東京大学 松尾・岩澤研究室、全国の現場でAI活用を広げる「AXエバンジェリスト講座」を無料開講
東京大学大学院工学系研究科 松尾・岩澤研究室は、企業や官公庁、自治体などにおいて、AI(人工知能)の導入・活用・定着を進める人材を育てる「AXエバンジェリスト講座」を2026年9月に開講します。この講座で育てる「AXエバンジェリスト」とは、AIを自分の仕事に使うだけでなく、その効果や使い方を周りの人に伝え、組織全体でAI活用を進める役割を持つ人たちのことです。

AIやプログラミングの知識がなくても参加できます。生成AIの基本的な操作方法から、営業、経理、人事、生産管理といった具体的な業務での活用、社内のデータとAIをつなげる方法、セキュリティやルール、そして組織の中にAI活用を広げる方法までを、実際に手を動かす演習や事例研究を通じて学びます。講座は全7回でオンライン形式、学生も社会人も無料で受講できます。
講座開講の背景
生成AIの技術が急速に進んでいることで、企業や行政組織に求められる変化は、デジタルツールやデータを活用するDX(Digital Transformation)から、AIの活用を前提に仕事や組織のあり方を見直すAX(AI Transformation)へと変わりつつあります。
日本経済が再び成長するためには、AIを一部の企業や専門家だけのものではなく、全国の企業に広めて定着させる必要があります。松尾研究室の試算では、日本全体でAXを進めることにより、国内総生産(GDP)の成長率を最大で年1.6%ポイント押し上げられる可能性があると考えています。
AI活用の重要性については、日経電子版の記事「AIをめぐる3つの挑戦、日本の経済成長につなげるには 松尾豊氏」も参考になります。
AIをめぐる3つの挑戦、日本の経済成長につなげるには 松尾豊氏(日経電子版)
松尾研究室では、AXを5つの段階に分けています。既存の生成AIツールを使う「AX1」から、社内データを使ってAIエージェントなどで業務を効率化する「AX2」、仕事のプロセス全体をAIで新しくする「AX3」、独自にAIモデルを開発する「AX4」、そして業界全体や取引先と協力して使えるAIの基盤を作る「AX5」という段階です。企業によって目指す段階は異なりますが、このステップを一つずつ進めることが大切だとされています。

しかし、ただ生成AIを導入するだけでは、仕事や組織は大きく変わらず、このステップはなかなか進みません。特に、中堅・中小企業では、AI活用を会社の中心となる仕事に取り入れ、現場に定着させる人材が足りていないのが現状です。
そこで松尾研究室は、まず組織内で生成AIを使えるようにし、次に社内データやRAG(Retrieval Augmented Generation:外部情報を参照して回答を生成する技術)、AIエージェントなどを活用して仕事を楽にしたり自動化したりする「AX1・AX2」を実行し、アドバイスできる人材を全国で早く育てる必要があると考えました。
この講座では、専門のIT人材だけでなく、企業や地域の現場をよく知っている人がAXの担い手になることを重視しています。受講者が講座で得た知識を自分の組織や地域に持ち帰り、AI活用の良い影響を周りに広げていくことを目指しています。
講座の特徴
1.知識ゼロから、生成AIを仕事で使えるようになる
AIやプログラミングの事前知識、英語力は必要ありません。よく使われる生成AIサービスの基本的な操作から始め、文章作成、情報整理、分析など、日々の業務でAIを使う方法を段階的に学びます。
2.実際の業務を題材に、手を動かして学ぶ
営業、経理、人事、生産管理といった業務を例に、実際に手を動かす演習や、企業・官公庁の事例研究を行います。さらに、組織内のデータを参照して回答を作るRAGや、複数の作業を自動で進めるAIエージェントにも触れ、業務の効率化や自動化につながる活用方法を実践的に学びます。
3.AIを安全に使い、組織へ広げる方法まで身につける
情報のセキュリティ、著作権、社内のルールなど、組織としてAIを使う際に必要なガバナンス(管理体制)の基本を学びます。自分自身がAIを使えるようになるだけでなく、AIの利用に慎重な人にも、AIの効果やリスクを正しく伝え、組織全体でAI活用を進めるための考え方と行動を身につけます。
カリキュラム(予定)
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第1回:導入―AX推進に向けて
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第2回:AI活用の基礎体験(ハンズオン編①)
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第3回:ビジネス活用パターン(ケーススタディ編①)
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第4回:AI活用の基礎体験(ハンズオン編②)
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第5回:ビジネス活用パターン(ケーススタディ編②)
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第6回:セキュリティ・ガバナンス(リテラシー編)
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第7回:エバンジェリスト実践(伝道編)
募集要項
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講座名:AXエバンジェリスト講座(AXEL:AX Evangelist Lecture)
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開講時期:2026年9月予定
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開催回数:全7回
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開催曜日:毎週木曜日
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開催時間:19時~21時
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開催形式:オンライン
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参加費:無料
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募集開始:2026年8月14日(金)14時
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申込締切:講座Webページで後日公開
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総合企画・監修:松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科 教授/松尾・岩澤研究室)
社会人の受講対象者
企業、官公庁、自治体などに所属し、仕事でAI活用に関心のある方が対象です。社会人は企業・団体単位での申し込みとなり、個人での申し込みは受け付けません。原則として1団体10名以上の受講希望者を取りまとめ、代表者から申し込んでください。
学生の受講対象者
大学院生、大学生、短大生、専門学校生、高専生、高校生、中学生、社会人学生が対象です。開講日時点で対象となる学校に在籍していること、または入学予定であることを証明できる必要があります。
※応募者が多い場合は、抽選や応募動機、講義への参加可能性などを踏まえた選考が行われます。
※受講には、受講者自身で使えるPCが必要です。
※5回以上の出席と、講義全体で学んだ内容をまとめたレポートの提出が修了の条件となる予定です。修了者にはPDF形式の修了証が発行されます。
※講師、内容、日程、申込条件は変更となる可能性があります。
申込方法
下記の講座Webページから申し込んでください。
社会人は、団体ごとに受講希望者を取りまとめ、代表者が指定の申込フォームから申し込みます。
学生は、初めて松尾・岩澤研究室の講座を受講する場合、最初に受講システム「Omnicampus」のIDを登録し、その後、この講座へ申し込みます。すでにIDを持っている方は、マイページへログインして申し込んでください。
申込締切、各回の開催日、選考結果の通知日などは、募集開始時に講座Webページで公開されます。
その他の公開講座
松尾研究室では、「AXエバンジェリスト講座」の他にも、AIやデータサイエンスに関する様々な講座を公開予定です。詳細はこちらから確認できます。
本件に関するお問い合わせ
講義に関するお問い合わせは、以下のフォームからお願いします。


