橋本グループ、水道インフラ企業・須藤工業をグループ化 設計・製造・施工まで一貫体制で老朽化対策を強化

株式会社橋本グループは、2026年7月31日、水道用鋼管や水管橋の設計・製造・施工を行う須藤工業株式会社をグループに迎えました。

初の「垂直統合型M&A」

今回のM&Aは、橋本グループにとって初めての「垂直統合型M&A」となります。これまでのM&Aが事業領域を広げる「水平統合型」であったのに対し、今回は設計、製造、施工、維持管理までの一連の供給体制をグループ内で強化することを目的としています。

須藤工業の経営は、代表取締役社長である山田正樹氏が引き続き担います。橋本グループは、山田氏が考えた中長期の経営計画を高く評価しており、その計画が早く実現するように、人材、資金、施工、営業、技術の面から支援していく方針です。

老朽化が進む日本の水道インフラ

日本の水道インフラは、高度経済成長期に作られた施設が古くなってきていますが、その更新が十分に追いついていないのが現状です。法定耐用年数である40年を超えた水道管の割合は、2007年度の6.3%から2021年度には22.1%まで増えました。一方で、水道管の更新率は同じ期間に0.94%から0.64%へと下がっています。

全国平均で水道管が古くなっている割合は2023年度時点で25.4%に達しており、特に神奈川県では全国平均を約5.9ポイント上回っています。また、東京都と神奈川県は、全国でも特に長い水道管を持っています。

水道管の老朽化は、地域住民の生活だけでなく、医療や産業、災害時の対応など、社会全体にとって重要な課題です。国も2026年度からは「第1次国土強靱化実施中期計画」を進める方針で、上下水道施設の計画的な維持管理と更新が求められ続けています。

橋本グループは、この課題を一時的な工事の需要としてではなく、今後数十年にわたって社会全体で解決すべき「公共的な使命」として捉えています。

須藤工業が持つ一貫した技術力

須藤工業は1961年の創業以来、東京都、横浜市、川崎市などを中心に、水道用鋼管や水管橋、上下水道施設に関する工事を手掛けてきました。特に、直径80センチから300センチ級の大口径鋼管、異形管、ステンレス鋼管について、材料の調達から設計、製造、加工、現場での施工まで、すべて一貫して対応できる体制を持っています。

大口径鋼管の加工や施工ができる企業は全国的にも限られており、須藤工業は浄水場、送水管、配水管、水管橋など、都市の水の供給を支える専門技術と実績を積んできました。また、自社工場を持ち、製造部門と工事部門を社内に備えているため、開発・設計から製造・加工、現場施工、保守・メンテナンスまで対応できる点が大きな強みです。

橋本グループとの相乗効果

橋本グループには、千葉県を中心に公共土木工事を行う株式会社市原組や、公共部門の過半数を水道関連工事が占める株式会社橋本組東京支店があります。今回のグループ化により、須藤工業が持つ設計・製造機能と、橋本組及び市原組が持つ施工管理力、公共工事の実績、人材、営業基盤を組み合わせることで、水道インフラ事業におけるグループ内の供給体制を強化します。

想定される主な相乗効果は以下のとおりです。

  • 須藤工業の鋼管製造技術と橋本グループの施工管理力の融合

  • 東京都、神奈川県、千葉県をつなぐ首都圏水道事業ネットワークの構築

  • 大規模浄水場、送水管、配水池の更新工事への対応力強化

  • 橋本グループの技術者による人的支援

  • 資金面及び設備投資面における成長支援

  • 防衛、港湾、海洋土木など、新たな事業分野への技術展開

  • 海外における水道インフラ整備事業の展開

橋本グループは、須藤工業がこれまで培ってきた技術、顧客との信頼関係、社員、企業文化を大切にしながら、成長を妨げてきた人材、資金、受注能力の制約を取り除いていくとしています。

2033年に売上高100億円を目指す

橋本グループへの加入前、須藤工業が立てた中長期計画では、材料販売、工事、関連商品の三つの事業を柱として、2026年の売上高19億円から、2033年には売上高42億円を目指していました。しかし、橋本グループへの加入を機に、橋本組との協力によって、2033年時点の売上高目標を100億円に上方修正しました。

