ブレインパッド、衛星データAIで用地選定を効率化 – 再生可能エネルギー普及を後押し
株式会社ブレインパッドは、衛星データソリューション「Orbital Sense(オービタル・センス)」に、AIとの対話で土地選びを支援する「地理空間分析AIエージェント」機能を新たに追加しました。
近年、中東・ホルムズ海峡周辺の国際情勢は不安定さを増しており、日本のエネルギー供給に影響を及ぼす可能性があります。このような状況から、経済産業省が推進する再生可能エネルギーの活用が、これまで以上に重要視されています。
太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が変動するという特徴があります。この変動に対応し、余った電力を蓄えるために「系統用蓄電池」の普及が不可欠です。系統用蓄電池が増えれば、余剰電力を有効に使い、再生可能エネルギーの出力が抑えられる状況(出力制御)を減らすことにもつながります。
しかし、系統用蓄電池を設置するには、変電所からの距離や土地の起伏など、多くの地理的な条件をクリアしなければなりません。これまで、多くの企業でGoogleマップなどを使って目視で候補地を探しており、時間と手間がかかる作業でした。
この課題を解決するため、「Orbital Sense」に地理空間分析AIエージェント機能が導入されました。これにより、AIとチャット形式で会話しながら、効率的に候補地を絞り込むことが可能になります。

「Orbital Sense」による用地選定の進め方
用地選定の担当者がチャットで条件を入力すると、「Orbital Sense」は以下の手順で候補地を探します。
- 候補エリアの探索: 衛星画像や地理データを分析し、候補となるエリアを見つけます。
- 条件による選別: 標高、傾斜、方位、送電網からの距離、土地利用規制といった条件を重ね合わせ、候補地を絞り込みます。
- 判断材料の提示: 絞り込まれた候補地のリスト、地図上での表示、比較に役立つ情報などが整理されて提供されます。
チャット画面に探したい土地の条件を入力すると、AIがどのように考えて選定したかを確認しながら、該当する場所にピンが立ちます。


地理空間分析AIエージェントの技術的な特徴
1. 自然な会話で条件を絞り込める「対話型AIエージェント機能」
AIはチャットでの会話の内容を理解し、ユーザーが「変電所からの距離を追加してほしい」「このエリアは除外してほしい」といった追加や変更の指示にも柔軟に対応します。これにより、ユーザーの意図に合った最適な候補地を絞り込むことができます。
2. 衛星データと地理空間データをまとめて解析し、時間と手間を削減
衛星画像だけでなく、地形、土地の使われ方、変電所や送電設備からの距離といったさまざまな地理空間データをまとめて解析します。これにより、これまで目視や手作業で行われていた候補地の検索、抽出、比較、表示といった作業が自動化され、初期段階の検討を大幅にスピードアップできます。
3. 情報が足りない場合でもAIが情報を補い、用地選定をサポート
土地選びに必要な情報が不足している場合、AIが公開されている情報を調べたり、データを加工・集計したりして、不足している情報を補います。最終的な結果は、比較表や地図データなど、社内での検討にすぐに使える形で提供されます。
PoCパートナー募集について
ブレインパッドは、この新機能の活用を検討する企業を対象に、PoC(実証実験)パートナーを募集しています。
| 募集期間 |
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| 2026年5月末まで(応相談) |
| 実施期間 |
|---|
| 個別相談 |
| 参加費用 |
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| 無償 |
| 対象企業 |
| :——- |
| ・再生エネルギー用地を開発するエネルギー企業
・大規模な土地開発を進める不動産企業
・店舗用地を探す小売企業
(上記該当企業より、数社を予定) |
| PoC実施内容 |
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| ・具体的な活用方法について話し合う場を設けます |
| ・フィードバックをいただき、製品の修正やアップデートを検討します |
PoCへのお申し込みは、以下のリンクから可能です。
ブレインパッド担当者のコメント
株式会社ブレインパッド 執行役員 アナリティクスコンサルティング担当の押川 幹樹氏は、次のように述べています。
「Orbital Senseで使われているLLM(大規模言語モデル)を活用したマルチモーダル検索技術の力を最大限に引き出すためには、地理情報だけでなく、さまざまな情報、特に各企業が持つ独自の情報をいかに取り込んで活用するかが重要です。
『Orbital Sense』の公開後、さまざまな業界のお客様から問い合わせをいただいており、これまで多くの時間がかかっていた調査作業を大幅に効率化できる可能性が見えてきました。
今回の発表で挙げた用途以外にも、地理的な条件が影響するほとんどの経済活動にこの技術を応用できると考えており、興味を持たれた企業との連携を進めていきたいです。」
参考情報
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経済産業省 「中東情勢を踏まえた燃料油・石油製品の安定供給確保」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chyutoujyousei/dai1/pdf/siryou4.pdf -
経済産業省 「我が国の省エネルギー・新エネルギー政策の動向」
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001882422.pdf


