建設DXが進まない理由を徹底解明「建設DX実態調査レポート2026」が公開
建設DXの現状と課題を解き明かす「建設DX実態調査レポート2026」が公開
野原グループのBuildApp総合研究所は、建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)とBIM(Building Information Modeling)の現状と課題をまとめた「建設DX実態調査レポート2026」を7月1日に公開しました。
このレポートは、2021年から2025年に行われた調査データを再分析し、業界の変化や現場の実態を多角的に解説しています。建設DXやBIMの動向を一冊で確認できる内容で、BuildAppサービスサイトから無料でダウンロードできます。
BuildAppサービスサイト: https://build-app.jp/
レポート公開の背景:深刻化する人手不足とDXの遅れ
建設業界では、2024年4月からの時間外労働規制の強化や、熟練した人材の大量引退が予想される「2025年問題」により、人手不足がさらに深刻になっています。こうした状況を解決するためにDXの推進が期待されていますが、現場ではアナログな作業が多く、デジタル化がなかなか進んでいないのが現状です。
BuildApp総合研究所は、このような業界が抱える根本的な課題を理解するため、継続的に調査を実施してきました。今回のレポートでは、これらのデータを時系列で整理し、「現場の課題がどのように変わってきたのか」「なぜDXが進まないのか」といった重要な問いに対するヒントが提示されています。
レポートの主な内容
第1章:変わらない「デジタル化への不安」と深刻化する人手不足
建設業界では人手不足が深刻化し続けており、根本的な省人化が急務です。働き方の見直しが進む一方で、デジタル化に対して現場が不安を感じている実態が明らかになっています。
第2章:デジタル化が進まない本当の理由
ゼネコンとサブコンの間にある「壁」が、デジタル化を妨げる大きな要因の一つです。現場での直接的な調整が多いため、データと実際との間にずれが生じることがあります。また、施工管理の負担が増え、デジタル化が部分的にしか進んでいないこと、企業規模によってデジタル化の進め方が異なることも指摘されています。
第3章:「工期遅れの本当の原因」とサブコンに集中する負担
職人不足や情報共有の不足が工期遅延の主な原因となっています。残業規制が厳しくなったことで、後工程への負担が集中するという問題も発生しています。
第4章:解決の鍵は「BIM」とフロントローディング
施工におけるBIMの活用は広がっていますが、その運用体制には課題があります。BIMに対する継続的なニーズがある一方で、実際に使いこなすには課題も多いようです。発注者の意識改革と、早い段階での合意形成が重要であると述べられています。
第5章:課題解決への提言
レポートでは、以下の3つの提言がされています。
-
提言① 受発注形態・契約の適正化: リスクを適切に分け合い、協力体制を築くこと。
-
提言② フロントローディングの標準化と「非効率な慣習」の打破: プロジェクトの初期段階で計画を詳しく詰めることを標準とし、非効率な古い習慣を変えること。
-
提言③ サプライチェーン全体でのBIMの徹底活用とデータ連携: 建設に関わる全ての企業がBIMを徹底的に活用し、データを連携させる「ツールエコシステム」を構築すること。
このレポートでは、発注者、設計者、施工者、専門工事会社をデータでつなぎ、情報を一元化するアプローチが重要であると結論付けています。
専門家からの見解

芝浦工業大学 建築学部建築学科の志手一哉教授は、2024年4月の残業時間規制適用後、大手ゼネコンの就労環境は改善されつつあるものの、その負担が専門工事会社や建設技能労働者に及んでいる現状を指摘しています。
教授は、発注者、設計者、元請者、専門工事会社、技能労働者の全員が働き方改革の恩恵を受けられるような業界構造への変革が必要だと述べています。安易な工期延長や設計者への過度な負担増を避けるため、「適正な工期の算定」と「プロジェクト全体の業務負担の軽減」が最優先課題であると強調しています。
解決策として、設計支援業務の部分的な分担や、発注者を含めた目標価格設定・共有プロセスである「ターゲットバリューデザイン(TVD)」、そして「リスク・リワードプラン」の設定が有効であるとのことです。さらに、透明性を高める「コストプラスフィー&オープンブック契約」も発注者の選択肢となるでしょう。
これらのプロセスを実現する技術として、BIMの有効性は広く認められています。今後は、「概算の詳細化と変動モニタリング」「サプライ側のモデル統合による納まり・仕様確定の早期化」「BIMデータから加工データへの変換によるプレカット・プレファブ化の推進」へとBIMの活用がシフトしていくと予想されます。工場での加工拡大やモバイルBIMによる現場確認は、施工効率の大幅な改善をもたらすでしょう。
最終的に、建築生産プロセス全体で発注者から技能労働者までがデータを連携させる「ツールエコシステム」の構築こそが、働き方改革を加速させる中心であると考えられています。
BuildApp総合研究所について
BuildApp総合研究所は、建設産業におけるデジタル技術の活用とサプライチェーンの変革を進めるため、2024年12月に設立されました。建設産業のDXや働き方改革、サプライチェーンの高度化に関する調査・分析・情報発信を行っています。
このレポートを通じて、業界の現状を客観的に整理し、データに基づいた話し合いと意思決定を促すことで、社会と未来に貢献することを目指しています。総合建設会社(ゼネコン)、専門工事店、建材メーカー、学識経験者など、あらゆる建設プレイヤーと連携し、建設産業全体の生産性向上に貢献していくとのことです。
レポートのダウンロード方法
「建設DX実態調査レポート2026」は、BuildAppサービスサイトのフォームに必要事項を入力し送信することで、メールで資料が送付されます。
URL: https://build-app.jp/document/construction-dxreport-2026/
BIM設計-製造-施工支援プラットフォーム「BuildApp」について

「BuildApp(ビルドアップ)」は、設計事務所やゼネコンが作成したBIM設計データを、より詳細なデータに変換し、各建設工程で役立てることで、建設工程全体の生産性を高めるクラウドサービスです。設計から積算、生産、流通、施工管理、維持管理までをBIMでつなぐ複数のサービスを提供し、各担当者に合わせたサポートを行います。
このプラットフォームは、設計や施工の手間や手戻りをなくし、生産や流通を最適化することで、コスト削減や廃棄物・CO2の削減に貢献します。「BuildApp」は、建設サプライチェーンの根本的な効率化と未来につながる成長を支援し、建設業界のアップデートを目指しています。
BuildApp WEB: https://build-app.jp/
野原グループ株式会社について

野原グループは、「CHANGE THE GAME.クリエイティブに、面白く、建設業界をアップデートしていこう」というミッションのもと、これまでに培ってきた知識や経験をさらに発展させ、未来につなげることで、社会への貢献を目指しています。
野原グループ株式会社: https://nohara-inc.co.jp


