刷の条件を調整しています。

今回の技術開発では、印刷中の構造物の形や状態を自動で正確に測り、リアルタイムで品質を管理する技術を作ります。さらに将来は、この計測データを建設用3Dプリンタに送ることで、印刷条件を自動で最適な状態にし、高品質な施工を実現する「完全自動運転」を目指しています。

技術概要:リアルタイム計測で品質向上

この技術では、建設用3Dプリンタのノズルに取り付けたセンサーで印刷表面をスキャンします。そして、固まったモルタルのX線CTによる残存空隙の測定データや強度と関連付け、印刷の品質を評価します。

まずは、表面スキャンによって残存空隙を推定できるかどうかを確かめます。その後、2029年3月までに、実際の建設用3Dプリンタに計測システムを組み込み、その効果を実証することを目指しています。

京都大学成長戦略本部インフラ先端技術産学共同研究部門の特定講師である友寄篤氏は、この事業が終わる2029年3月には、Polyuse Oneの販売台数が数百台に達すると予想されており、特に人手不足が深刻な地域で使われる機会が増えるだろうとコメントしています。そのため、建設用3Dプリンタのさらなる省人化(少ない人数で作業できること)に役立つこの技術開発は、とても重要な課題であり、実機での実証を完了させると述べています。

Polyuseの建設用3Dプリンタ技術

Polyuseが開発する建設用3Dプリンタ技術は、3次元の設計図データをもとに、専用のモルタル材料を積み重ねて形を作り、コンクリートの構造物や型枠を作る技術です。この技術を使うことで、型枠などのコンクリート構造物を作るのに必要だった材料や作業工程を減らし、少ない人数での作業や工期の短縮など、現場での生産性を高めることを目的としています。

株式会社Polyuseについて

株式会社Polyuseのロゴ

株式会社Polyuseは、日本の建設現場に合うように作られた建設用3Dプリンタを研究開発している国内唯一のメーカーです。機械(ハードウェア)、ソフトウェア、そして材料の開発から、実際に工事を助けるところまで、一貫したサービスを提供しています。

2022年1月には、日本で初めて国土交通省が管理する工事に採用されました。それ以来、公共事業を中心に300件以上の工事実績を重ね、国内の3Dプリンタによる土木工事において、90%以上のシェアを占めています。2025年9月からは、量産機である建設用3Dプリンタ「Polyuse One(ポリウス ワン)」の販売を始めており、2026年度までに全国で100台を設置する計画が進められています。

関連情報

×