株式会社Leach、中小企業DXを再定義する「AI業務OS」構想を発表 ── 6業種特化型プラットフォームを開発

株式会社Leachは、中小企業の業務プロセスを業種ごとに根本から変える「AI業務OS」構想を発表しました。

AI業務OS構想

この構想のもと、第一弾として製造業、食イベント運営、資材リース、転職エージェント、中小運送、産廃業の6業種に特化したSaaSプロダクト群を開発しており、順次提供を開始する予定です。また、業種を問わず使えるAIツール「突合.com」と「Saturn」も提供しています。

なぜ今、業種特化AIなのか

経済産業省の調査によると、日本の中小企業におけるDXの進み具合はまだ低い水準です。クラウド会計やチャットツールは導入されたものの、受発注処理や請求照合、配車計画、行政対応といった業務の重要な部分は、昔ながらの方法が根強く残っています。

Leachが40社以上の中小企業を支援してきた経験から見えてきたのは、「汎用的なSaaSでは、業種ごとの業務の流れに対応できない」という問題です。

例えば、製造業ではFAXで届く注文書を人の手でシステムに入力したり、運送会社では電話やホワイトボードで配車を決めたりすることが少なくありません。産廃業者では紙のマニフェスト管理に多くの時間を費やしています。転職エージェントも、候補者への提案文を一つずつ手作業で作成していることがあります。

これらの課題に対し、汎用的なプロジェクト管理ツールや顧客管理システムを導入しても、業務が楽にならないことがあります。それぞれの業種には、独特の言葉遣い、商売の慣習、法律、書類の形式があり、汎用ツールでは対応しきれない「違い」があるためです。

縦型SaaS×AIという解決策

Leachが提案する「AI業務OS」は、この「違い」を埋めるために作られた仕組みです。

縦型SaaS×AIという解

業種ごとの業務プロセスを深く理解したAIを中心に据え、その業種に必要な機能をまとめて提供します。汎用的なAIアシスタントのように「何でもできるが、どれも深くはない」のではなく、特定の業種に詳しい専門AIが、注文から請求までの一連の業務を処理することを目指しています。

汎用SaaSが「機能」を提供するのに対し、AI業務OSが提供するのは「業務プロセスそのもの」です。導入する企業は、個別の機能をどう組み合わせるか悩む必要がなく、自社の業種に合ったOSを選ぶだけで、主な業務がAIによって自動化・最適化される世界を目指します。

中小企業にとって「使いやすいシステム」とは、導入後すぐに業務に組み込めるものです。設定や運用に専門のIT担当者を置く余裕はほとんどありません。業種固有の知識をあらかじめ持ったAIだからこそ、自社の業種に合ったOSを選べば、すぐに現場で使えるようになります。AI業務OSは、このような「導入にかかる手間がほとんどない業務改革」を目指しています。

AI業務OS──7つのプロダクト

Leachが開発を進めるAI業務OSは、以下の7つのプロダクトで構成されています。それぞれのプロダクトは単独で利用できますが、共通のAI技術と設計の考え方を共有しています。

AI業務OS 7プロダクト全容

1. FactoryOS:少量多品種製造業向けAI業務OS

FactoryOS

FactoryOSは、FAXやPDFで届く注文書をAI(OCR)で自動的に読み取り、製品の品番、数量、納期などの情報をデータとして取り込みます。そこから生産の進捗管理、在庫の確保、出荷の指示までを一連の流れでつなぎます。さらに、AI図面検索機能により、過去の図面や仕様書を瞬時に見つけることができます。これにより、1日あたり約3時間かかっていた手入力作業をなくすことを目指します。

製品ページ: https://factoryos.leach.co.jp

2. FestOS:食のイベント・フェス運営向けAI業務OS

FestOS

FestOSは、保健所向けの書類を自動で作成・確認する機能を主な中心とし、出店者との連絡管理や、決済データの自動照合を一つにまとめたプラットフォームです。イベント運営にかかる手間を70%削減することを目指します。特に、保健所書類の自動処理機能に力を入れており、最新の法律情報をAIが確認し、書類の不備を事前に見つけることで、トラブルを未然に防ぎます。

