屋内インフラ点検が「完全自動化」へ進化、ドローン「ELIOS 3」に新機能搭載
屋内インフラ点検が「完全自動化」へ進化、ドローン「ELIOS 3」に新機能搭載
ブルーイノベーション株式会社は、屋内点検用ドローン「ELIOS 3(エリオス スリー)」に、点検業務の完全自動化を可能にする「リピートフライト機能」とクラウド連携機能の提供を開始しました。
近年、老朽化が進む発電所や下水道、各種プラント設備では、点検のより高度な実施と、点検作業を行う人の負担を減らすことが大きな課題となっています。これまでも「ELIOS 3」は、その安定した飛行性能と操作性で多くの企業に導入されてきました。しかし、設備の変化を継続的に確認する定期点検では、毎回同じ条件で点検を行う「定点観測」の正確さが求められており、より効率的で、操縦者の技術に頼らない標準化された運用が望まれていました。
今回の機能追加により、「ELIOS 3」は完全自動で定期点検を行えるようになります。これにより、ドローンの操縦経験が少ない現場の担当者でも、ボタン一つで点検を実施できるようになります。誰でも同じ条件で「定点観測」ができるようになるため、点検作業の実質的な自動化と省人化が実現します。
新技術が加速するDX
この新しい技術は、以下の分野でのデジタル変革(DX)を加速させることが期待されます。
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下水道点検DX:閉鎖された空間での点検を無人で行い、安全性を高めます。
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プラント点検DX:定期点検を自動化し、点検データを効率的に蓄積します。
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インフラ保全DX:設備が長期間にわたって劣化していく様子を監視し、故障する前に対応する「予防保全」に役立てます。
なお、これらの新機能の活用イメージは、2026年6月3日から幕張メッセで開催される「Japan Drone 2026」で紹介される予定です。

背景と課題:手動操縦の難しさと「定点観測」の限界
発電所や下水道などのインフラ設備は老朽化が進んでおり、ドローンを使った内部点検の必要性が高まっています。しかし、GPSが届かない屋内や狭くて暗い場所でのドローン操縦は非常に難しく、ドローンを操縦できる専門家を育てたり確保したりすることが難しいという問題がありました。
さらに、設備の劣化具合を正確に把握する定期点検では、前回と全く同じ場所、同じ角度で撮影することが非常に重要です。しかし、手動での操縦では、毎回完全に同じ条件で撮影することは難しく、小さなサビやひび割れなどのわずかな変化を正確に比較することが困難でした。
これらの課題は、国のインフラを強くし、長く使えるようにするための計画でも重要視されており、点検の高度化と人手不足の解消は国全体で取り組むべき課題となっています。
本アップデートによる3つの解決策
1. 点検品質を標準化する「リピートフライト機能」

この機能は、ただ自動で飛行するだけでなく、「点検の品質を一定にする」ことを実現する技術です。
最初に手動で飛行して記録した点検ルートを記憶し、次回からはそのルートを自動で飛行します。飛行ルートだけでなく、飛行速度やカメラの向き、撮影範囲、明るさの設定、ライトの向きや強さなども記録されるため、毎回同じ条件で設備を点検することが可能になります。この「完全に同じ条件での再現」により、サビやひび割れなどの時間の経過による劣化の「違いを見つける精度」が向上し、より正確な予防保全につながります。
また、自動飛行中に障害物を検知した場合はそれを避ける機能や、必要に応じていつでも手動操縦に切り替えられる機能も備わっており、安全性にも配慮されています。
最初のルート設定を専門のパイロットが行えば、2回目以降はドローンの操縦経験が少ない現場の担当者でも、ボタン一つで同じ条件のデータを取得できます。これにより、「特定の人にしかできなかった作業」が「誰が実施しても同じ品質の点検」へと変わり、点検業務が特定の人に依存する状況を根本からなくします。
2. 直感的に異常を把握できる「カラー点群化機能」

「ELIOS 3」に搭載されているビジョンセンサーやLiDAR(ライダー)という3Dマッピング用のセンサーが取得した点群データに、カメラで撮影した映像の色情報を加えることで、カラーの点群データとして表示します。これにより、これまでの点群データでは分かりにくかった設備の腐食や汚れなどを、目で見て簡単に把握できるようになり、点検結果の分析や報告書の作成が効率的になります。
3. データを組織で共有・活用する「Inspector Online」

「ELIOS 3」で取得した点検データを、クラウド上でまとめて管理できる「Inspector Online」に対応しました。現場で取得したデータをチーム内や遠く離れた拠点とすぐに共有できるようになり、点検データを「蓄積・比較・意思決定」に活用する基盤を提供します。これにより、点検業務が単なる「記録作業」から「経営判断に役立つデータ」へと進化します。
ELIOS 3について

ELIOS 3は、スイスのFlyability(フライアビリティ)社が開発した、GPSが使えない屋内空間などでも優れた飛行特性を持つ屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種です。世界で初めて3Dマッピング用のLiDARセンサーを搭載しており、点検対象の施設情報をリアルタイムで3Dデータ化し、ドローンの正確な位置を特定できます。
また、最新のSLAM技術(自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術)により、操作性と安定性が大きく向上し、操縦者の負担を減らし、飛行時間を短縮することに成功しています。ブルーイノベーションは2018年にFlyability社と日本での独占販売契約を結び、ELIOSシリーズを使った屋内点検ソリューションを提供してきました。2025年現在、日本ではプラントや発電所、下水道などを中心に400ヶ所以上の現場でELIOSシリーズが導入されており、屋内点検のデジタル変革ソリューションの先駆者として業界をリードしています。
安全上の注意
リピートフライト機能による自動飛行は、手動飛行中にLiDARで記録された周囲の3Dマップを元に飛行します。そのため、手動飛行時にはなかったガラスなどの透明な物体や、細いワイヤーのようなLiDARで検知しにくい障害物が飛行ルート上にある場合、ドローンがそれらにぶつかる可能性があります。
ELIOS 3は、障害物にぶつかった際にも姿勢を保ち、回避しようとするなど安全性に配慮した設計がされていますが、自動飛行中であっても操縦者は常に飛行状況を監視し、安全を確認しながら運用する必要があります。
会社概要
ブルーイノベーション株式会社
1999年6月に設立されたブルーイノベーション株式会社(東京都文京区|東証 5597)は、独自の統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(BEP)」を基盤に、ドローンやロボットを活用した点検、防災、教育、物流などの分野でソリューションを開発・提供しています。老朽化するインフラの維持管理や災害対応、人手不足への対応など、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。
ウェブサイト: https://www.blue-i.co.jp/
Flyability SA
スイスのローザンヌに本社を置くFlyability SAは、危険な作業を人間が行う必要性をなくすことに注力しているドローンメーカーです。同社の高度なドローンとソフトウェアソリューションは、石油・ガス、海運、化学、セメント、鉱業、上下水道、原子力など、さまざまな業界で、より安全で迅速、そして費用効果の高い点検を可能にしています。中国、シンガポール、米国にもオフィスを構えています。
ウェブサイト: https://www.flyability.com/ja/


