NVIDIA、エントリーレベルのエッジAIを大きく変えるロボティクス向けコンピューター「Jetson Orin Nano 2」を発表
NVIDIAが新しいロボティクス向けコンピューターを発表
NVIDIAは2026年8月25日、エントリーレベルのエッジAI(人工知能)を大きく変える新しいロボティクス向けコンピューター「NVIDIA Jetson Orin Nano™ 2」を発表しました。これにより、多くの開発者が最先端のAI性能を身近に使えるようになります。

エッジAIの進化とJetson Orin Nano 2の役割
最近のAIモデルは、より小さく、より効率的になっています。これにより、AIを搭載した機器(エッジデバイス)が、周りの状況を理解したり、言葉や画像を分析したりして、リアルタイムで自分で動けるようになっています。ロボット、物を運んだり点検したりするドローン、カメラを使ったAIシステムなど、物理的な機械にこのような能力を持たせるためには、エッジAIのために作られた、小さくて電力効率の良いコンピューターが必要です。
NVIDIAのロボティクスおよびエッジAI担当バイスプレジデントであるディープゥ・タラ氏は、「現在の比較的小規模なAIモデルでも、以前の大きなモデルと同じくらい正確な結果を出せるようになっており、エッジデバイスにリアルタイムの賢さをもたらしています。Jetson Orin Nano 2は、この画期的な技術を多くの開発者が使えるようにし、エッジでのリアルタイム処理に必要な性能と電力効率を提供します」と述べています。
Jetson Orin Nano 2の優れた性能
Jetson Orin Nano 2は、エントリーレベルのエッジAIにおいて大きな進歩を遂げています。AIの計算能力は1秒間に78兆回(78 TOPS)、8GBのメモリ、8コアのArm CPUを搭載しています。これにより、コストを抑えつつ、AIや映像処理の性能を大幅に向上させています。
この新しいコンピューターは、改良されたTensorコアと広いメモリ帯域幅により、従来のJetson Orin Nano Superと比べて、AIの推論(判断)性能が2倍になりました。しかも、本体の大きさは同じコンパクトなままです。さらに、消費電力を15Wモードで使うと、従来モデルと同じ性能を保ちながら、電力を40%も削減できます。
広がるNVIDIAのロボティクスエコシステム
Jetson Orin Nano 2は、NVIDIAのオープンなソフトウェアや、NVIDIA Jetsonエージェントスキル、そして充実したAI関連企業の協力体制(エコシステム)を基盤としています。これにより、開発者はメモリを効率的に使うエッジAI向けの最新の大きな言語モデル(LLM)や、画像と言葉を理解するモデル(VLM)を動かし、高度なAIアプリケーションを素早く作ることができます。これには、NVIDIA CosmosやNVIDIA Nemotron、Gemma 4、Qwen 3といったオープンなモデルも含まれます。
現在、300万人以上の開発者がNVIDIAのロボティクス技術を使って製品開発を進めています。Cognex、Doosan Bobcat、Matic、Wingといった企業が、Jetson Orin Nano 2をいち早く採用し、その活用を検討しています。これらの企業は、家庭用ロボット、ビジョンAIシステム、配送や点検用のドローン、そして様々な周辺機器やリファレンスソリューションなど、コンパクトなデバイスで動く実用的なエッジAIアプリケーションの実現に取り組んでいます。
例えば、ドローン配送で有名なWing社は、配送ドローンにJetson Orin Nano SuperとNVIDIAのソフトウェアを使っています。同社は、より早く、より安全な配送を実現するため、リアルタイムAIによる認識能力を高めるためにJetson Orin Nano 2の評価を進める予定です。
Wing社のパーセプション部門責任者であるディヌカ・アベイワルデナ氏は、「ドローン配送は、現実の世界を素早く正確に認識できるAIにかかっています。Wingは、お客様への配送をより早く確実にし、応答性が高くエネルギー効率の良いドローンを実現するためにJetson Orin Nano 2の導入を検討しています」と述べています。
また、家庭用ロボットを開発するMatic Robotics社は、家庭用清掃ロボットにJetson Orin Nano 2を採用します。これにより、対話型のAIやジェスチャー認識、高精度な地図作成と環境理解、そして自分で考えて掃除する機能が可能になります。
Matic Robotics社の共同創設者兼CEOであるナブニート・ダラル氏は、「家庭用ロボットには、人々を理解し、空間を正確に把握し、物や場所の配置を理解した上で、常に変化する環境で自律的に掃除する能力が求められます。Jetson Orin Nano 2を活用することで、Maticは、リアルタイムでの認識、対話、移動のために作られたコンパクトな家庭用ロボットプラットフォーム上で、最先端のAIモデルをエッジで動かすことが可能になります」と話しています。
多くのJetsonパートナー企業も、顧客が製品を早く市場に出せるよう、さまざまな支援を行っています。具体的には、キャリアボード、ハードウェアシステム、カスタマイズされたAIソフトウェア、リファレンスソリューションなどの開発を進めています。
主なパートナー企業は以下の通りです。
提供時期
NVIDIA Jetson Orin Nano 2モジュールおよび開発者キットは、2027年前半に提供が始まる予定です。
本発表資料は米国時間2026年8月25日に発表されたプレスリリースの抄訳です。
NVIDIAについては、こちらをご覧ください。