製品ページ: https://festos.leach.co.jp

3. BuildOS:資材リース業向けAI業務OS

BuildOS

BuildOSは、資材の入庫から請求の照合までを一貫して管理するシステムです。バーコードやQRコードを使った資材の追跡、リース期間の自動計算、現場ごと・品目ごとの請求書自動作成など、資材リース業特有の業務をAIが支援します。これにより、これまで月末に3日間かかっていた請求照合業務を数時間で終えることができるようになります。

製品ページ: https://buildos.leach.co.jp

4. RecruitOS:転職エージェント向けAI業務OS

RecruitOS

RecruitOSは、AIマッチングエンジンを主な中心とし、LINE連携、選考状況の一元管理、提案文の自動作成を一つにまとめたプラットフォームです。提案文の作成にかかる手間を80%削減することを目指します。求職者の職務経歴や希望条件と、求人企業の条件をAIが比較し、マッチ度の高い組み合わせを提示します。さらに、その情報をもとに、求職者へ送る提案文の草稿をAIが自動で作成します。

製品ページ: https://recruitos.leach.co.jp

5. LogiOS:中小運送会社向けAI業務OS

LogiOS

LogiOSは、中小運送会社が導入しやすい価格で、受注管理、AI配車、自動請求、労務管理をまとめて提供するプラットフォームです。2024年問題への法律対応と配車業務の効率化を同時に実現することを目指します。AI配車機能は、配送先の地理情報、車両の積載量、ドライバーの働ける時間をもとに、最適な配車計画を自動で作成します。労働時間の上限チェックも組み込まれているため、法律違反のリスクを避けながら効率的な配車が可能です。

製品ページ: https://logios.leach.co.jp

6. WasteOS:産廃業者向けAI業務OS

WasteOS

WasteOSは、マニフェストの期限管理を自動化し、AI配車、計量器との連携、請求書の自動作成を一つのプラットフォームで実現するシステムです。マニフェスト管理の自動化と請求業務の大幅な省力化を目指します。電子マニフェスト(JWNET)との連携に加え、紙マニフェストのAI(OCR)読み取りにも対応。すべてのマニフェストの期限状況を一覧で管理し、期限が近づくと自動で知らせる仕組みがあります。

製品ページ: https://wasteos.leach.co.jp

7. LeachOS:社長・営業・マーケティング担当向けAI業務OS

LeachOSと業種横断AIツール

LeachOSの主な機能は3つです。一つ目は日報の自動作成。カレンダーやチャットの活動記録から、その日の業務内容を自動でまとめて日報として出力します。二つ目はX(旧Twitter)投稿の草稿自動作成。業界のトレンドや自社の動きをもとに、投稿案を作ります。三つ目は営業メールの自動作成。送る相手の企業情報や過去のやり取りを参考に、その相手に合わせた営業メールの草稿を作成する機能です。

製品ページ: https://leachos.leach.co.jp

業種横断AIツール

AI業務OSの構想と同時に、Leachは業種を問わず利用できるAIツールも提供しています。

突合.com:書類突合AI

突合.com 書類突合AI

「突合.com」は、異なる形式の書類同士を比較し、違いを自動で見つけるAIツールです。請求書と発注書の照合、契約書のバージョン比較、納品書と検収書のチェックなど、あらゆる書類の確認作業に対応します。人の目では見逃しがちな違いもAIが高精度で見つけ出し、確認漏れのリスクを減らし、業務時間を短縮します。

製品ページ: https://突合.com

Saturn:COREC→freee自動連携AI

Saturn COREC → freee自動連携AI

「Saturn」は、受発注管理サービス「COREC」のデータを会計ソフト「freee」に自動で連携するAIツールです。CORECで受けた注文データをfreeeの請求書や売上仕訳として自動的に反映させることで、二重入力の手間をなくします。これにより、バックオフィス業務の効率化に貢献し、月ごとの締め作業を大幅に短縮できます。

