スペースシフト、JAXA軌道上AIアプリ事業で国内外4海域での船舶検知に成功
スペースシフトがJAXA軌道上実証AIアプリ事業で国内外4海域での船舶検知に成功
株式会社スペースシフトは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進める「JAXA宇宙技術実証加速プログラム(JAXA-STEPS)」の一環として実施された「軌道上実証AIアプリ」事業において、国内外4つの海域で衛星軌道上のAIを使った船舶検知に成功したことを発表しました。
この実証は、株式会社QPS研究所のQPS-SAR12号機に搭載されたJAXA開発のオンボードAI実証機を活用して、2026年6月から7月にかけて行われました。スペースシフトは、今回の成果をもとに、この技術の実用化を進めていく方針です。

JAXA軌道上実証AIアプリ事業の背景
JAXAは2025年8月に、QPS-SAR12号機に搭載されたオンボードAI実証機を活用し、SAR画像を用いた新しい宇宙利用サービスの実現を目指す「軌道上実証AIアプリ」の公募を行いました。この公募で、スペースシフトの「深層学習を用いた水域・船舶検知モデルの軌道上実証」という提案が採択され、実証に向けた開発が進められてきました。
衛星の軌道上(オンボード)でAIによるデータ解析ができれば、地上へのデータ伝送量を大幅に減らせる見込みです。具体的には、GBクラスの画像データではなく、検知結果を示すテキストデータとして送ることで、データ伝送量を従来の約90%削減できると見られています。これにより、検知結果をより早く提供できるようになることが期待されています。
スペースシフトは、これまで培ってきた衛星データ解析パッケージ「SateAIs」の技術を活かし、今回の実証に取り組んでいます。これは、より迅速な情報が求められる分野でのビジネス展開を見据えたものです。
JAXAの公募事業の詳細は、以下のリンクから確認できます。
JAXA宇宙技術実証加速プログラム(JAXA-STEPS)

実証結果
2026年6月から7月にかけて、計画されていた国内外4つの海域(シンガポール、ポートヘッドランド(オーストラリア)、パナマシティ(パナマ)、東京湾・横浜沖)すべてで軌道上実証が実施されました。地上での試験を終えたアルゴリズムを衛星に搭載し、実際の観測データに対してAIが解析を行った結果、すべての海域で船舶検知に成功しました。
各海域における軌道上実証結果
| 実施日 | 地域 | 検知数 |
|---|---|---|
| 2026年6月12日 | シンガポール | 90 |
| 2026年6月29日 | ポートヘッドランド(オーストラリア) | 15 |
| 2026年7月02日 | パナマシティ(パナマ) | 57 |
| 2026年7月06日 | 東京湾(横浜沖) | 28 |
解析結果からは、港湾周辺の混雑したエリアから外洋の航路まで、さまざまな海の環境において、個々の船舶が検知できていることが確認されました。例えば、シンガポールでは国際海峡を行き交う多くの船舶が、東京湾(横浜沖)では港の近くを航行・停泊する船舶が、それぞれ軌道上AIによって検知されています。

シンガポールでの軌道上AIによる船舶検知結果

東京湾(横浜沖)での軌道上AIによる船舶検知結果
今後の展望
今回の国内外4海域にわたる実証が完了したことで、多様な海の環境での船舶検知技術の有効性が確認されました。スペースシフトは、この実証で得られた知識をもとに、海洋監視や船舶の動きの把握といった具体的な利用方法をさらに深く探り、技術の実用化とサービス化を加速させていく予定です。
また、今回の実証で使われたアルゴリズムは、水域検知技術をベースにしています。そのため、船舶検知だけでなく、浸水災害時の被害状況の把握など、防災分野への応用も期待されています。今後は、これらの分野での実用化に向けた取り組みも進められるでしょう。
スペースシフトについて
株式会社スペースシフトは2009年12月に設立され、「Sense the Unseen from Orbit(地球上のあらゆる変化を認識可能に)」をテーマに、地球観測衛星から得られるデータを解析するAIの開発を行っています。インフラ管理、防災・減災、農業、環境保全など、多様な分野で活用できる衛星データ解析パッケージ「SateAIs(サテアイズ)」を展開しています。また、事業共創プログラム「SateBiz(サテビズ)」を通じて、衛星データを活用した持続可能な社会の実現を目指しています。
会社名:株式会社スペースシフト(英文表記:Space Shift, Inc.)
代表者:代表取締役 金本成生
本社所在地:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル6階
設立:2009年12月11日
資本金:7億399万円(資本準備金含む)
URL:https://www.spcsft.com/


