愛媛のDXを加速させる「トライアングルエヒメ2.0」がキックオフイベントを開催

愛媛のDXがここから加速!「トライアングルエヒメ2.0」キックオフイベント

愛媛県がデジタル技術を県内産業に導入し、地域の課題を解決しながら「稼ぐ力」を高めることを目指すプロジェクト「トライアングルエヒメ(TRY ANGLE EHIME)」の2026年度キックオフイベント「TRY ANGLE EHIME KICKOFF 2026」が、2026年7月23日に開催されました。

集合写真

このプロジェクトは事業開始から5年目を迎え、これまでに全国から約2,000件の応募があり、農林水産業、ものづくり、海事、観光など幅広い分野から137件のプロジェクトが採択されています。また、成果や課題を共有する勉強会などを通じて、採択企業や県内企業同士が学び合い、協力する輪も広がってきています。

キックオフイベント「TRY ANGLE EHIME KICKOFF 2026」

2026年度採択企業にとって新たなスタートとなるキックオフイベントは、愛媛県庁官民共創拠点「E:N BASE」1階「E:N STAGE」で開催されました。当日は約180名が参加し、採択企業によるプロジェクト発表のほか、参加企業同士が交流を深めるネットワーキングも実施され、今年度の実装プロジェクトへの期待が高まる一日となりました。

イベントの詳細なレポートは公式noteで公開されています。

詳細レポートはこちら

中村時広愛媛県知事による開会挨拶

開会にあたり、中村時広愛媛県知事が挨拶を行いました。中村知事は、トライアングルエヒメの立ち上げ背景として、デジタル化の波に乗り遅れないよう、7~8年前から若手職員を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、人材育成やスタートアップ支援を進めてきたと説明しました。

中村時広愛媛県知事

愛媛県の産業構造については、南予地域の一次産業、東予地域のものづくり産業、中予地域の三次産業といった特色を紹介。それぞれの産業に全国のデジタル企業の技術を組み合わせることで、愛媛県全体の産業競争力向上につなげたいという考えを示しました。

さらに、愛媛県を実証の場として提供し、企業の技術を県内で導入することで地域課題の解決につなげるとともに、企業の成長も後押ししていく姿勢を強調しました。

採択プロジェクト代表事例の紹介

2026年度採択プロジェクトを代表し、継続採択2社、新規採択1社による事例発表が行われました。それぞれの企業が、これまでの成果や今年度の取り組みについて紹介しました。

【継続採択】Noahlogy株式会社 × 株式会社新来島どっく

造船特化型AIエージェントによるテクネゴ効率化プロジェクト

昨年度はAIを活用した造船設計業務の効率化に取り組み、今年度は新たに、船主との技術的な仕様調整(テクニカルネゴシエーション)を支援するAIエージェントの開発に挑戦します。専門知識が必要な調整業務をAIで効率化し、設計・営業部門の負担軽減と生産性向上を目指します。

Noahlogy株式会社 × 株式会社新来島どっく

Noahlogy株式会社の2025年度の実施内容・成果はこちらで確認できます。

【継続採択】Xsym株式会社 × ジャスティン株式会社

複合センシング・物理AIによる品質検査デジタル化プロジェクト

2025年度は、多品種(小型)工業製品を対象に、「暗黙知×AI」と可視光カメラを活用した検査自動化の標準プロセスを実証し、大きな成果を出しました。今年度は、その技術を造船分野へと広げます。複数のセンシング技術と物理AIを組み合わせ、造船現場における検査業務のデジタル化を進め、検査品質の向上、作業時間の短縮、現場の省力化を目指します。

Xsym株式会社 × ジャスティン株式会社

Xsym株式会社の2025年度の実施内容・成果はこちらで確認できます。

【新規採択】株式会社ZAICO × 福助工業株式会社

在庫関連業務のAIによる業務軽減・自動化プロジェクト

AIを活用して在庫管理や棚卸し業務を効率化し、担当者の負担を減らし、業務を標準化するプロジェクトです。製造現場の生産性向上に向けた実証内容や今後の展望が発表されました。