製品ページ: https://saturn.leach.co.jp

Leachが考える「中小企業DX」の本質

現場が求めているのは「ツール」ではなく「仕組みの置き換え」

現場が求めているのは『ツール』ではなく『仕組みの置き換え』

Leachがこの構想に至った背景には、多くの中小企業を支援する中で何度も直面した共通の問題があります。それは、「良いツールを導入しても、業務は変わらない」という現実です。多くの企業はすでに何らかのクラウドサービスを使っていますが、その企業の中心的な業務は依然としてアナログなままということが多いのが実情です。

この理由ははっきりしています。汎用ツールは「業種固有の業務の流れ」を持っていないからです。例えば、製造業のFAX注文書の形式は会社ごとに異なり、それを読み取るには業界の知識が必要です。運送業の配車計画には、車両の種類やドライバーの資格、荷物の特性、法律上の制限など、複雑な要素が絡みます。これらを汎用的なツールで自動化しようとすると、結局は多くのカスタマイズが必要となり、開発や維持の費用がかさみます。中小企業には、そのための余裕がほとんどありません。

「業種の言語」を理解するAI

『業種の言語』を理解するAI

AI業務OSの考え方の基本にあるのは、「業種ごとの言葉を理解するAIを作る」というものです。ここでいう「言葉」とは、単に自然な言葉を処理するだけでなく、その業種で使われる専門用語、暗黙のルール、商売の慣習、法律といった広い意味を含んでいます。

製造業であれば、「C面取り」「Ra1.6」「SKD11」といった図面上の記号や材料の表記を正しく理解する必要があります。運送業では、「才数」「パレット積み」「中継輸送」といった物流独特の概念を理解しなければ、正確な配車はできません。産廃業は「特管物」「WDS」「最終処分場の残余容量」など、法律と深く関係する専門用語が飛び交う業界です。

汎用的なAIモデルにこれらの処理をそのまま任せても、正確な結果は出ません。Leachは各業種の実務データを学習に使い、業種固有の状況を理解したAIモデルを作ることで、実際に使えるレベルの精度を実現しています。

一社完結ではなく、業種エコシステムとしてのOS

一社完結ではなく、業種エコシステムとしてのOS

AI業務OSの構想は、個々の会社の業務を効率化するだけにとどまりません。将来的には、同じ業種内の企業同士がOS上でつながる「業種エコシステム」を作っていくことを目指しています。

例えば、LogiOSの場合、複数の中小運送会社がプラットフォーム上でつながることで、荷物の融通や共同配送がより簡単になる可能性があります。WasteOSでは、廃棄物を出す事業者と、それを集めて運ぶ業者、そして処理する業者の三者間のマニフェストのやり取りがOS上で完結すれば、業界全体のペーパーレス化が進むでしょう。

Leachは、まず各社の業務効率化という目に見える価値を提供しながら、長い目で見れば業種ごとの業務基盤へと発展させていく方針です。

今後の展開

今後の展開

Leachは、AI業務OS構想のもと、以下の計画で事業を進めていきます。

  • 2025年〜2026年前半: 7つのプロダクトを順次提供開始し、先行して導入する企業とともに、プロダクトの精度と使いやすさを高めます。

  • 2026年後半〜2027年: 各プロダクトの機能をさらに充実させ、業種内の企業同士が連携する機能の開発に取りかかります。業種横断AIツールで得た技術を、各OSプロダクトに活用していく予定です。

  • 中長期: AI業務OSの対象となる業種を段階的に増やしていきます。これまでに得たAIの学習データと業種エコシステムを土台に、新しい業種向けのOSを提供していく計画です。

Leachはこれからも、「中小企業の業務を、業種ごとに丸ごと新しくする」という目標のもと、プロダクト開発とお客様の支援に力を入れてまいります。

会社概要

項目 内容
会社名 株式会社Leach
代表取締役 冨永拓也
設立 2024年11月
事業内容 業種特化型AI業務OSの開発・提供、AI業務自動化ツールの開発・提供
URL https://leach.co.jp

主要プロダクト一覧

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