2026年7月の国内景気は3カ月連続で改善、AI関連需要が押し上げ要因に
株式会社帝国データバンクは、2026年7月の国内景気動向調査の結果を発表しました。この調査は全国2万2,350社を対象に行われ、景気の良し悪しを示す「景気DI」としてまとめられています。景気DIは50を境に、それより上だと「良い」、下だと「悪い」と判断される数字です。
2026年7月の国内景気動向
2026年7月の景気DIは43.6となり、前の月と比べて1.0ポイント上がりました。これにより、国内景気は3カ月続けて改善していることがわかります。

景気が改善した主な理由として、企業での売上や生産・出荷量が増えてきたこと、そしてAI(人工知能)や半導体に関する需要が広がっていることが挙げられます。また、猛暑によってエアコンなどの夏物商品がよく売れたことも、景気を押し上げる要因となりました。半導体製造装置や電子部品の注文が増え、AI関連の需要は電力や通信設備など、さまざまな分野に影響を与えています。
一方で、中東情勢の緊迫化や原油価格が上がっている影響で、商品を仕入れる費用が高いままでした。これが、商品の価格に転嫁しきれないことや人手不足と合わせて、景気を下押しする原因にもなっています。
今後の見通し
今後の国内景気は、賃金の上昇や減税政策、政府による成長への投資などが、家庭の購買力や企業の活動にとって良い影響を与えると見られます。また、日本を訪れる外国人が長く滞在するようになるなど、インバウンド消費も景気に良い材料となるでしょう。
しかし、為替の動きや物価高による値上げ、そして長期金利の上昇は、企業が設備に投資したり、住宅を建てたりする際の負担になるかもしれません。さらに、令和8年熊本地震が周辺の産業や地域の経済活動に与える影響も心配されています。
これらの状況から、今後の景気は一時的に上向きに進むものの、コスト高や金利上昇の影響で、そのペースはゆっくりとしたものになり、緩やかな改善にとどまるとみられます。
業界別の動向
10の主な業界のうち、『製造業』や『建設業』を含む6つの業界で景気が改善しました。『不動産』と『小売』は横ばい、『農・林・水産』と『金融』は悪化しています。
IT関連の需要増加は、半導体や生成AI、データセンター向けなど、幅広い業界に良い影響を与えています。また、夏物の需要を取り込めたことや、個人の消費が回復してきたこともプラスに働きました。しかし、原材料や飼料、エネルギーの価格が高いままであることは、依然として悪い材料となっています。

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製造業:3カ月連続で改善。電子化学品、半導体、医薬品など多くの分野で好調でした。特に「機械製造」は造船や航空機部品の受注が好調で、2019年2月以来の高い水準に戻っています。
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建設業:2カ月連続で改善。中東情勢の緩和で資材調達のリスクが減り、停滞していた工事が動き出したことや、都市の再開発、データセンター建設などの大きなプロジェクトが景気を支えました。エアコン需要による空調設備工事も好調で、老朽化したインフラの工事も良い材料でした。一方で、資材価格の高騰や人手不足は引き続き課題です。
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サービス業:2カ月連続で改善。猛暑により居酒屋などでの外食需要が高まり、「飲食店」が上向きました。「旅館・ホテル」も夏の旅行需要を取り込み回復しています。建設需要の回復に伴い人材の需要が高まった「人材派遣・紹介」も改善しました。しかし、人手不足や人件費の上昇が収益を圧迫する「医療・福祉・保健衛生」は悪化しています。
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不動産:横ばい。大都市圏を中心に土地の価格が上がり続けており、大規模な物流倉庫や工場の建設に伴う不動産取引が景気を支えました。オフィス需要も堅調でした。一方で、戸建て住宅の価格が高くなっていることや、金利の上昇が住宅購入の意欲を抑え、個人向けの住宅市場は厳しい状況が続いています。
規模別の動向
「大企業」「中小企業」「小規模企業」のすべてで、2カ月続けて景気が改善しました。猛暑の影響で、エアコンやアイスクリームなどの夏物商品の需要が増えたことが、すべての規模の企業で見られました。特に「大企業」では、設備投資への意欲も高まっています。
地域別の動向
全国10地域すべてで、2カ月続けて景気が改善しました。都道府県別に見ると、41の都道府県で改善、5つで悪化、1つが横ばいでした。各地で半導体や自動車関連の生産活動が景気を支えています。

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北関東:3カ月連続で改善し、2023年8月以来の高い水準に。半導体関連需要の好調が『製造業』を押し上げました。
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東海:3カ月連続で改善。主要産業である『製造業』は、電子部品や自動車向け材料が堅調で大きく上昇しました。
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九州:2カ月連続で改善。半導体工場関連や都市部のマンション需要に支えられ、『建設業』が大きく上向きました。しかし、熊本地震による工場稼働停止の声も聞かれ、今後の地域経済への影響が心配されています。
半導体関連の景況感と熊本地震の影響
半導体関連の景況感は引き続き高い水準を保っており、売上の増加や設備投資への意欲も続いています。半導体関連の動きは、今後の景気を引っ張っていく存在として注目されています。

一方で、令和8年熊本地震が、その周辺の産業や地域の経済活動に与える影響を心配する声も上がっています。
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