建築図面から完成イメージ動画を自動生成、AI「Architecture Studio」が建築設計事務所・工務店向けに提供開始

建築図面が、施主が理解できる完成イメージ動画に

株式会社ニュウジアは、AI映像・画像・音声生成プラットフォーム「genas.ai」の新機能として、建築設計事務所や工務店向けのAIサービス「Architecture Studio」を、2026年9月15日より全てのユーザーに提供開始しました。

このサービスは、建築設計に使われるBIMの標準形式であるIFCファイルをアップロードするだけで、建物の形や部屋、窓などの情報を読み取り、施主向けの30秒のプレゼンテーション映像(音声付き)を自動で作成します。特別なCAD操作やAIへの指示(プロンプト)を書く必要はありません。

建築図面を、施主に伝わる完成イメージ動画へ

設計の意図が伝わりにくい課題を解決

建築プロジェクトでは、設計契約から建物が完成するまでに長い時間がかかります。この間、建物は図面としてしか存在せず、施主やその家族、金融機関、テナント、役員会など、多くの関係者が図面を読み解くのは難しいのが現状です。

「なぜこの位置に窓があるのか」「天井が高いことによる開放感」「玄関からリビングへのつながり」といった建築士の意図は、線と数字だけではなかなか伝わりません。その結果、最大の意思決定である「この予算で建てるか」という判断が、十分な理解なしに行われることもあります。

「Architecture Studio」は、建物が図面でしか存在しない期間に、完成後の建物の姿を具体的に伝えるためのツールです。

国土交通省の統計によると、新設住宅の着工戸数は減少傾向にあり、1件の受注を巡って複数社が競い合う状況では、設計の質だけでなく、その魅力をいかに伝えるかが受注を左右すると考えられます。

従来のCGパースとの違い

これまでも、建物の完成イメージを伝える手段としてCGパースが使われてきました。しかし、CGパースは1カットあたり数万円から十数万円と高価で、完成までに時間もかかります。そのため、プレゼンテーションのために一度しか作れず、設計が変わるたびに作り直すことは現実的ではありませんでした。

「Architecture Studio」は、代表的な完成イメージ一式で5,760円(税別)という費用で利用できます。また、行われた実測では、図面の取り込みと建物確認に約2〜3分、映像の構成に約9分で完了するとされています(※3)。

これにより、設計の各段階(基本設計の合意形成、複数の案の比較、着工前の提案、テナント誘致など)で、必要に応じて完成イメージを作り直すことが可能になります。これが「Architecture Studio」の大きな価値です。

建築設計の未来:AI Architecture Studio

簡単3ステップで利用可能

「Architecture Studio」の使い方はとてもシンプルです。必須入力はたった2つだけです。

ステップ1:図面を入れる

IFCファイルをアップロードします(最大200MB)。仕上表や建具表(XLSX/CSV形式)も一緒にアップロードすると、建材や建具の情報も映像に反映されます。

ステップ2:2つだけ答える

「目的」(誰に何を決めてもらうか)と「設計趣旨」(建築士がすでに書いている説明文)の2つを入力します。これらの情報から、映像の長さ、雰囲気、人物の有無、表示する文字、音楽、ナレーションの話し方、出力形式などが自動で決まります。建物の用途や場所など、詳しい情報は任意で入力できます。

ステップ3:絵を見て、選んで、直す

映像の各シーンで、完成イメージの静止画候補が3枚表示されます。写真を選ぶように好みのものを選び、修正したい場合は「夕方にして」「家具を減らして」といった日本語で伝えるだけでOKです。AIへの指示(プロンプト)を書く画面はありません。承認した静止画だけが映像の素材となります。

Architecture Studio 使い方は3ステップ。必須入力は2つだけ

AIが建物の形を変えない仕組み

生成AIを使った建築ビジュアルで心配されるのは、図面と違う建物ができてしまうことです。窓が増えたり、屋根の形が変わったり、平屋が2階建てになったりすると、提案どころか問題になりかねません。

