水道管図面をAIが自動読み取り、拾い表と概算見積書を生成するアプリが登場
水道管図面をAIが読み取り、積算業務を効率化
株式会社renueは、給排水設備図面のPDFをAIが読み取り、配管の長さやバルブ・量水器などの個数を自動で拾い出し、拾い表(Excel)と概算見積書を生成するアプリを開発しました。このアプリは、凡例のない図面にも対応し、AIの読み取り結果を自動で検算する機能を備えています。

開発の背景と目的
建設業界では、熟練者の減少と若手不足が深刻な課題となっています。1997年のピーク時に685万人だった建設業就業者数は、2024年には約30%減の477万人となりました。また、2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、限られた人員と時間で業務をこなす必要に迫られています。
積算業務は、特に人の経験や知識に頼る部分が多く、若手が参加しにくい領域でした。給排水設備の積算では、単に長さを測るだけでなく、「どの系統の配管か」「管種や口径は何か」「バルブや量水器の種類と個数はいくつか」といった複数の情報を同時に読み取る複雑さがあります。また、設計事務所によって凡例や記号の表記が異なることや、CADデータではなく紙図面をPDF化したものしか手に入らないケースも多く、自動化が難しい状況でした。
renueがこのアプリを開発した目的は、AIと具体的な計算方法を組み合わせることで、積算業務の実用的な自動化を実現することにあります。AIが読み取った結果を自動でチェックし、「どこが怪しいか」を明確にすることで、積算の正確さを保ちながら業務の効率化を進めます。
従来の数量拾いの課題
目視と手作業に頼る拾い出し
給排水設備の積算では、担当者が図面を目で追って配管を色分けし、長さを測り、バルブなどを数える作業に多くの時間がかかっていました。この作業は担当者の経験に大きく依存し、若手の育成も難しい状況でした。
凡例の不統一と図面品質のばらつき
図面の記号や線種の表記は設計事務所によって異なり、凡例がない図面や古いスキャン図面も少なくありません。これにより、自動化ツールが使えず、結局は人の判断に頼らざるを得ない状況でした。
縮尺の不確かさが全体に影響
PDF化された図面では、縮尺が正確でないことがあります。縮尺を間違えると、計算される長さ全体に誤差が生じ、見積金額に大きな影響を与えます。手作業で縮尺を確認するのも経験が必要な作業でした。
アプリの主な特長
凡例のない図面でも系統を判別
このアプリは、図面に凡例がない場合でも、製図の一般的なルールに基づいて給水・給湯・排水といった系統を判別します。バルブや量水器などの記号も、業界でよく使われる名称に統一して数え上げます。事前の設定やテンプレートの登録は不要で、PDFをアップロードするだけで拾い出しが始まります。

通り芯から縮尺を確定し、正確に集計
長さの計算精度は縮尺の正確さで決まります。アプリは通り芯(建物の基準線)を自動で検出し、図面に書かれた寸法値と比べて縮尺を確定します。もし縮尺が確定できない場合は、「算出不能」と明確に表示します。
長さの計算と集計は、AIではなく、決まったルールに基づいたアルゴリズムが行います。これにより、同じ図面からは必ず同じ結果が出力されます。拾い表には、合計値だけでなく、長さの信頼度や読み取り時の仮定、判読できなかった事項もすべて記載されるため、数字の根拠を後から確認できます。

AIの読み取りを自動で検算し、人が確定
AIが読み取った結果は、そのまま信用せずに自動でチェックされます。図面上の線と経路が合っているか、配管のつながりに矛盾がないかなどを確認し、おかしい箇所は「要確認」として一覧で表示されます。担当者は、確認リストの項目をクリックするだけで、図面上の該当箇所をハイライトして確認・修正できます。人が修正した項目は自動で確認済みとなり、修正後の再集計もすぐに完了します。
概算見積書は、拾い表からボタン一つで生成できます。見積書は、配管工事や弁類、支持金物、試験費、諸経費といった項目に分かれており、図面から拾い出した数量と、仮の単価が分かりやすく表示されます。

期待される効果
拾い出し工数の削減
系統の判別や縮尺の確定、長さの集計、記号の数え上げが自動化されるため、担当者は「要確認」箇所の確認・修正に集中できます。これにより、積算にかかる時間を大幅に減らすことが期待されます。概算見積書も自動で生成されるため、見積書作成までの手間も省けます。
積算品質の安定化
AIによる自動判別と数え上げは、担当者による拾い漏れや分類ミスを減らします。「要確認」箇所が明確に示されるため、これまで担当者の注意に頼っていたチェック作業が仕組みとして組み込まれます。拾い表には数字の根拠が残るため、社内での確認や顧客への説明にも役立ちます。
若手への業務開放
このアプリを使うことで、若手の担当者でもAIの判別結果や「要確認」リストを元に積算業務に参加できます。最終的な確認をベテランが行うことで、経験の浅い担当者でも安心して業務を進められる体制づくりを支援します。
今後の展開
このアプリは現在、営業デモの段階です。今後は設備工事会社やサブコンと協力し、実際の工事図面を使って精度と使いやすさを高めていく予定です。
技術面では、設計事務所ごとの記号表記の違いや、複数階にわたる系統の追跡、古い改修工事図面への対応を拡大します。また、同じ図面を複数回読み取って結果を突き合わせることで、読み取りの安定性をさらに向上させる検証も進めます。
この拾いの仕組みは、ガス配管の数量拾いにも応用可能であり、将来的には電気・空調・消防といった他の設備系統への展開も検討されています。積算・見積システムとの連携により、見積書作成までの時間を短縮することを目指しています。
renueは、図面AI「Drawing Agent」で培った技術を設備積算の分野に応用し、建設業界の人手不足解消に貢献するソリューションを提供し続ける考えです。
会社概要
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会社名:株式会社renue
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所在地:〒105-7105 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 5階
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代表者:山本悠介
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事業内容:AIコンサルティング業
本件に関するお問い合わせは、株式会社renue 広報担当(メール:info@renue.co.jp、電話:03-4500-7154)まで。


