DX wpmaster 2025年12月13日 0 コメント

動画生成AI「NoLang」が多言語機能を強化、外国人労働者向け研修動画を日本語資料から自動作成

動画生成AI「NoLang」が多言語機能を強化

株式会社Mavericksは、動画生成AI「NoLang（ノーラン）」の多言語対応機能を大きく改善しました。この新しい機能により、日本語の資料から外国人労働者の国籍に合わせた多言語の研修動画を簡単に作れるようになります。

外国人労働者の増加と研修の課題

日本国内では、人手不足を背景に外国人労働者の雇用が増えています。2025年6月末には在留外国人の数が過去最多の約395万人となり、多くの企業で外国人労働者が活躍しています。しかし、その一方で「日本語能力の問題でコミュニケーションが難しい」といった言語の壁が、企業にとって大きな課題となっています。

特に、社内マニュアルの多言語対応は現場で追いついていないのが現状です。例えば、外食産業の調査では、主要なマニュアルで外国語版がある割合は3割以下というデータもあります。テキストのマニュアルでさえこの状況であるため、ナレーションや編集が必要な動画マニュアルの整備はさらに遅れていると考えられます。

「NoLang」による多言語研修動画の自動作成

株式会社Mavericksは、こうした課題を解決するために「NoLang」の多言語機能を大幅に拡充しました。これまでも日本語資料から英語の動画を自動生成する機能はありましたが、今回の更新で中国語、フィリピン語、ベトナム語などを含む全18言語に対応しました。さらに、一度作った動画をボタン一つで他の言語に変換・生成できる新機能も加わっています。

これにより、動画編集のスキルがない人でも、まず日本語で研修動画を作り、その後ワンクリックで外国人材向けに多言語化することが可能になりました。誰でも簡単に質の高い多言語対応動画を作成できるようになります。

操作手順

日本語で作成した動画を他の言語に変換する手順は、以下の3ステップです。

NoLangで作成した日本語動画の視聴画面を開き、「縦横比/言語を変換」ボタンを選ぶ
設定画面で、変換したい言語を選ぶ（全18言語から選択可能）
「生成」ボタンを押し、完了を待つ（選んだ言語の動画が自動で作られます）

対応言語は、英語、韓国語、中国語（簡体・繁体）、フィリピン語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ネパール語、ヒンディー語、ベンガル語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語、ドイツ語、ロシア語です。

今回のアップデートにより、飲食、建設、介護といった業界で働くベトナム、中国、フィリピンなどの外国人労働者に対し、英語ではなく「母国語」で直感的に伝わる研修が可能となります。動画による研修は、テキストのみの場合と比べて記憶の定着率が約9倍高いとされており、複雑な業務や安全規則も母国語の動画で提供することで、理解度を大きく高めることが期待されます。

「NoLang」の具体的な活用シーン

新製品の操作マニュアル・業務手順書

日本語版のマニュアルを元に、すぐに多言語対応の動画を作ることができます。日本語の動画からボタン一つで他の言語に変換できるため、新しい機械の導入や新製品の発売時にも、即日で全外国人労働者の各言語に対応した動画を作成できます。テキストでは伝わりにくい複雑な操作や細かいニュアンスも、動画で直感的に理解を促し、習熟度のばらつきを防ぎます。

安全衛生・コンプライアンス研修

すべての従業員が正確に理解すべき重要なルールも、翻訳のずれや研修担当者のスキルに左右されず、均一な動画コンテンツとして提供できます。法改正や社内規定の変更があった場合も、元の日本語資料を更新するだけで、すぐに最新版の多言語対応研修動画を作成・配信できます。これにより、すべての従業員が常に最新のルールを正確に把握できる体制を整え、企業のコンプライアンスリスクを減らします。

雇用契約・労務関連の雇い入れ時研修

外国人労働者を雇用する際、雇用契約書の内容、就業規則、日本の労働法規、在留資格に関するルールなど、正確に理解してもらうべき大切なことがたくさんあります。これらの説明は専門用語が多く、言語の壁で誤解が生じると、将来的なトラブルにつながることも少なくありません。「NoLang」を使えば、これらの複雑な説明資料や契約書を元に、難しい法律用語や契約条件を分かりやすく解説する多言語対応の動画をすぐに作れます。これにより、外国人労働者が自身の権利と義務を正確に理解した上で仕事を開始でき、説明にかかるコスト削減とコンプライアンス体制の強化を両立します。

今後の展望

株式会社Mavericksは、今後も「NoLang」の多言語対応をさらに進め、他の主要言語への対応も順次拡大していく予定です。AIの力で世界中の「言語の壁」をなくし、リアルタイム動画生成AI「NoLang」をはじめとする最先端のAI製品の開発を通じて、あらゆる企業のグローバルなコミュニケーションと生産性の向上に貢献していくとのことです。