Nextorageが「aiDAPTIV™ Station(仮称)」を開発 – つないですぐ使えるオンプレミス生成AIで企業のDXを推進

Nextorage株式会社は、企業が自社の環境で生成AIをより効率的に使えるようにするため、外付けAIアクセラレーター兼高速ストレージ「aiDAPTIV™ Station(仮称)」の開発を進めていることを発表しました。この製品は、購入してすぐにAIを活用できる「AI標準パッケージ」の搭載を目指しており、企業のデジタル変革(DX)を後押しすることが期待されています。

aiDAPTIV™ Stationのイメージ

「aiDAPTIV™ Station(仮称)」とは

「aiDAPTIV™ Station(仮称)」は、企業のコンピューター環境(オンプレミス環境)で生成AIの性能を大きく向上させることを目指して開発されています。たとえば、32GBのDRAMを搭載したAIノートPCと組み合わせることで、GPT-OSS-120Bのようなとても大きなAIモデルを動かせるようになることを目標としています。

また、たくさんの情報を一時的に保存できる「KVキャッシュ」という仕組みを複数使うことで、特定の専門知識に基づいたAIの判断を非常に速くすることを目指しています。これにより、大切なデータをクラウドに送ることなく、また、AIの利用にかかる費用(トークンコスト)を気にせずに、高性能な生成AIモデルを自社の環境で使えるようになります。

「AI標準パッケージ」でAI活用を簡単に

Nextorageは、ハードウェアだけでなく、大規模言語モデル(LLM)を動かすためのプログラムや、業務に合わせたサンプルデータ、知識を作るツール、チャットボットなどを一つにまとめた「AI標準パッケージ」の搭載に向けて開発を進めています。このパッケージにより、お客様は製品を買って電源を入れるだけで、すぐに業務に役立つAI機能を試せるようになることを目指しています。

想定されている利用シーンとしては、会社の中のルールを調べたり、法律や裁判の例を調べたりするサポート、工場の設備のメンテナンス支援、セキュリティ上の問題が起きたときの初期対応支援、役所の手続き案内、営業や技術的な提案の支援などがあります。これにより、企業はAIを使うための複雑な準備作業をすることなく、すぐにAIの恩恵を受けられるようになるでしょう。

開発の背景にある企業の課題

近年、生成AIへの関心は高まっていますが、実際に企業が業務で使い始めるには、コンピューターの準備だけでなく、AIモデルを選んだり設定したり、社内のデータを整えたり、情報を検索する環境を作ったりと、多くの準備が必要です。

また、AIの利用にかかる費用を抑えたい、特定の会社の製品に縛られたくない、そして大切な会社のデータを安全に扱いたいという理由から、自社の環境で高性能なAIを使いたいというニーズが高まっています。Nextorageが「aiDAPTIV™」という技術を日本で展開する中で、「ハードウェアを入れた後、何をどう使えばいいか分からない」「AIモデルやデータの準備が大変」といったお客様やパートナー企業の意見が多く寄せられました。

これらの課題に応えるため、「aiDAPTIV™ Station(仮称)」は、単なる外付けのAI機器ではなく、業務に合わせたAI機能をあらかじめ組み込んだ「オンプレミス生成AIアプライアンス」として提供されることを目指しています。

製品の主な特徴

  • 購入後すぐに使えるAI標準パッケージを搭載: 日本語に対応したオープンソースのLLMや、用途に合わせた公開データ、サンプルデータ、質問例、情報の出典を表示する機能、操作画面などを組み合わせることで、具体的な業務でAIをすぐに試せるように開発が進められています。

  • 顧客固有データを追加し、個別の業務に適応: 標準機能を使った後には、社内規程、契約書、技術文書、マニュアル、過去の事例など、お客様が持っている文書を整理して、自社専用のAIが参照できるような仕組みを導入することが検討されています。これにより、AIの回答の正確さと速さの両立を目指します。

  • 既存環境に追加しやすい外付け構成: Phison Electronics社のローカルAI技術「aiDAPTIV™」を活用し、今あるパソコンやワークステーションにUSB-Cポートで簡単に接続できる外付けの形で提供される予定です。WindowsやUbuntuといったOSに対応する予定で、大きなAIサーバーを新しく設置することなく、手軽にオンプレミス生成AIの環境を追加できることを目指しています。

  • 持ち運びやすい軽量・小型設計: オフィスや研究室、展示会場など、さまざまな場所での設置や移動を考えて、本体を軽く小さくする開発が進められています。これにより、必要な場所に持ち運びやすく、限られたスペースにも置きやすいデザインを目指しています。

利用が期待される場面(ユースケース)

AI標準パッケージで利用が期待される具体的な場面は以下の通りです。これらはまだ検討段階であり、今後、協力企業や想定ユーザーとの話し合いを通じて内容が確定する予定です。

  • 社内規程・法務調査支援: 就業規則や経費規程、申請手順などを調べたり、法律、公開されている裁判の例、自社の契約書などから論点を整理したりするのを助け、その根拠となる文書を示すパッケージです。

  • 製造・セキュリティ・行政業務支援: 設備の取扱説明書や故障の履歴を使った保守支援、社内の手順に基づいたセキュリティ問題発生時の初期対応支援、条例や申請手順に基づいた役所内の案内など、外部に持ち出しにくい情報を自社の環境で活用するパッケージです。

  • 営業・技術提案支援: 製品の仕様、これまでの提案書、よくある質問、価格や構成情報などをもとに、お客様の要望を整理したり、おすすめの構成を提案したり、提案書の最初の原稿を作ったりするのを助け、社内専用のセールスエンジニアのように機能するパッケージです。

今後の展開

Nextorageは、2026年末の国内での正式発売に向けて、ハードウェアの具体的な仕様を決めることと並行して、搭載するAI標準パッケージの内容を選んでいます。また、オープンソースのLLMの利用条件、含まれるデータの著作権や更新方法、使いやすさ、回答の正確さ、お客様独自のデータを追加する方法などを検証していきます。AI標準パッケージの内容や詳しい仕様、予定価格については、今年の秋以降、順次発表される予定です。

Nextorageは、協力関係にあるPhison Electronics社や国内のパートナー企業と協力し、単にハードウェアを提供するだけでなく、AIモデル、データ、アプリケーションを一体化させた「購入後すぐに使えるオンプレミスAI」の実現を目指します。さらに、お客様独自のデータを整えることから、より正確な回答を生成する仕組み(RAG/CAG)の構築、AIモデルの最適化、ファインチューニング(AIの調整)、そして運用設計までをサポートし、企業が生成AIを使って具体的な業務の成果を出せる環境を整えていく方針です。

「aiDAPTIV™」は、Phison Electronics社独自の技術で、オンプレミス環境で生成AIを使う際に、コンピューターのグラフィックボードのメモリ(VRAM)が足りなくなる問題を、システムのメモリやSSDで補うものです。Nextorage株式会社は、2025年5月1日から、この技術を使った概念実証(PoC)と製品の取り扱いを始めています。

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