SHINING 3D、大型から小型まで対応するワイヤレス3Dスキャナー「EinScan Trak」を発表

SHINING 3Dは、新しいワイヤレス3Dトラッキングシステム「EinScan Trak」を発表しました。

従来の大型対象物の3Dスキャンでは、マーカーを貼ったり、ケーブルを整理したり、細部をスキャンするために追加の作業が必要になることがありました。「EinScan Trak」は、このような作業の負担を減らすことを目指して開発されました。

ワイヤレスで連携するトラッカーと球状スキャナーを使うことで広い範囲をスキャンできるほか、スキャナー部分を取り外せば、独立したワイヤレスハンドヘルドレーザースキャナーとして使えます。これにより、大型対象物全体の形から、車の内部、機械の中、狭い場所、深い穴、細かい形まで、1つのシステムで柔軟に対応します。

さらに、異なるモードで取得したデータを1つにまとめることができ、「大型対象物を素早く捉えること」と「必要な部分を細かく捉えること」を両立する、新しい3Dスキャン方法を提供します。

SHINING 3D EinScan TRAK ワイヤレスマーカーレス3Dトラッキングシステム

マーカー不要でスキャン可能

「EinScan Trak」の大きな特長の一つは、対象物にマーカー(目印)を貼る必要がないトラッキング方式です。

球状スキャナーには反射マーカーが内蔵されており、トラッカーがスキャナー自身の位置をリアルタイムで追いかけます。そのため、車のボンネットやボディパネル、船体、滑らかな曲面など、形の特徴が少ない対象物でも、表面にマーカーを貼らずにスキャンできます。高価な車両や文化財など、対象物にできるだけ手を加えずにスキャンしたい場合に役立ちます。

ワイヤレス・マーカーレス3Dトラッキング

1つのシステム、2つのワークモード

「EinScan Trak」は、用途に合わせて2つのワークモードを使い分けられる設計です。

Tracking Mode(トラッキングモード)

トラッカーと球状スキャナーを組み合わせて、大型対象物を広範囲かつ効率よくスキャンします。最大15立方メートルの範囲に対応し、車、船、大型機械など、全体の形を効率よく取得したい場合に適しています。

Handheld Scanner Mode(ハンドヘルドスキャナーモード)

スキャナーを球状フレームから取り外すと、独立したワイヤレスハンドヘルドレーザースキャナーとして使えます。トラッカーを設置しにくい狭い場所や対象物の内部、小型部品、手の届きにくい場所などに柔軟に対応します。

これにより、大型のものはトラッキングモード、狭い場所や小型のものはハンドヘルドスキャナーモードと、スキャン対象に合わせて同じシステムの中で作業形態を切り替えられます。

Tracking ModeとHandheld Scanner Mode

全体と細部を、1つの3Dモデルへ

大型対象物では、すべての部分に同じ高い解像度が必要とは限りません。「EinScan Trak」では、全体を効率よくスキャンした後に、重要な部分だけをより高い解像度で追加スキャンできます。最高0.05 mmの解像度に対応し、スキャン中に解像度を切り替えたり、特定のエリアだけをより高精細に取得したりする機能もあります。

Tracking ModeとHandheld Scanner Modeだけでなく、異なるレーザーモードや解像度で取得したデータも、1つのデータに合成可能です。例えば、車のボディ全体をトラッキングモードでスキャンし、車内をハンドヘルドスキャナーモードで追加、さらにホイールや機械部品を特定エリア高精細機能でスキャンし、これらすべてを1つの車両3Dモデルに統合するといった使い方ができます。これにより、必要以上に高密度なデータを全体に取得することなく、作業効率と細部の再現性を両立できます。

全体と細部を1つの3Dモデルへ

3つのブルーレーザーモードで、対象形状に合わせてスキャン

「EinScan Trak」は、3種類のブルーレーザーモードを搭載しており、対象物の形に合わせて最適なスキャンが可能です。

  • 19+19本 クロスレーザーライン: 高速で効率的なスキャンが可能で、広い面や全体の形を素早く取得するのに適しています。

  • 7本 パラレルレーザーライン: 細部を高精細に取得でき、シャープな角や機械部品、細かい輪郭などを鮮明にスキャンします。既存の製品を調べて、それを元に新しいものを作る「リバースエンジニアリング」など、細部が重要な用途に役立ちます。

  • シングルレーザーライン: 深い穴、狭い溝、奥まった構造など、通常のレーザーラインではスキャンしにくい形に対応します。

3つのブルーレーザーモード

ケーブルから解放された、ワイヤレス3Dスキャン

「EinScan Trak」は、Wi-Fi 6通信モジュールと内蔵バッテリーを搭載し、ケーブルなしでワイヤレス接続します。起動時には各ユニットが自動的に接続されるため、複雑な配線作業を減らしてすぐにスキャンを始められます。

大型車両の周りを移動する場合や、船、工場設備など、作業範囲が広い現場でも、ケーブルの取り回しに左右されずに自由に作業できる環境を提供します。スキャン速度は最大2,630,000ポイント/秒で、大型対象物のデータを効率よく取得できます。

ケーブルから解放されたワイヤレス3Dスキャン

黒色・反射面から屋外まで、実際の作業環境を想定

「EinScan Trak」は、黒い素材、反射する面、金属部品、車のホイールなど、スキャンが難しい対象物にも対応できるように設計されています。屋内だけでなく、最大110,000ルクスの強い屋外の光の中でもスキャンが可能です。

