橋本組、日本の建設技術をベトナムの「標準」へ導く挑戦で「JAPANコンストラクション国際賞」を受賞
焼津の橋本組が「JAPANコンストラクション国際賞」を受賞
静岡県焼津市に本社を置く株式会社橋本組は、株式会社小澤土木(静岡県浜松市)と共同で、国土交通省が主催する令和8年度「第9回 JAPANコンストラクション国際賞」の中堅・中小建設企業部門を受賞しました。
この賞は、日本企業の海外進出を後押しし、日本の建設・不動産業の競争力強化などを目的とした国土交通大臣表彰です。橋本組の受賞は、地域に根差した建設会社という枠を超え、日本の建設技術を海外の社会課題解決へつなげてきた9年間の取り組みが高く評価されたものとされています。

海外工事の受注から「市場づくり」へ
橋本組が海外事業を始めたのは2017年。当初から目指したのは、海外で工事を受注するだけでなく、日本で培われた「圧入工法」をベトナムのインフラ整備に継続的に採用できる技術として定着させることでした。圧入工法とは、サイレントパイラー™という機械を使い、振動や騒音を抑えながら高精度で杭を地面に埋め込んだり引き抜いたりする日本のオリジナル技術です。
この目標達成のため、橋本組はベトナムでの現地法人「HOPE E&C JSC」の設立、現地エンジニアの育成、そして技術基準の制定や積算体系の整備までを視野に入れた「市場づくり」に取り組んできました。
ベトナムの社会課題解決への貢献
橋本組と小澤土木は、ベトナムで社会課題となっている老朽ダムの漏水対策に注目しました。JICA中小企業支援事業や経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創事業」を活用し、ベトナム北部の農業用貯水池で、圧入工法を用いた鋼矢板遮水壁による漏水対策の実証を行いました。
この実証では、圧入工法は初期投資が4%高いものの、耐久性は現地の技術に比べて1.5~3倍という結果が出ました。また、工期短縮による早期の供用開始も高く評価されています。これは、単なる施工価格だけでなく、補修や維持管理を含めたインフラの「ライフサイクル」で価値を考えるという、日本が培ってきた「質の高いインフラ」の考え方をベトナムに広げる取り組みでもあります。
9年間の挑戦と今後の展望
橋本組の海外展開は、2017年の海外事業を担う高度人材の採用から始まりました。2019年には現地法人を設立し、JICA事業などを通じて現地政府との関係構築、技術実証、人材育成を段階的に進めてきました。

そして現在、実証した圧入工法の技術基準制定と積算体系の整備を進めています。これが実現すれば、ベトナム国内の約1,000か所の貯水池や約9,300kmの河川堤防への適用が加速されるでしょう。さらに、地すべり、港湾、海岸、都市土木など、ベトナムが抱える様々な社会課題への展開も期待されています。
橋本組の橋本真典CEOは、「地域で培ってきた技術や経験は、海外の社会課題の解決にも役立てられるはずだと考え、一つひとつ取り組みを積み重ねてきました。私たちが目指すのは、日本の技術が現地に根付き、現地の人々によって使い続けられる仕組みをつくることです」とコメントしています。
焼津の地域ゼネコンから、「海外で技術が使われる仕組みをつくる建設会社」へ。橋本組は今回の受賞を励みに、ベトナムをはじめとする海外で、日本の建設技術と現地社会をつなぐ新しい建設企業のあり方に一層注力していくとのことです。
株式会社橋本組について
株式会社橋本組は、静岡県焼津市に本社を置き、大正11年(1922年)創業の総合建設業です。