株式会社ZAICO × 福助工業株式会社

令和8年度採択企業・プロジェクト一覧

令和8年度は、継続採択16件、新規採択17件、共創拠点枠5件の合計38件のプロジェクトが採択されました。以下にその一部を紹介します。

  • 【ものづくり】

    • Outerport:AIを活用した電気設計図の設計・検図自動化プロジェクト

    • 株式会社IKETEL:AI・データ活用による企画・設計業務の自動化と技術・情報共有知化プロジェクト

    • 株式会社ギブリー:生産設備特化型AIエージェントによる業務効率化プロジェクト

    • 株式会社Quark:AI・XR技術を活用した製造・建設現場の手戻り削減プロジェクト

    • 株式会社SCIEN:製紙業特化型AIモデルによる品質管理業務の自動化プロジェクト

    • 株式会社ZAICO:在庫関連業務のAIによる業務軽減・自動化プロジェクト

    • 株式会社スカイディスク:ものづくり企業の生産管理最適化プロジェクト

    • 匠技研工業株式会社:製造業特化型AIによる見積・図面検索・原価管理プロセスの脱属人化プロジェクト

    • 株式会社TENHO:ものづくり企業におけるAI開発の内製化とAI人材育成プロジェクト

    • 株式会社DrumRole:3Dモデルからの図面自動作成による製造業の設計工数削減プロジェクト

    • 株式会社muuv links:電子部品の選定・管理自動化による設計調達業務の最適化プロジェクト

    • lullaby株式会社:商談獲得に特化した自律実行型AIエージェントによる業務効率化プロジェクト

    • LiLz株式会社:IoTカメラ・AIを活用した工場・プラントの省力化・省エネ化プロジェクト

    • 株式会社RAYVEN:AI営業エージェントによる営業工程の自動化プロジェクト

  • 【観光】

    • 株式会社Unseed:AIを活用した宿泊施設設備の故障予知及び予防修繕計画作成プロジェクト

    • 株式会社hacomono:無人民泊システム導入によるインバウンド向け誘客促進プロジェクト

  • 【脱炭素】

    • 株式会社Green AI:紙産業における最適な省エネ施策のAI自動提案による脱炭素プロジェクト

    • 株式会社MobiSavi:DXで実現する脱炭素循環型リユースEV流通モデルの構築プロジェクト

  • 【海事】

    • i Smart Technologies株式会社:海事産業の製造工程の可視化による業務効率化プロジェクト

    • 株式会社WOGO:AIを活用した船舶の安全運航補助による船員の業務効率化プロジェクト

    • 株式会社ザブーン:AIを活用した運航コンプライアンス業務効率化プロジェクト

    • Xsym株式会社:複合センシング・物理AIによる造船検査デジタル化プロジェクト

    • Noahlogy株式会社:造船特化型AIエージェントによるテクネゴ効率化プロジェクト

    • Panda株式会社:海事産業におけるAIを活用した製作計画最適化による生産性向上プロジェクト

    • ビジネスエンジニアリング株式会社:AI×VR動画を活用した技能伝承及び安全教育の内製化プロジェクト

    • 株式会社ブライセン:ものの流れを見える化するAIトレーサビリティDXプロジェクト

    • 株式会社MarineSL:舶用機器メーカーにおける営業効率化及び製造業の技術伝承促進プロジェクト

  • 【農業】

    • 株式会社kikitori:デジタルプラットフォーム構築による農家の稼ぐ力向上プロジェクト

    • キヤノンマーケティングジャパン株式会社:高性能な映像とサポートAIを活用した農地の遠隔管理プロジェクト

    • グリーン株式会社:AI・データ活用による職人的な栽培判断の可視化・再現プロジェクト

  • 【水産】

    • 株式会社ARCRA:AIを用いた真珠の自動仕分けプロジェクト

    • 株式会社BLUABLE:ICTを活用した環境適応型養殖システムによるアコヤガイ(真珠貝)生産性向上プロジェクト

  • 【林業】

    • 株式会社武田林業:林業現場の事務時間削減DX推進プロジェクト
  • 【物流】

    • 株式会社ユー・スター・クオンタム:量子技術を活用した物流・倉庫の最適化プロジェクト

    • FunnelSphere合同会社:数理最適化を活用した港湾・物流DX標準モデル構築プロジェクト

  • 【建設】

    • 株式会社KENCOPA:建設・土木工事の脱・属人化に向けたAI工程管理プロジェクト
  • 【人材】

    • 株式会社キャリアサバイバル:製造業における熟練者の暗黙知可視化による技能伝承促進プロジェクト
  • 【福祉】

    • MINDX株式会社:AIによる障がい福祉サービス事業所の事務スマート化と利用者支援向上プロジェクト

採択事業者や参加企業が交流するネットワーキング

イベント後半には、採択事業者や県内企業、関係者が交流するネットワーキングが行われました。参加者は、軽食や飲み物を楽しみながら、それぞれの取り組みや課題について意見を交わしました。

ネットワーキング

会場では、採択分野ごとの交流会も開催され、同じ分野で事業を進める企業同士はもちろん、異なる業界や技術を持つ参加者同士の活発な情報交換が見られました。今後の実装や連携につながる新たな出会いが生まれるなど、トライアングルエヒメならではの協力の可能性を感じる時間となりました。

今年度も、さまざまな分野の企業とデジタル企業が協力し、新たな実装プロジェクトがスタートしたトライアングルエヒメ。今後、それぞれの取り組みがどのような成果を生み出し、愛媛県内の産業や地域課題の解決につながっていくのか、これからの展開にもご注目ください。

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