建設DXを加速する日本初の「施工管理ソフトウェアデータベース」が公開

一般社団法人施工管理ソフトウェア産業協会（J-COMSIA）は、建設業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）を支援するため、日本初の「施工管理ソフトウェアデータベース」を2025年11月1日に一般公開しました。このデータベースは、一般社団法人が運営する公平かつ透明性の担保された施工管理ソフトの情報メディアとしては、日本初とされています（2025年11月時点のJ-COMSIAによる調査に基づく）。
一般的な比較サイトや民間企業が運営する情報ページとは異なり、非営利かつ中立的な立場から、施工管理ソフトの製品情報、検定結果、適合証発行、発注機関要件の対応状況を一つにまとめて提供します。これにより、施工管理ソフトの信頼性と選定プロセスを分かりやすくし、発注者、受注者、ベンダーが協力しやすい環境を整えることで、建設DXのさらなる推進を目指します。

建設DX市場の成長とJ-COMSIAの活動

国土交通省が進める「i-Construction 2.0」によると、建設業界では2040年度までに生産年齢人口が約2割減ると予想されています。一方で、災害の増加やインフラの老朽化への対応が急務です。政府はこれらの課題に対し、建設現場の生産性を1.5倍に高める「省人化3割」を目標に掲げ、ICT施工やBIM/CIMの原則化、遠隔臨場といったデジタル施工の普及を進めています。
このような建設DXの流れを受け、施工管理ソフトは単に業務を助けるツールから、行政、現場、ベンダーをつなぐ情報基盤へと変化しています。J-COMSIAは、この変化に対応し、施工管理ソフトの標準化と品質評価の透明性を高める目的で、今回のデータベースを構築しました。
J-COMSIAの会員企業は年々増え、登録されているソフトウェアの数は5年間で約2.2倍に拡大しました。現在、74社191ソフトが登録されており（2025年度11月時点）、主要なベンダーの製品が広く網羅されています。

施工管理ソフトウェアデータベースの概要

このデータベースは「施工管理ソフトウェアデータベース」という名称で、以下のURLから利用できます。
https://www.jcomsia.org/software/

掲載されている主な内容は以下の通りです。

• 施工管理ソフトの製品情報（機能、対応業種、発注機関、対応形式など）

• J-COMSIA検定の合否結果と、適合証PDFの自動発行機能

• 発注機関（国土交通省、NEXCO、日本下水道事業団など）への対応状況

• 過去のバージョン履歴や、連携できるソフトの情報

このデータベースは、施工管理ソフトの検定、公開、利用を総合的に支援する仕組みとして、会員企業、発注機関、施工業者のそれぞれに役立つメリットを提供します。

主な特徴とメリット

主な機能

• バージョン管理機能: 各ソフトの更新履歴や過去のバージョンをまとめて管理できます。

• カテゴリ別検索機能: 写真管理、出来形管理、電子納品、BIM/CIM対応など、様々なカテゴリから横断的にソフトを検索できます。

• 発注機関別ソート機能: 発注機関の要件に合ったソフトを素早く探し出すことができます。

今後の展望

J-COMSIAは、今後以下の取り組みを進める予定です。

• 発注者との連携強化: 発注機関の基準に準拠した施工管理ソフトを増やし、公共事業での実際の利用を促進します。

• 掲載ソフトの拡大: 新しいカテゴリを追加し、より多様な施工管理の分野をカバーするデータベースへと拡張します。

• 最新ソフト情報の発信: 建設業者向けに、ソフトウェアの最新バージョンやDXに役立つ情報を定期的に発信します。

一般社団法人 施工管理ソフトウェア産業協会（J-COMSIA）について

一般社団法人施工管理ソフトウェア産業協会（J-COMSIA）は、建設分野の施工管理に関わるソフトウェアを使った業務の高度化や効率化を目指し、調査、企画、要件定義、システム開発、保守、情報提供を行っています。これにより、建設技術の向上、建設事業の効率化、国土の安全かつ有効活用の促進を図り、国民生活の高度化と経済の活性化に貢献することを目的としています。
J-COMSIAのウェブサイトは以下からアクセスできます。
https://www.jcomsia.org/