国土交通省「AB-Crossプロジェクト」に採択、下水道管路点検の「No Entry」実現へドローンとAIを活用

株式会社Liberaware、管清工業株式会社、株式会社日水コン、アキュイティー株式会社、千葉市は、国土交通省が実施する令和8年度「上下水道一体革新的技術実証事業(AB-Cross)」において、共同提案した「No Entry実現に向けた概略点検・詳細点検併用型ドローン×AI実証事業」が採択されたことを公表しました。
No Entry実現に向けた実証事業
本実証事業の目的は、人が下水道管路内に立ち入らずに点検・調査を行う「No Entry」を実現することです。下水道管路の狭い空間や高水位の環境に対応できるドローン「IBIS2」を使い、高精細な映像とAI解析技術を組み合わせることで、これまで難しかった劣化状況の定量的かつ効率的な把握を目指します。
さらに、ドローンの航続距離を伸ばし、厳しい環境にも対応できるようにすることで、長い管路や調査が困難だった場所への適用を広げます。これにより、下水道管路の維持管理をより高度にし、安全で持続可能な点検体制を築くことに貢献します。
提案技術の概要
背景と目的
飛行式ドローンは、下水道管路の点検において、調査が難しい場所への適用や安全性の向上に役立つ技術として注目されています。しかし、現在のドローン点検は主に映像による状態把握にとどまり、ひび割れの幅や劣化の進行度を数値で評価する「定量診断」や、異常箇所の正確な位置特定にはまだ課題が残されていました。
本実証事業では、屋内点検用ドローン「IBIS2」とAI技術を基盤として、ひび割れの幅を測る機能や、ドローン自身の位置を正確に推定する機能を高めます。これにより、調査が困難な場所への適用範囲を広げ、診断の精度を向上させることで、下水道管路点検の無人化・省力化、そして標準的な技術とすることを目指します。
主な技術的特徴
-
No Entryを実現する飛行型ドローン
-
狭い空間や高水位の環境でも安定して飛行できます。
-
最大1,000m級の長い管路にも対応します。
-
防水性能や厳しい環境への耐久性が強化されています。
-
幅2mmの微細なひび割れも定量的に計測できます。
-
自己位置推定による高精度な異常特定
-
異常箇所の位置を非常に高い精度で特定します。
-
補修計画の精度向上につながります。
-
再調査にかかる手間を減らすことができます。
-
既存のTVカメラ調査と同等以上の精度を目指します。
-
AIによる定量診断の実現
-
AIが劣化状況をより高度に判定します。
-
点検の品質を均一にし、標準化を進めます。
-
3次元解析による管路状態の可視化
-
SfM(Structure from Motion)とAIを使って管路内の3Dモデルを作成します。
-
断面の変形や堆積状況を把握できます。
-
データに基づいた維持管理を実現します。
-
実証技術の内容
段階的に以下の機能の高度化を目指します。
-
微細なひび割れ(幅2mm)を安定的に数値化する。
-
異常箇所の位置を延長誤差±5%以内で特定する。
-
1回の飛行で1,000m級の航続距離を達成する。
-
狭い空間や高水位の環境での安定飛行性能を向上させる。
-
管路内の断面形状を定量的に把握する機能を実装する。
計画
-
フェーズ1: 千葉市にある実際の下水道管路で「IBIS2」の現在の性能(飛行の安定性、航続距離、映像の品質、位置推定の精度など)を具体的に把握し、技術的な課題を明らかにします。
-
フェーズ2: 抽出された課題に基づいて、ドローンの機体、制御、撮影、解析の機能をさらに高度化し、再び同じ条件で実証を行います。
実施体制
-
株式会社Liberaware: 全体のプロジェクトマネジメント、ドローンの改良と評価
-
管清工業株式会社: 現場での運用設計、実証実験のオペレーション管理
-
株式会社日水コン: 研究運営の支援、普及展開に向けた評価・検証・方策の検討
-
アキュイティー株式会社: AI画像診断モデルの作成と検証
-
千葉市: 実証を行う現場の提供
人が立ち入るには危険が伴う下水道管路内での「No Entry」実現は、効率化だけでなく、作業者の安全を確保し、インフラの状態を正確なデータで把握するための重要な取り組みです。共同研究体のパートナー各社は、現場の安全を守りながら、下水道管路維持管理の高度化という社会の基盤を支える技術革新に挑戦しています。
各社の情報
-
株式会社Liberaware
-
管清工業株式会社
-
株式会社日水コン
-
アキュイティー株式会社