動作温度範囲はマイナス10℃から40℃で、システム全体の調整(キャリブレーション)も約5~10分で行えます。バッテリー駆動時間は、トラッキングモードで最大5.5時間、ハンドヘルドスキャナーモードで最大3.5時間です。バッテリーは交換可能(ホットスワップ対応)なため、長時間の作業でも中断を減らせます。また、主要な構造には丈夫なカーボンファイバーが使われており、強度と持ち運びやすさを両立しています。

環境を選ばない柔軟なワイヤレスワークフロー

5MPテクスチャで、形状だけでなく「見た目」もデジタル化

「EinScan Trak」は、5メガピクセルのテクスチャカメラを搭載しています。これにより、高精度な形だけでなく、対象物の色や表面の質感も取得できるため、工業用途だけでなく、文化財、彫刻、美術品、研究資料などのデジタル化にも活用できます。

例えば文化財では、対象物の表面にマーカーを貼ることを避けながら、全体の形、微細な彫刻、表面の色、材質感をデジタルデータとして残すことが可能です。これは、修復記録、研究、デジタルアーカイブ、オンライン展示、AR/VRコンテンツなど、形と色の両方が求められる用途での3Dトラッキングシステムの活用範囲を広げます。

5MPテクスチャで形状だけでなく「見た目」もデジタル化

スキャンの先までつなぐソフトウェアワークフロー

EXScan Trak

「EinScan Trak」専用のスキャンソフトウェア「EXScan Trak」は、異なるワークモード、レーザーモード、解像度で取得したデータを統合できます。スキャン中にレーザーモードや解像度を切り替えたり、リアルタイムでデータを確認・編集したりすることで、複雑な3Dデータ取得を効率化します。

EXModel Series

スキャンした3Dデータを設計に活かす「リバースエンジニアリング」(既存のものを調べて、それを元に新しいものを作る)用途には、「EXModel Series」が利用できます。メッシュの編集、基本的な形の抽出、断面の作成、2D/3Dスケッチ、表面作成、特徴に基づいたモデリングなどに対応し、3Dスキャンデータを編集可能なCADモデルに変換します。車の部品の復元、治具(工具を固定する器具)の設計、既存部品の再設計、製造用データの作成など、「スキャンからCADへ」のワークフローを効率化します。

EXMeasure

寸法検査には、プロフェッショナル3D計測ソフトウェア「EXMeasure」が利用できます。モデルの位置合わせ、ワンクリックでの形抽出、カラーマップ比較、GD&T検査(部品の形や位置が正しいかを確認する検査)、寸法計測、視覚的なレポート作成などに対応します。取得した3Dデータを単に「形を見る」だけでなく、品質確認や設計の判断に活用できます。

スキャンの先までつなぐソフトウェアワークフロー

「ものづくり」とデジタルアーカイブを、より柔軟に

「EinScan Trak」は、特定の用途だけを想定した3Dスキャナーではありません。幅広い分野での活用が期待されます。

  • 自動車・カスタマイズ: 車両全体を効率よくスキャンしながら、ホイール、グリル、内装、エンジンルームなどを部分的に詳しくスキャンできます。クラシックカーの修理、アフターパーツの開発、カスタマイズ、部品の復元、リバースエンジニアリングなどを支援します。

  • 製造・リバースエンジニアリング: 図面がない既存部品や設備を3Dデータ化し、「EXModel Series」を通じてCADデータに変換します。これにより、修理部品の再製作、設計変更、治具製作、既存設備のデジタル化などにつなげられます。

  • 船舶・大型構造物: 大型船体やデッキ、船内構造など、移動距離の大きい現場でもワイヤレスで作業できます。

  • 計測・検査: 高品質な3Dデータを「EXMeasure」に連携させ、CADデータとの比較、寸法解析、GD&T検査、レポート作成まで、一連のデジタル計測ワークフローを構築できます。

  • 文化財・美術・研究: 対象物にマーカーを貼りにくい文化財や美術品を、形と色彩の両面からデジタル化します。保存記録、修復研究、教育、デジタル展示などに活用できます。

「大型だから準備が増える」を変える3Dトラッキングシステムへ

大型対象物を高精細にデジタル化するために、複雑な準備や複数の機器を使い分けることがこれまでの常識でした。「EinScan Trak」が目指すのは、その常識をよりシンプルにすることです。

対象物にマーカーを貼らずにスキャンを始め、ケーブルに縛られずに自由に動き、大型対象物を広く捉えます。そして、必要な場所ではスキャナーを取り外して細部に入り込み、異なるデータを最後に1つのモデルに合成します。

大型対象物から狭い場所、細かい形、カラー情報、そしてCADや計測のワークフローまで。「EinScan Trak」は、現場で取得する3Dデータを、その先の設計、製造、検査、保存へとつなげるための新しいプロフェッショナル3Dデジタル化プラットフォームです。

EinScan TRAK 主な仕様

関連情報

SHINING 3Dについて

2004年に設立されたSHINING 3Dは、先進的で使いやすい3Dスキャンハードウェアとソフトウェアの開発を続けてきました。創業以来20年以上にわたり、高精度3Dスキャナーの研究開発および製造に集中し、工業用計測、フルフィールド検査、3Dモデリング、リバースエンジニアリング、デジタル歯科といった分野で世界中のプロフェッショナルを支援してきました。

ドイツ、米国、日本、スペイン、中国に拠点を構え、日本ではShining3D Technology Japan株式会社を通じて事業を展開しています。現在、100か国以上のお客様に製品およびサポートを提供しています。当社の使命は、設計・製造プロセスにおける効率性、品質、そしてコスト効率を最適化する3Dビジョン技術を提供することです。

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