「Architecture Studio」では、AIがどこまで変更してよいか、どこは変更してはいけないかを厳しく管理しています。

  • 図面が正しい情報源:建物の外形、屋根の形、階の高さ、天井の高さ、窓や扉の数・位置・大きさ、部屋の広さ、壁の位置、中庭、カメラの位置や画角は、AIが変更できません。

  • 仕上げ表が正しい情報源:素材や質感は、指定がない場合のみAIが推定します。

  • 表現例として生成:家具、照明、カーテン、植栽、光の表現、時間帯などはAIが生成します。

さらに、以下の仕組みで正確性を保ちます。

  • 映像には常に「完成イメージ/仕上げ・家具・植栽・周辺環境は表現例です」という表示が出ます。

  • 人物の顔、文字、ロゴ、実在する建材ブランドは生成しないように設定されています。

  • 出力された映像は、承認済みのモデルと自動で比較され、窓の形や外形のズレ、内容のないフレームがないか機械的にチェックされます。

  • 美しさの判断は建築士が行います。

この機能は、設計や建築確認、工事の管理を代わりに行うものではありません。また、採光性能や耐震性を映像で保証するものでもありません。

主要なCADファイルに対応

「自分の使っているCADの書き出しファイルは特殊かもしれない」という心配に対して、Archicad 27、Revit 2024、Vectorworks、GLOOBEの実際の書き出しファイルで、取り込みや建物確認(寸法・部屋・開口の集計)ができることを確認しています。

また、実際のCAD由来のIFCファイル21本を使った検証セットを構築し、機能の追加や修正のたびに全てを一括で再検証する体制を整えています(※3)。

CADの書き出し設定の違いも、サービス側で自動的に調整されます。例えば、メートルで書き出されたモデルはミリメートルに変換されたり、斜めに書き出された建物も正しい向きに整えられたりします。

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最新のAIモデル「GPT-6 Astra」を採用

2026年9月3日にOpenAIが公開した最新のAIモデル「GPT-6 Astra」が、建物の特徴を捉え、効果的な映像構成を考える部分に採用されています(※4)。

OpenAIの発表によると、多角的なレンダリング画像からCADコードを生成し、立体形状を再現する評価「BenchCAD」において、GPT-6 Astraは幾何学的な重なりのスコアで95.9%と、前世代のモデルを上回る結果を出しています(※5)。この能力は、図面情報の整理や建築士が確認すべき箇所の抽出に活用されます。ただし、建物の形状はあくまで図面から作られた承認済みモデルが基準であり、AIの判断だけで形状が自動的に変更されることはありません。

genas.ai GPT-6 Astra × Architecture Studio

図面という機密情報の取り扱い

建築図面は、施主の資産や暮らしが記された大切な情報です。株式会社ニュウジアは、以下の通り厳重な管理体制で運用しています。

  • 図面、建物モデル、生成された映像は基本的に非公開で保存し、施主への共有は期間を設定して行います。

  • 映像生成には、承認済みのモデルから作成した深度映像やCG画像、承認済みの静止画を使用します。元の図面一式をそのまま動画生成AIに渡すことはありません。

  • お客様の図面や生成されたものを、AIモデルの学習に利用することはありません。

  • サービスのアプリケーションとデータベースは、日本国内のサーバーで管理・運用されています。

料金体系:使った分だけのポイント制

1ポイント=20円(税別)のポイント制です(※3)。サービスを利用する前に、必要なポイント数が画面に表示されます。もし、解析や構成が完了しなかった場合は、その分のポイントは自動的に返還されます。

  • 図面の取り込み・建物確認: 120pt

  • 映像の構成・台本: 30pt

  • 完成イメージ静止画(1枚): 3pt

  • 完成イメージ映像 30秒/720p: 84pt

  • 完成イメージ映像 30秒/1080p: 207pt

  • 設計確認映像(1ショット5秒): 6pt

代表的な「完成イメージ一式」では、288ポイント(5,760円・税別)が必要です。

初めて利用する方は、図面の取り込みと建物確認までを無料で試すことができます(メール認証済みのアカウントにつき1回)。映像の構成や静止画、映像制作からは有料となります。

