Z Venture Capitalが建設業界変革を目指すBALLASに投資 – AIで調達プロセスを最適化

Z Venture Capital(以下、ZVC)は、AI調達プラットフォームを活用し、建設業界の産業構造の変革を目指す株式会社BALLAS(以下、BALLAS)のシリーズBラウンドに、共同リード投資家として出資しました。

BALLAS x Z venture capital

建設業界が直面する課題

日本の建設業界は現在、大きな変化を求められています。例えば、東京・中野で長年親しまれてきた中野サンプラザの跡地に計画された超高層複合施設の建設では、当初1810億円だった事業費が、人件費や資材の高騰により約2倍の3500億円規模にまで膨らみ、計画が白紙に戻された事例があります¹。これは中野に限った話ではなく、全国各地で大規模な建設プロジェクトの見直しが相次いでいます²。

建設業界は、資材・エネルギーコストの高騰、深刻な人手不足、そして労働時間規制の適用という複数の構造的な課題を抱えています³。就業者数は1997年のピーク時に比べて約30%減少し、2024年には477万人となりました。さらに、55歳以上が約37%を占める一方で、29歳以下はわずか12%にとどまっており、若年層の不足が深刻です⁴。また、建設資材物価もここ数年で約40%上昇しています。このようなコスト上昇を請負単価に転嫁できない中小・零細業者の経営が圧迫され、倒産件数の増加につながっています。

帝国データバンクの調査⁵によると、2025年の人手不足による倒産は全産業で過去最多の427件となり、そのうち建設業が113件と最も多くなりました。建設業全体の倒産件数も2021件と過去10年で最多を記録しており、現状維持では立ち行かない状況にあることが示されています。

AIで建設業界の非効率を解消するBALLAS

こうした厳しい状況の中、AIの技術革新によって、これまで解決が困難だった産業の構造的課題にアプローチできるようになってきています。BALLASは「建設業を最適化し、人々を幸せに。」というミッションを掲げ、この課題解決に挑むスタートアップです。

建設業界の非効率の根本には、設計・調達・製作・施工といった各工程が分断されている構造的な問題があります。特に、特注の建設部材の調達は、個人の経験や勘に頼ることが多く、業界としての標準がありませんでした。この分断と属人化が、コスト超過や工期遅延、人手不足の原因となっています。

BALLASは、AIを最大限に活用することでこの問題の解決を目指しています。建設部材の調達プラットフォーム「BALLAS」を通じて、設計の標準化から部材製作、納品までをワンストップで提供。AIの活用により業務工数を減らし、トータルで30%の原価改善を実現しています。現在は、設備工事向けと建築工事向けの2つの分野でサービスを展開しています。

コスト構造の変化

BALLASが目指すのは、単なる個別の業務効率化だけではありません。仕様や取引、生産プロセスのサプライチェーンデータを標準化し、調達を起点としたスマートなサプライチェーンへの再構築を目指しています。AIが調達プロセスを最適化することで、人手が足りなくても現場の生産性を高め、資材コストが高騰しても、データに基づいた最適な調達で無駄を削減し、利益を守ることを可能にします。

BALLASの詳細については、以下のリンクをご覧ください。

ZVCがBALLASに投資した理由

ZVCは、BALLASが最新技術の本質的な理解と、現場の業務・課題への深い理解を両立できているチームであると評価しています。この二つの強みを活かし、AIネイティブな会社へと進化していくBALLASは、建設業の産業構造を変える中心的な存在になれると確信しています。ZVCは、BALLASとともに建設業界の未来を創造していくとしています。

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Z Venture Capitalに関する情報はこちらです。

(引用)
¹ 日経クロステックより:閉館から2年の中野サンプラザ再開発が白紙に、26年春に区が根拠計画の見直し案
² JBpressより:中野サンプラザやスクランブルスクエアだけではない、延期・中止が相次ぐ再開発プロジェクトにどう対応すべきか? 建設費の高騰で病院の建て替えも困難に、PPP、アットリスク型CM、プレハブの活用…建設コストを引き下げる方策とは
³ 国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」および日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック」より
⁴ 一般社団法人日本建設業連合会より:3. 建設コスト
*⁵ 帝国データバンク「建設業」の倒産傾向(2025年)より:「建設業」の倒産動向(2025年)

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