『AI白書2026』独自調査発表:国内企業におけるAI投資と人員削減は直結せず、シャドーAI利用の実態も明らかに
株式会社角川アスキー総合研究所は、2026年8月20日に発売される書籍『AI白書2026』に掲載される独自調査「企業における生成AI導入の投資・統制・成果実態調査」の結果を発表しました。

この調査は、上場企業や従業員数300人以上の非上場企業に勤める経営者・役員および従業員310人を対象に行われました。生成AIの活用が広がり、投資規模も大きくなる中で、その効果をどのように測るか、またどのように管理していくかが新しい経営の課題となっています。今回の調査では、AI投資の現状や、導入効果の測定状況、AIを適切に使うためのルール作り(ガバナンス体制)の状況などが詳しく調べられました。
調査から見えた生成AI活用の現在地
国内企業では、生成AIへの投資が増える段階に入っています。しかし、投資の効果を具体的な数字で把握できている企業はまだ少なく、効果を把握できている企業ほど、さらに積極的に投資する傾向が見られます。
AIを適切に使うためのルール作りについては、ガイドラインの整備が進んでいるものの、管理職を含む多くの従業員が、会社の正式なツールではないAI(シャドーAI)を業務で使っていることが分かりました。これは、現場の状況にルールが追いついていない可能性を示しています。このような取り組みの進み具合は、上場企業と非上場企業の間で大きな違いがあります。一方で、海外でよく報じられる「AI投資によって人員を減らす」というような大きな変化は、今のところ国内企業では目立っていません。
今回の発表では、特に注目すべき4つの調査結果が紹介されています。
主な調査結果
1. AI投資の拡大は人員削減に直結しない
海外の大きなテクノロジー企業では、AI導入を理由とした人員削減が報じられています。しかし、国内企業ではこれとは異なる傾向が見られました。AIへの投資を「増やす」と答えた企業と「横ばい」と答えた企業の間で、間接部門の人員を「減らす」と見込む割合は、どちらも約14%とほとんど差がありませんでした。このことから、AI投資が増えることで人員削減が加速するという関係は、確認されませんでした。少なくとも現在の国内企業では、「AIで人を減らす」よりも「AIも人も増やす」という考え方が多数派であると考えられます。

2. 管理職ほど「シャドーAI」を使っている
会社の正式なツールではないAI(シャドーAI)を業務で使った経験があるかという質問に対して、課長以上の管理職では46.5%が「ある」と答え、係長以下の一般社員(38.1%)を上回りました。また、「会社のルールやガイドラインが現場の状況に追いついていない」と感じる割合も、管理職の方が10ポイント以上高くなっています(管理職57.4%、一般社員47.1%)。これは、ルールを作る立場でありながら、そのルールの限界を最も感じ、非公式なツールを利用している管理職の実態がうかがえます。

3. ガイドラインを整備しても「シャドーAI」は減らない
会社全体でAI利用のガイドラインをすでに整備している企業でも、非公式なAIツールを業務で使った経験は46.9%に上り、一部しか整備していない企業(50.0%)と大きな差はありませんでした。さらに、ガイドラインを整備している企業の45.1%が「ルールが現場の状況に追いついていない」と回答しています。この結果は、ルールを作るだけでなく、現場の変化に合わせて継続的に運用していくことの重要性を示しています。

4. 上場企業と非上場企業で広がるAI投資・活用格差
主要な指標を上場企業と非上場企業で比較すると、AIへの投資を増やす見込み(上場80.1%、非上場50.0%)と、AIの効果を具体的な数字で把握できているか(上場37.0%、非上場13.7%)の2項目で、はっきりとした差が見られました。特に、効果を数字で把握できている割合は、上場企業が非上場企業の2.7倍という大きな開きがあります。また、会社全体でガイドラインを整備している割合にも16.8ポイントの差があり(上場45.9%、非上場29.1%)、投資、効果測定、AI利用の管理のいずれにおいても、上場企業が先行していることが分かります。

このほか、『AI白書2026』の本編では、効果測定の方法と投資への意欲の関係、導入したツールの数と効果の実感の相関、投資する分野のランキング、ベンダーを選ぶ際のポイントなど、全部で31項目のグラフとともに詳しい分析が掲載されています。
『AI白書2026』について
『AI白書』は、角川アスキー総合研究所が発行する、国内で唯一AIに特化した白書です。企業の意思決定を助けるAI情報プラットフォームとして、東京大学 松尾・岩澤研究室をはじめとする専門家や業界関係者の協力を得て、AIの技術動向、法律、倫理的な問題、企業での活用方法までを体系的にまとめた信頼できる情報源です。

『AI白書2026』は2026年8月20日に発売予定です。詳細については、以下のKADOKAWAの商品ページをご覧ください。

また、『AI白書』は単なる年刊書にとどまらず、書籍、レポート、セミナー、ニュースレターを通じて、企業の意思決定を支える情報基盤へと発展していく予定です。2026年8月20日には、『AI白書』デジタル・サブスクのサービス開始も予定されており、詳細は同日に発表されるプレスリリースおよび公式サイトで案内されます。
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