橋本グループ加入初年度である本年は「業界トップ10入り」を目標に掲げ、2026年度の新発式にて社員全員に共有されました。

集合写真

成長の中心となるのは、東京都などの大口径送配水管工事、浄水場・配水池の更新工事、水道施設の耐震化工事、そして水道管材料の外部販売の拡大です。また、土木技術者の相互派遣、グループ企業との共同受注、製造能力の増強なども段階的に進めていく方針です。

須藤工業の社名・経営体制・雇用を継続

須藤工業は、今後も現在の社名を使い、本社と工場を維持します。代表取締役社長には山田正樹氏が引き続き就任し、社員の雇用や取引関係も原則として継続されます。

橋本グループは、須藤工業の経営体制、企業文化、そして山田氏が描いた将来の計画を尊重し、グループの経営資源を加えることで、須藤工業の成長を加速させていきます。

社員から託された「社員の未来」

7月31日に行われた株式譲渡の場で、須藤工業から橋本グループへ、先代の刺繍が施された社印袋が手渡されました。これは、須藤工業の歴史と経営の責任を象徴するものです。その際、須藤家のご夫妻から橋本真典氏に伝えられたのは、「会社を託します」ではなく、「社員の未来を託します」という言葉でした。

社印袋

橋本グループは今回のM&Aを、単に企業や事業を取得する取引としてではなく、須藤工業で働く社員とその家族、技術、顧客との信頼関係を未来へ引き継ぐ責任と捉えています。

両社代表者コメント

株式会社橋本グループ 代表取締役社長/CEO 橋本真典氏
「日本の水道インフラは、これから本格的な更新期を迎えます。しかし、工事の需要が増える一方で、それを担う技術者と企業が不足しています。今回のM&Aは、単に会社の規模を大きくすることを目的としたものではありません。須藤工業が長年培ってきた設計・製造技術と、橋本組、市原組が持つ施工力を結びつけることで、首都圏の水道インフラを長期的に支える体制をつくることが目的です。

山田社長が策定した将来構想には、現場を知る経営者だからこその具体性と、公共的な仕事を通じて未来の課題を解決しようとする強い意志があります。その構想を変えるつもりはありません。橋本グループの人材、資金、技術、営業基盤を加え、山田社長が描いた計画を、これまでの倍の速度で実現していきます。」

須藤工業株式会社 代表取締役社長 山田正樹氏
「須藤工業は、創業以来、水道用鋼管や水管橋の設計、製造、施工を通じて、人々の暮らしに欠かせない水を届ける仕事に携わってきました。一方で、水道施設の老朽化が進む中、企業単独では、人材、資金、受注規模の面で対応できる範囲に限界があることも感じていました。

橋本グループは、当社の技術や歴史だけでなく、私たちが描いてきた将来構想を評価してくれました。今回のグループ参画を、須藤工業らしさを失うためのM&Aではなく、これまで実現できなかった構想を実行に移すための機会と捉えています。社員とともに技術を次の世代へ継承し、安全な水を未来へ届ける企業として、さらに成長してまいります。」

会社概要

須藤工業株式会社
水道用鋼管や水管橋の設計・製造・施工を一貫して手掛ける水道インフラ企業です。設計から製造、施工までを担う技術力を強みに、首都圏の水道インフラ整備を支えています。

  • 所在地:神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央3丁目20番9号 鶴見大栄ビル2F

  • 創業:1961年7月29日

  • 代表取締役:山田 正樹

  • 企業サイト:https://www.sudoh.co.jp/

株式会社橋本グループ
橋本組を中核とし、建設関連事業を展開する企業グループです。グループ各社の経営戦略を担い、M&Aや新規事業を通じて事業領域の拡大を進めています。

  • 所在地:静岡県焼津市本町2丁目2番1号

  • 代表者:代表取締役社長/CEO 橋本真典

  • 橋本組企業サイト:https://www.hashimotogumi.co.jp/

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