既存のCAD・BIMを置き換えるものではない

「Architecture Studio」は、既存の建築設計CADやBIM、レンダリングソフトを置き換えるものではありません。これらのツールは形状に忠実ですが、自分でモデリングする操作が必要です。

本サービスは、建築士がすでに完成させた設計図を出発点とし、図面の根拠、設計の意図、説明の順序、映像、音声を一貫して自動で組み立てることに特化しています。図面の事実に沿いながら、誰に何をどの順番で伝えるかという構成までを自動で作成するサービスは、2026年9月時点で公開情報を調査した範囲では確認されていません。

国土交通省の資料によると、2026年4月1日から、IFCデータとPDF形式の図面を提出するBIM図面審査が始まっています。確認申請のために用意したIFCファイルを、そのまま施主への説明に活用できるのが、この機能の大きな利点です。

提供概要

項目 内容
名称 Architecture Studio(genas.ai の機能)
提供開始 2026年9月15日
対象 建築設計事務所、工務店、ハウスメーカー設計部門、不動産開発事業者
主な入力 IFC(IFC2x3/IFC4/IFC4x3、最大200MB)、仕上表・建具表(XLSX/CSV)
出力 完成イメージ映像(30秒・6ショット・音声つき・16:9・720p/1080p)、完成イメージ静止画、設計確認映像
料金体系 工程別のポイント制(1pt=20円・税別)。実行前に見積を表示し、完了しなかった工程は自動返還。初めての方は図面の取り込み・建物確認まで無料(1アカウント1回)
サービスページ https://genas.ai/architecture/
お問い合わせ https://genas.ai/contact/

※現時点では、2D図面(PDF・DXF)のみでの制作には対応していません。IFCファイルをご用意ください。RVT・DWG・JWWのネイティブファイルの直接取り込みも対象外です。

建築設計事務所・工務店の皆さまへ 図面を、伝わる建築映像へ。

株式会社ニュウジア 代表取締役 柏口之宏氏のコメント

株式会社ニュウジアの代表取締役である柏口之宏氏は、次のように述べています。

「建築士の皆さまが時間をかけて考え抜いた設計には、図面の線だけでは伝えきれない理由があります。その理由が届かないまま提案の価値が判断されてしまう——ここに、AIが担える仕事があると考えました。

私たちが最も時間をかけたのは、映像を美しくすることではありません。『AIに何を触らせないか』を決めることでした。窓の数と位置、屋根の形、天井の高さ、部屋の広さ。これらは図面が正しい情報源であり、AIが変えてよい場所ではありません。触ってよいのは、光と、家具と、暮らしの気配だけです。

そしてもうひとつ。お預かりするのは、施主の資産と暮らしが記された図面です。元の図面をそのまま動画生成AIに渡さない設計にしたのは、便利さより先に守るべきものがあるからです。

Architecture Studioは、設計者に代わって建物を考えるためのものではありません。設計者が込めた工夫を、施主が完成後の暮らしとして思い描けるようにするためのものです。まずは1棟、お手元のIFCでお試しください。」

掲載されている実例は、本機能の検証用に作成されたオリジナルの建物データであり、実際の顧客事例を示すものではありません。利用する際は、お客様自身が権利を持つ図面、または許諾を得た図面を使用してください。

NIUSIA

会社概要

  • 会社名: 株式会社ニュウジア

  • 設立: 2008年12月

  • 代表取締役: 柏口之宏

  • URL: https://www.niusia.co.jp/

  • 所在地: 〒104-0061 東京都中央区銀座一丁目27番8号 セントラルビル703号

  • 主な事業内容: AI技術の研究開発、コンサルティング、映像制作、AIソリューション販売、AIエージェント販売

参考情報

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