DX wpmaster 2025年12月23日 0 コメント

「空のOS」でドローンを社会インフラに株式会社Micro Drone Japanが設立

株式会社Micro Drone Japanが「空のOS」でドローンを社会インフラへ

2025年11月、Team Energyグループは、マイクロドローンおよびセキュリティドローン分野の研究開発と社会への導入を進める新会社、株式会社Micro Drone Japanを設立しました。代表取締役には中村誠司氏、取締役には金田隼人氏が就任しています。

Micro Drone Japanは、「安心安全と持続可能性を自らの手でつくる」という使命を掲げ、研究開発（R&D）、DaaS（Drone as a Service）、そして政府や民間からの需要に応える三位一体の事業モデルで活動を進めます。まずは、ドローンの専門家を育て、侵入被害を防ぐためのドローンを社会に広めることから始めます。

設立の背景と目指すもの

Micro Drone Japanの設立は、海外製品に頼りがちなドローン分野において、日本独自の信頼性の高いマイクロドローンと、ドローンを検知・特定・無力化する技術を組み合わせた「空のセキュリティ基盤」を作ることを目的としています。これにより、国の安全と産業の競争力を高めることを目指しています。

また、人手不足や夜間、危険な場所での作業、広い範囲の監視など、人が対応しにくい状況をドローンが自律的に補うことで、人々の安全を守り、現場の負担を減らすことを同時に実現します。

国や公的な研究機関、大学、自治体、企業と協力し、実証実験から実用化、そして大量生産へとつなげる計画が立てられています。千葉科学大学の飯田涼太氏をはじめとする専門家がこのプロジェクトに参加する予定です。今後は、千葉県銚子市との包括連携協定のもと、大学、自治体、民間企業が協力して研究と社会への導入を進めていくことになります。

事業内容

Micro Drone Japanは、以下の事業を展開します。

世界ドローン研究所・商社
世界中のドローンを調査し、日本のソフトウェア技術と組み合わせて国内に展開します。ドローン専門の商社としての役割を確立することを目指します。
研究開発（R&D）
マイクロドローンの機体、電源、通信、厳しい環境での耐久性、AIによる画像解析、複数のドローンを同時に制御する技術、自律飛行、そしてマイクロ波などを用いた無力化技術を組み合わせた研究を行います。夜間や山間部、有害な環境での安定した運用を重視しています。
DaaS（Drone as a Service）
ドローンの機体、ソフトウェア、そして運用（標準的な操作手順、教育、保守）までを一貫して提供します。クラウドサービス型の管理・可視化プラットフォームも組み合わせることで、導入の初期段階から安定した運用を可能にします。
官需・民需の社会実装
防衛、治安維持、防災、重要な社会インフラの管理、農林水産業など、幅広い分野に対応します。自治体、省庁、企業での実証実験から段階的な導入、そして他の地域や分野への展開を支援します。

特に、以下のテーマに力を入れています。

害獣被害対策ドローン
山林エリアからの害獣の侵入を検知し、追跡、追い払うことを主な目的とします。
侵入被害対策ドローン
民家への侵入に対するセキュリティ対策を主な目的とします。

人材育成と今後の展望

Micro Drone Japanは、ドローン技術者の育成にも力を入れています。AIと自律飛行、防災、害獣対策といった実践的な課題をテーマにした3人制ドローン大会の開催を予定しており、高等専門学校や理工系の学生を対象に、技術人材の発掘と育成を目指します。優秀な学生には、ライセンス講習費の補助や採用の機会を提供する予定で、産学官の専門家によるメンター制度や審査体制の整備を進めています。

ロードマップとしては、2025年の設立と初期の実証実験開始、2026年の政府・民間での社会導入拡大、そして2027年以降には国内外での共同研究・開発の拡大、国産ソリューションの標準化と輸出を視野に入れています。

代表取締役の中村誠司氏は、「ドローン産業は今、大きな転換期を迎えています。私たちは、世界中の優れたドローンに独自のAI技術という『脳』を与え、法律や保険といった『社会性』を組み込むことで、ドローンを単なる機械から『空の社会インフラ』へと進化させるDaaSプラットフォームの構築と社会への導入を目指します」と語っています。