2D図面からBIMモデルを自動生成するAI、汎用AIの2倍以上の精度を達成

建設業界の課題を解決する「BIM生成AI」

建設業界では、建物の設計から維持管理までを一元的に管理できる「BIM(Building Information Modeling)」の導入が進んでいます。しかし、BIMに対応できる技術者が不足していることが大きな課題となっています。

このような状況の中、建設図面に特化したAIプラットフォームを提供する株式会社KK Generation(KKG)は、2D図面から自動でBIMモデルを生成するAI「BIM生成AI」を提供しています。このAIは、最新の汎用生成AIと比較して2倍以上の精度を達成したことが確認されました。

BIM生成AIとは

KKGのBIM生成AIは、2D図面や仕様書から必要な情報(属性や座標など)を自動で読み取り、BIMデータを作り出す独自のAIサービスです。

BIM生成AIの概要

このAIは、さまざまな場面で活用が期待されています。

  • ゼネコン: 設計者からの2D図面をもとに、工事の計画や干渉確認に使うBIMモデルを生成する。

  • サブコン: 建築の2D図面から、設備設計に必要な建物のBIMモデルを作る。

  • デベロッパー・物件オーナー: 既存の建物の完成図から、改修計画や維持管理に役立つBIMモデルを生成する。

独自の評価基準「IFC再現性スコア」

汎用のAIでも、図面から3DモデルやBIMの標準データ形式であるIFCファイルを出力することは可能になってきています。しかし、BIMを実際の仕事(積算、確認申請、維持管理など)で使うには、ただ見た目が似ているだけでなく、壁、柱、床、建具、部屋といった一つ一つの部材が正しい種類、数、位置、属性で構造化されていることが重要です。

そこでKKGは、生成されたBIMモデルが図面から読み取れる建物情報をどれだけ正確に再現できているかを測るための独自の評価基準「IFC再現性スコア」(100点満点)を設定しました。このスコアは以下の5つの項目で構成されています。

  • 存在性(25点): 図面にある部材が、正しい種類と数で生成されているか。

  • 形状・寸法(25点): 部材の長さ、幅、高さ、面積などが図面と一致しているか。

  • 配置(15点): 部材の位置、向き、どの階に属しているかが正しいか。

  • 属性(20点): 部屋の名前、建具の記号、仕上げ、部材の区分などの情報が正しく付いているか。

  • 関係性(15点): 開口部と建具、部材と空間のつながりが正しく表現されているか。

この評価基準を用いて、RC造の庁舎(地上5階建て)の計画通知図16枚から生成されたBIMモデルの検証が行われました。

汎用AIを大きく上回る精度

検証の結果、KKGのBIM生成AIは、カスタマイズ前で60.5点、カスタマイズ後では92.6点という高いスコアを達成しました。これは、ChatGPT 5.5 Proと比較して2倍以上のスコアです。

IFC再現性スコア比較

特に以下の点でKKGのBIM生成AIの優位性が確認されました。

内部部材の存在性

KKGのBIM生成AIは、建物内部の壁やドアといった部材を、汎用AIよりもはるかに多く正確に生成できました。例えば、壁498要素のうち455要素、ドア109要素のうち87要素を正確に対応づけることができています。汎用AIが外観や床面積は近いBIMを生成できても、内部の部材が欠落するケースがあるのに対し、KKGのAIは建物の内部までしっかりと再現できる強みを持っています。

形状・寸法

KKGのBIM生成AIは、部材を多く生成するだけでなく、壁の厚さや部材の長さ、床や空間の面積など、図面通りの寸法で形状を再現できています。

配置・関係性

部材の位置、向き、階への帰属といった配置の正確さや、開口部とドア・窓の対応、部材と空間のつながりといった関係性の表現においても、KKGのBIM生成AIは高いスコアを示しました。これにより、単に部材を生成するだけでなく、建物としてきちんと成り立つような位置関係や接続関係まで再現できることが分かります。

IFC再現性スコア 観点別比較

3Dモデルの例
3Dモデルの内部構造

高精度を支えるKKGの独自技術

KKGのBIM生成AIが高精度を実現できるのは、独自の技術アプローチによるものです。

図面を「読み取って」構造化

KKGのBIM生成AIは、平面図、立面図、断面図、建具表、仕上表などに分かれて記載された線、寸法、記号、表の情報を、人間と同じように読み取ります。そして、壁、柱、床、開口、建具、部屋といった部材ごとのデータとして整理し、3次元化してIFC形式のBIMモデルとして出力します。

汎用生成AIが図面全体の見た目からモデルを推測するのに対し、KKGのAIは部材ごとに根拠を持って情報を積み上げる設計になっているため、内部部材の存在、形状、配置、関係性の再現性に大きな差が出たと考えられます。

企業ごとのカスタマイズで精度を向上

さらに、利用する企業ごとの作図ルールやIFC出力ルールに合わせてAIをカスタマイズすることで、9割以上の精度を実現しています。実際に、ある案件での数量検証では、躯体(壁、柱、梁、床)のコンクリート概算体積の算出精度が54.1%から95.5%まで向上しました。建築面積は99.8%、壁の総延長は91.3%の精度が確認されています。

今後の展望

KKGは、建設業界の人手不足解消とBIMモデルの普及をさらに進めるため、「BIM生成AI」の精度向上と機能強化を継続していくとしています。今回のベンチマーク結果を定期的に公開し、測定対象も構造図、設備図、改修図、施工図などへと広げ、建設図面からBIMを作成する業務の効率化と、生成されるBIMの品質向上を両立させていく方針です。

KKGは「BIM生成AI」の他にも、「積算AI」や「検図照査AI」、「施工フィジカルAI」など、建設業界の課題解決に貢献する様々なサービスを提供しています。

株式会社KK Generationに関する詳細情報は、以下のウェブサイトで確認できます。

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