建築・リフォーム業のAI活用最前線 LIFEFUNDとSpeeeが実務でのAI導入事例を公開
建築・リフォーム業のAI活用最前線 LIFEFUNDとSpeeeが実務でのAI導入事例を公開

近年、中古住宅の流通が拡大しており、既存住宅の流通シェアはこの10年で30.8%から40.4%へ上昇しています(国土交通省調べ)。特に首都圏では、中古マンションの成約数が新築供給を上回る状況です(東日本不動産流通機構〈レインズ〉/不動産経済研究所調べ)。これに伴い、中古住宅取得後のリフォームや塗装の需要も堅調に推移し、住宅リフォーム市場は2025年には約7.5兆円規模にまで拡大しました(矢野経済研究所調べ)。
一方で、新設住宅着工数は70万戸台まで縮小しており(国土交通省「住宅着工統計」調べ)、住宅市場は「新築(フロー)」から「ストック(中古・リフォーム)」へと構造が変化しています。この変化は、塗装・リフォーム・中古再販を手掛ける事業者にとって追い風となりますが、深刻な人手不足の中で「限られた人員でいかに多くの受注をこなし、利益を確保するか」が事業成長の重要な課題となっています。
このような状況に対応するため、株式会社LIFEFUND(静岡県浜松市、代表取締役:白都卓磨)は、リフォーム産業のDXを推進する株式会社Speee(東京都)と共同で、2026年7月6日(月)にオンラインセミナー「建築・リフォーム業の『実務×AI』最前線」をZoomウェビナー形式で開催しました。
登壇者紹介
セミナーでは、Speeeの箕輪憲太氏と、全社員がAIを日常業務で活用する工務店LIFEFUND代表の白都卓磨氏が登壇し、サービス提供者と現場利用者の両方の視点からパネルディスカッションを行いました。セミナーには94名が申し込み、終了後のアンケートには41件の回答が寄せられました。
白都 卓磨(株式会社LIFEFUND 代表取締役)

静岡県浜松市を拠点に、注文住宅(ARRCH/PG HOUSE)、不動産、相続、AI教育事業を展開しています。83名の全社員がAIを日常業務で活用する現役の工務店経営者であり、全国の建築会社経営者が集まる「建築AI経営研究会」を主宰しています。「今この瞬間も現場で使っている」という実務者の視点から解説を行いました。
箕輪 憲太(株式会社Speee DX事業本部 ヌリカエ事業部 営業部長)

2007年創業で従業員約700名の上場企業であるSpeeeにて、外装リフォームのマッチングサイト「ヌリカエ」をはじめとするリフォーム産業のDXを推進しています。AIを組み込んだ業務支援SaaS「Budii(バディ)」など、現場の集客・業務効率化を担う立場から登壇しました。
対談ハイライト
テーマ①:単一業務の効率化には限界がある——「ワークフロー全体」をAI化する

セミナーでは、見積書や提案書といった単一の業務だけを効率化しても、「作業が10分速くなる」程度にとどまり、現場に定着しにくい点が指摘されました。両氏が特に強調したのは、業務と業務の「つなぎ目」を自動化するという考え方です。
白都氏は、「写真を撮ったら現場調査報告書ができ、そのまま見積書になり、顧客情報やカレンダーと連携する——この一連の流れがつながった瞬間から、社員が『もう手放せない』という空気に変わった」と述べました。また、業務フローが不明確な会社でも、ベテラン社員の作業を録音したりインタビューしたりすることで「15分ほどで業務フローが可視化できる」という再現可能な手順も紹介されました。
テーマ②:SaaSはなくなるのか——基幹システムとAIは「置き換え」ではなく「共存」

「SaaSはなくなるのか」という問いに対し、両氏の見解は一致し、「“死ぬSaaS”と“伸びるSaaS”に分かれる」というものでした。図面、工程、原価、発注までを管理する基幹システムをAIで自作することは現実的ではありません。むしろ、基幹システムに蓄積されたデータをAIに読み込ませ、原価や粗利の異常を見える化して経営判断に活用するといった役割分担が実演されました。
白都氏は、「作るか買うか、という問い自体がセンスがない。本質は、AIを自社の業務フローにどう組み込むか。生産性が1.5〜2倍ではなく、10倍・100倍になる世界に、経営者が本気で取り組めるかどうかが重要だ」と語りました。
テーマ③:AIは「IQ130の新入社員」——「育てる」前提で会社固有情報を蓄積する

セミナーで特に反響を呼んだのが、AIの捉え方に関する比喩です。
白都氏は、「AIはIQ130の新入社員である。優秀ではあるが、入社直後は会社のことを何も知らない。だから新人教育と同じで、業務フロー、原価、標準工程、資料の場所といった“会社固有の情報(コンテキスト)”を教え、蓄積し続ける必要がある。これができていないと、ウェブの情報をまとめるだけの『実務で使えないAI』で終わってしまう」と説明しました。
LIFEFUNDでは、ツールを配布しただけでは1ヶ月で誰も使わなくなった失敗を経験した後、約半年で全社員がAIエージェントを使う状態に到達しました。その転換点は、「AIに役割を与え、社内のドライブ、カレンダー、議事録、録音にAIがアクセスできる環境を整えたこと」だったと語られました。
白都氏コメント

株式会社LIFEFUND代表取締役の白都卓磨氏は、「AIを使わないという選択は、緩やかな倒産を選ぶのとほぼ同じだと考えている。周囲の競合がAIエージェントを使い、短時間で質の高い提案を出し始めたとき、自社が顧客に選ばれ続けられるか——そこに経営者には真剣に向き合ってほしい」とコメントしました。
LIFEFUNDが運営する関連プログラム
LIFEFUNDでは、本セミナーで共有されたAI活用ノウハウを実際に自社の現場へ導入するための学習プログラムを運営しています。
建築AI経営研究会

「建築AI経営研究会」は、建築・住宅業界の経営者を対象に、AIを「道具」ではなく「経営の武器」として活用するための実践的な知識を共有する経営者限定のコミュニティです。「建築経営にどのようにAIを浸透させるか」をテーマに、隔月で研究会が開催されています。
次回開催案内
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開催日: 2026年8月3日(月)13:00〜17:30
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テーマ: AI×社内浸透——「使わせる」から「使いたくなる」へ
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対象: 建築・住宅業界の経営者(工務店・リフォーム会社・設計事務所・建材メーカー等)
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会場: 東京駅前会場(オフライン)/オンライン配信あり
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登壇: 白都卓磨氏(株式会社LIFEFUND 代表)、山口博城氏(株式会社アスムコーポレーション 代表取締役社長)
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参加費: 初回参加無料
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定員: 会場先着80名限定
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懇親会: 18:00〜(実費6,000円程度)
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内容:
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基調講演(白都氏):AI社内浸透の仕組みと実装のリアル
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ゲスト講演(遠藤氏):社内浸透のリアルストーリー
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パネルディスカッション:会場の課題を起点とした解決策
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ワークショップ:自社の最初の施策を設計する
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参加者交流会も予定
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会社紹介
株式会社LIFEFUND
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会社名: 株式会社LIFEFUND
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代表者: 代表取締役 白都卓磨
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設立: 2000年(2023年に現社名へ変更)
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所在地: 静岡県浜松市中央区鴨江三丁目70番23号
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売上高: 27.1億円(2025年実績)
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社員数: 83名(2026年7月25日現在)
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事業内容: 注文住宅(ARRCH、PG HOUSE)、不動産、相続コンサルティング、AI教育事業ほか


