AI用グラフィックスカードの世界市場が急成長、2032年には373億ドル規模に予測
AI(人工知能)の技術が私たちの生活やビジネスに広く使われるようになる中で、その進化を支える重要な部品が「AI用グラフィックスカード」です。この度、株式会社マーケットリサーチセンターが発表した調査レポートでは、このAI用グラフィックスカードの世界市場が、今後大きく成長すると予測されています。

AI用グラフィックスカードとは
AI用グラフィックスカードは、「AIアクセラレータ」や「AI向けGPU」とも呼ばれ、人工知能が複雑な計算を効率よく行うために作られた特別なコンピューター部品です。一般的なコンピューターの頭脳であるCPUが、一つ一つの計算を順番に処理することを得意とするのに対し、AI用グラフィックスカードは、たくさんの計算を同時に処理する「並列処理」に優れています。
この並列処理の能力が、AI、特に機械学習や深層学習(ディープラーニング)で必要となる、大量のデータを一度に扱う作業や、何度も同じような計算を繰り返す作業にとても役立ちます。これにより、AIの学習や判断のスピードが格段に速くなるのです。
市場の現状と将来の予測
世界のAI用グラフィックスカード市場は、2025年には53億9,000万米ドル(約8,400億円)の規模でしたが、2032年には373億8,000万米ドル(約5兆8,000億円)にまで成長すると予測されています。これは、2026年から2032年の間に、年平均で33.1%という速いペースで市場が拡大していくことを示しています。
この市場の成長は、AI技術がさらに発展し、より多くの分野で活用されるようになることで、AI用グラフィックスカードの需要が増えるためと考えられます。2024年には世界で約57万1千台のAI用グラフィックスカードが生産され、1台あたりの平均価格は約7,110米ドル(約110万円)でした。
市場を支える要素
AI用グラフィックスカードを作るには、高性能な半導体を製造する技術や、たくさんのデータを高速でやり取りできるメモリ(HBM)、そしてそれらを効率よく組み合わせる高度なパッケージング技術が必要です。これらの部品を作る会社が、市場の「上流」を支えています。
一方、AI用グラフィックスカードを使う主な場所は、インターネット上の情報処理を行う大規模なデータセンターや、企業がAIを使うためのシステム、そして研究機関や国のコンピューターセンターなどです。AIを使った学習(トレーニング)や、学習したAIが実際に判断を行う(推論)作業、大規模な言語モデル、おすすめ機能、そして文章や画像などを自動で作り出す生成AIといった技術の進化が、AI用グラフィックスカードの需要を大きく押し上げています。
製品の種類と用途
AI用グラフィックスカードには、AIの学習(トレーニング)に特化したもの、AIが判断を行う(推論)に特化したもの、そして両方の機能を兼ね備えた「トレーニング&推論統合型カード」など、いくつかの種類があります。
主な用途としては、データセンターでの大規模なAI処理や、企業でのAI活用が挙げられます。NVIDIA、AMD、Intelといった企業が、この分野で主要な役割を担っています。
調査レポートについて
今回発表された調査レポート「AI用グラフィックスカードの世界市場(2026年~2032年)」では、市場規模だけでなく、市場の動向や、AIトレーニング用、AI推論用、トレーニング&推論統合型カードといった種類ごとの予測、主要な企業の情報などが詳しくまとめられています。
レポートでは、製品の形(フォームファクター)、メモリの種類(HBMベース、GDDRベースなど)、使われる場所(データセンター、エンタープライズなど)、そして地域ごとの市場の状況についても分析されています。
AI用グラフィックスカードは、これからもAI技術の進歩に欠かせない、大切な部品であり続けるでしょう。この市場の動向は、今後のAI技術の発展を理解する上で非常に重要です。
本調査レポートに関する詳細やお問い合わせは、以下のリンクから確認できます。


