中央開発、次世代地下水ソリューション「Mimori-Well」を開始 – 脱炭素と災害に強い地域づくりを支援

中央開発株式会社は、次世代の地下水ソリューションブランド「Mimori-Well(水守ウェル)」の展開を開始しました。この新ブランドは、地下水を大きな貯水槽のように使って熱をためる「帯水層蓄熱システム(ATES)」向けの高性能な井戸を作るために開発された新型リバース掘削機「ECO-GTR-2」の完成と同時に発表されました。

この取り組みは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO₂)の排出量を減らす「脱炭素化」と、地域が災害などに強く、すぐに回復できる力を持つ「地域レジリエンス」を同時に実現することを目指しています。

Mimori-Well

Mimori-Well(水守ウェル)とは

Mimori-Wellは、中央開発が提供する地下水利用に関する総合的な技術支援サービスです。地下水を利用するための調査、設計、工事、運用、さらには行政機関との調整まで、幅広くサポートします。

地下水は地域の重要な共有資源であると考え、地盤が沈むなどの問題に配慮しながら、地下水を有効に活用することを進めています。これにより、脱炭素社会の実現、都市のヒートアイランド現象(都市の気温が周囲より高くなる現象)の軽減、災害時に必要な水源の確保など、さまざまな面から地域社会に貢献することを目指しています。

新型リバース掘削機「ECO-GTR-2」

今回完成した新型リバース掘削機「ECO-GTR-2」は、ATESの普及を支える大切な技術として開発されました。この掘削機は、特殊な「リバースサーキュレーション工法」という方法を採用しており、掘削時に使う粘土質の材料(ベントナイト)を使用しません。これにより、地下水が流れる層(帯水層)が本来持っている水の通りやすさを保ちながら、質の高い熱源井(熱を取り出すための井戸)を作ることができます。

また、日本のさまざまな地質や帯水層の条件に対応できるよう、掘る能力や工事のしやすさが向上しています。さらに、情報通信技術(ICT)を使った工事の管理や、集めたデータの活用もできる機能が搭載されています。

Mimori-Well(水守ウェル)がもたらす効果

Mimori-Wellは、ATESと災害時に役立つ井戸を組み合わせることで、以下のような効果が期待されます。

  • 空気から熱を取り出す方法よりもはるかに高い熱交換能力で、効率よく熱を利用できるようになります。

  • 使う電力量やCO₂の排出量が減り、省エネルギーと脱炭素化に貢献します。

  • 大気への熱の排出を抑えることで、ヒートアイランド現象を和らげるのに役立ちます。

  • 災害で水道が止まった時には、非常用の水源として地下水を使えるようになり、地域や施設の防災・減災能力が高まります。

ATES(帯水層蓄熱システム)の仕組み

近年、地球温暖化対策としてCO₂排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現が求められています。その中で、冷暖房の分野で省エネルギーとCO₂排出量削減を両立させる技術として、地下の熱を利用する「地中熱」や「地下水熱」に注目が集まっています。

ATESは、地下水を豊富に含んだ帯水層を巨大な「蓄熱槽(熱をためる場所)」として利用する技術です。夏の冷房時に出る熱を地下にためておき、冬の暖房に利用したり、冬の暖房時に出る冷たい熱を夏に利用したりします。このように、地下水の持つ熱エネルギーを季節ごとに有効に活用することで、エネルギーの消費量やCO₂の排出量を減らすことができます。

ATESの仕組み

オフィスビルや都市開発、工場施設など、さまざまな場所での活用が進められており、都市のヒートアイランド現象を和らげる技術としても期待されています。

現場見学会の開催

中央開発は、2026年6月に関東地域でATES熱源井工事の初施工を実施し、新型リバース掘削機の実機稼働見学会を開催しました。さらに、2026年7月1日から2日にかけては、神奈川県厚木市で新型リバースマシンが稼働する現場見学会を開催しました。

この見学会では、新型リバース掘削機を使った実際の掘削の様子や工事の方法が紹介されました。参加者には地下水を活用した再生可能エネルギー技術の可能性について説明があり、活発な意見交換が行われました。

掘削機稼働現場

掘削機の一部

泥水処理の様子

今後の展望

中央開発は、今後も行政機関や研究機関、民間企業と協力しながら、ATESの普及拡大と地下水利用技術のさらなる向上を進めていくとしています。また、環境省や地方自治体などとも連携し、地下水を長く使い続けるための仕組みづくりや技術開発にも引き続き取り組んでいく方針です。

Mimori-Wellを通じて、高性能な熱源井を作る技術と地下水ソリューションをさらに発展させ、地下水資源の有効活用による脱炭素社会の実現や地域レジリエンスの向上など、技術で社会に貢献していく考えです。

中央開発株式会社について

中央開発株式会社は、1946年(昭和21年)に日本で初めての地盤コンサルティング会社として設立されました。戦後の復興を目的として始まり、以来、地質調査業界のパイオニアとして、国内外のインフラ整備に貢献してきました。現在は、土木設計、情報解析、IoT機器を使った防災コンサルティングなど、事業の幅を広げています。

近年では「地質DX」と名付けたデジタルトランスフォーメーションを進めており、点群データやSfM処理技術の活用、保有するボーリングデータを活用したAI分野の研究開発にも取り組んでいます。建設コンサルタント業界で新しい価値を生み出すことに力を入れています。

中央開発株式会社の詳しい情報は、以下のウェブサイトをご覧ください。

中央開発株式会社

中央開発の企業イメージ

土と水ホールディングスグループについて

土と水ホールディングスグループは、「大地に残る仕事、人々の心に残る仕事、そして、豊かな未来へつないでいく仕事」に積極的に取り組んでいます。

グループがテーマとしている「土と水」は、まだ解明されていない部分が多く残っています。大地の活動によって地域ごとに異なり、その時々で条件や環境も大きく変わるため、一概に決められるものではありません。

グループは、自然の現場を重視し、これまでの経験に基づいて、時には新しい技術を開発しながら、正確な調査から適切な判断を導き出すよう努めているということです。

土と水ホールディングスグループの企業イメージ

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