キャパ取締役 佐藤氏、Autodesk DevConでAI×CAD×APSの次世代システムを講演

株式会社キャパの取締役である佐藤暁氏が、2026年7月21日に開催された「Autodesk DevCon 東京 2026」に登壇しました。同社はAutodesk Platform Services(以下、APS)の公式認定パートナーとして、今回で2度目の登壇となります。佐藤氏は「AI×CAD×APSが切り拓く、次世代の業務支援システム」をテーマに講演を行いました。

AUTODESK DevConでのプレゼンテーションの様子

Autodesk DevCon 東京 2026とは

「Autodesk DevCon 東京 2026」は、オートデスク株式会社が建設業や製造業向けに提供するクラウドプラットフォームや開発技術に焦点を当てた、開発者向けのイベントです。このイベントでは、Autodeskの技術者や開発パートナーが、APSを活用したソリューション、AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)などに関する最新技術や実践的な知識を共有しました。今年は、Autodeskの技術者によるセッションに加え、キャパを含むAPS認定パートナー各社が、実際のシステム開発や業務での活用を見据えた講演を行いました。

イベントの詳細はこちらをご覧ください。
Autodesk DevCon 東京 2026

株式会社キャパのセッション内容

佐藤氏の講演「AI×CAD×APSが切り拓く、次世代の業務支援システム」では、CADを中心とした設計・施工・製造業務でAIの活用が十分に広がっていない現状が指摘されました。その背景には、データの分断や専用ソフトウェアへの依存、他のシステムとの連携の難しさといった課題があります。

AIを効果的に業務へ取り入れるためには、AIが正確に働くための「データ基盤」と「業務システム」を一緒に考えることが重要だと佐藤氏は説明しました。CADデータは設計部門ではよく使われますが、営業、見積もり、施工管理、製造、保守、経営管理といった他の部門では十分に活用されていないことがあります。

CADデータが業務で活用されない理由

CADデータが業務で活用されない主な課題は以下の通りです。

  • 専用のCADソフトウェアがないとデータを確認できない。

  • CADやBIMのデータ形式がバラバラで統一されていない。

  • 業務システムとの間で手作業での入力や転記が発生している。

  • データの詳しい情報(属性、部材の構成、位置関係など)を取得しにくい。

  • AIが理解し、業務に使える形にデータが整理されていない。

これらの課題を解決し、CADデータを業務で使えるようにするための基盤の一つとして、APSが紹介されました。APSの機能(認証、データ管理、データ変換、Webブラウザでの2D・3D表示、データの情報取得など)を組み合わせることで、CAD・BIMデータを業務システムとつなぎ、部門を超えて活用できるようになります。APSは、CADデータをWeb上で見せるだけでなく、設計データを「整理された業務の財産」に変え、AIや業務システムが利用できる状態にするためのプラットフォームです。

AI時代のCADデータ基盤を支えるAPS

AIが「回答する」だけでなく、「業務を実行する」システムへ

講演の後半では、AIエージェント、APS、会社の主要なシステム、そして社内の知識を連携させた、未来の業務支援システムについて解説がありました。例えば、利用者がAIに「このモデルの簡単な見積もりを作って」と頼んだ場合、AIエージェントはその依頼を理解し、必要な作業を計画します。

そして、APSからCAD・BIMモデルの数量や情報、部材の構成を取得し、会社の販売管理システムや見積もりシステムから単価や在庫の情報を集めます。さらに、社内の仕様書や過去の案件、業務のルールを探し、これらの情報を一つにまとめることで、簡単な見積もりや注意点を提示できます。

このような仕組みでは、AI単独の性能だけでなく、次の3つの要素を合わせて考えることが重要です。

  1. 整理され、正確で常に新しいCADデータの基盤
  2. 見積もり、積算、販売管理システムなど、業務システムとの連携
  3. 業務の目的、ルール、進め方に対する深い理解

AIが業務で本当に役立つためには、信頼できるデータと、その業務がどのような状況で行われるかの情報が不可欠です。

CADシステムは、設計支援ツールから業務プラットフォームへ

これまでのCADシステムは、図面作成の自動化や設計作業の効率アップを主な目的として発展してきました。しかし、これからのCADシステムには、設計者だけでなく、施工担当者、製造担当者、営業・調達担当者、経営・管理部門など、さまざまな人が設計データを活用できる環境が求められています。

CADデータを社内外のシステムとつなぎ、AIが業務を支援・実行することで、設計から施工、製造、保守までを一貫して支える仕組みへと進化していきます。講演では、AI、CAD、APS、業務アプリケーション、販売管理システムや製品情報管理システム、社内文書などを連携させ、データ・業務・AIをつなぐシステム全体の仕組みについても紹介されました。

株式会社キャパは、今後のCADシステムは、単なる設計を助ける道具ではなく、図面や設計情報を各業務につなぎ、会社全体の業務を支える中心的な役割を果たすと考えています。

キャパが目指す「AI×CAD×APS」の未来

株式会社キャパは、自社CADの開発メーカーとして創業し、40年以上にわたりCAD・BIM・CIMを中心としたソフトウェア開発に携わってきました。2010年にAutodesk Developer Networkに加入して以来、AutoCAD、Inventor、Civil 3D、RevitといったAutodesk製品のカスタマイズ開発や、自動作図システム、作図支援システム、Web CADなどの開発に取り組んでいます。

2017年には、APS認定パートナーの前身である「Forgeシステムインテグレータ」に国内で3社目として認定され、2024年12月には、特定の業種に特化したロゴ「建築/エンジニアリング/建設」を取得しています。

今回の講演では、APSを使ったAI時代の業務基盤を築いていく方針が示されました。キャパはこれからも、CADデータを中心に、業務アプリケーション、主要なシステム、AIをつなぎ、設計データを会社全体の価値に変える仕組み作りを支援していく予定です。

登壇者

佐藤 暁氏のポートレート

佐藤 暁
株式会社キャパ 取締役

株式会社キャパに新卒で入社。2D/3D CAD開発、VR/AR事業、BIM/CIM開発、APSを活用した建設・製造業向けのDX支援に携わっています。現在は、取締役としてCADデータ・業務システム・AIをつなぐ次世代の業務支援システムの企画・推進を通じて、お客様に価値を提供することを目指し活動しています。

株式会社キャパについて

株式会社キャパは、1982年の設立以来、CAD・BIM・CIMを中心としたソフトウェア開発を通じて、建設業・製造業のお客様の業務改善を支援しています。自社CAD「nasca Rookie」のソフトウェアメーカーとして培った経験をもとに、AutoCADやBricsCADなどのCADのアドイン開発、Autodesk Revitを中心としたBIMのカスタマイズや導入コンサルティング、APSを活用したWebシステムの開発などを行っています。

今後も、CAD・BIM分野に特化したソフトウェア開発企業として、お客様の業務や課題に寄り添ったシステムを提案してまいります。

関連リンク:

×