セレンディクス、3Dプリンター建築の量産フェーズへ移行 新卒の若手COOを擁する新体制で駅舎・インフラ案件を本格展開

モダンな3Dプリンター建築のイメージ

セレンディクス株式会社は、3Dプリンター建築事業が研究開発の段階から、実際に多くの建物を作る「量産フェーズ」へと進んだことを発表しました。この会社は、日本で初めて3Dプリンターで家を作ったメーカーです。2022年から3Dプリンター住宅の販売を始め、その後は駅舎や工場などの建物を作るプロジェクトでも実績を重ねてきました。今後はさらに事業を広げるため、会社の経営体制を強化し、新しい人材を積極的に採用していく方針です。

住宅から社会インフラへ:3Dプリンター建築の広がる活用例

セレンディクスは、2022年3月に日本で初めての3Dプリンター住宅「serendix10」を完成させて以来、住宅の分野で実績を積み重ねてきました。そして2025年3月には、JR西日本グループと協力し、JR紀勢本線の「初島駅」(和歌山県有田市)に、世界で初めてとなる3Dプリンター製の駅舎を建設しました。

工場内で大型ロボットアームがコンクリートのような素材を使って壁状の構造物を3Dプリントしている様子

近年では、このような住宅だけでなく、鉄道や電力、公共施設といった社会を支えるインフラ分野からの依頼が急速に増えています。同社は、2026年7月末までの今期において、住宅やインフラ関連施設の受注数が38件、完成する建物が10数件を超える見込みであると発表しています。将来的には、1年から2年で合計100棟以上、5年後には年間1,000棟以上の建築を目指しています。

青空の下、白いモダンなデザインのJR初島駅の駅舎

建設業界の課題解決と多様なコンクリート建造物への応用

日本の建築物や社会インフラは、高度経済成長期に作られたものが多く、建設から50年以上が経過しています。そのため、新しくしたり建て替えたりする需要が大きく増えていますが、建設業界では人手不足や材料費の高騰、工事期間が長くなることが深刻な問題となっています。

セレンディクスが提供する3Dプリンター工法は、このような課題を解決する技術として注目されています。この工法は、少ない人数で作業ができ、工事期間を短くし、品質を安定させ、デザインの自由度を高め、環境への負担も減らすことができます。同社は、この技術を住宅だけでなく、コンクリートでできた様々な構造物の建て替え需要にも対応できる「建設ロボティクス技術」として展開しています。主な対象は以下の通りです。

  • 3Dプリンター住宅

  • 公共インフラ

  • 商業施設

  • 橋梁・高速道路

  • 災害対応施設

  • 防衛分野における防爆施設・防爆シェルター

量産フェーズを支える新たな経営体制

セレンディクスは、事業を大きくしていく量産フェーズを支えるため、新卒から成長してきた人材と、それぞれの分野で実績を持つ経験豊富な経営人材が協力し合う体制を整えています。2023年に学生インターンとして参加し、新卒で入社した佐藤蒼士氏は、2026年から執行役員COO(最高執行責任者)に就任しました。佐藤氏は、資金調達や海外市場の開拓、企業からの案件獲得などで成果を上げ、量産フェーズを引っ張る役割を担っています。佐藤蒼士氏について詳しくはこちらをご覧ください。

ダークスーツとネクタイを着用し、白い背景の前で笑顔を見せる若い男性

また、事業の仕組み作りやマーケティング(商品の宣伝や販売戦略)の経験が豊富なペンシル株式会社創業者の覚田義明氏を、執行役員CMO(最高マーケティング責任者)として迎え入れました。連続起業家であるCEOの小間裕康氏、そしてCo-founder 兼 CTOの飯田國大氏を含め、新卒から経験豊富な人材まで、様々な経歴を持つ経営陣が、建設分野でのロボット技術の導入を加速させていきます。

黒いジャケットを着たアジア系の中年男性が顎に手を当ててポーズをとっています

「建設ロボティクスプラットフォーム」としての未来

Co-founder 兼 CTOの飯田國大氏は、建設用の3Dプリンターを単なる製造機械としてではなく、「建設現場を自動化するロボット技術の土台(プラットフォーム)」と位置づけているとコメントしています。同氏が目指すのは、建物を建てる技術を新しくすることだけではありません。住宅ローンに縛られない生活や、災害で家を失った人が再び安心して暮らせる場所を提供することなど、建設のあり方を変えることが、一人ひとりの人生を変えることにつながると信じているとのことです。量産フェーズへ移行した今、建設ロボティクスを特別な事例で終わらせず、日本全国、そして世界中で利用できる新しい建設方法として確立していくことを目指しています。

セレンディクスについて

セレンディクス株式会社は、日本で初めて3Dプリンター住宅を作った会社です。2018年8月に創業し、兵庫県西宮市に本社を構えています。2022年3月に日本初の3Dプリンター住宅「serendix10」を発表し、2024年9月には2人世帯向けの住宅「serendix50」の第1号棟を、石川県珠洲市に復興住宅モデルとして建設しました。国際連合工業開発機関(UNIDO)の支援を受け、ウクライナでの3Dプリンター建築による復興支援プロジェクトも進めています。このプロジェクトのデザインは、NASAの火星移住プロジェクトに携わる建築家、曽野正之氏(Clouds AO)が監修しています。2025年には、資本業務提携を結ぶJR西日本グループと協力して駅舎を建設するなど、住宅にとどまらない建設ロボティクスソリューションを国内外に提供しています。

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