イタリアの空間情報企業Take Overが日本法人を設立、高精度な測量技術で日本のインフラ課題に貢献

2026年2月、イタリアの空間情報企業Take Overグループは、日本市場での事業展開を目指し、日本法人「Take over Geospatial株式会社」を設立しました。

Take Overは、橋梁や道路、鉄道、歴史的建造物などを対象に、3Dレーザースキャニングやモバイルマッピング、UAV(ドローン)、GNSS(衛星測位システム)、フォトグラメトリといった様々な技術を組み合わせ、高精度な空間情報の取得と活用をサポートしています。

3D点群データで可視化された橋梁と地形

Take Overの原点と使命

Take Overは、イタリア・アブルッツォ州を拠点に、建設・インフラ・産業施設・文化財など、幅広い分野で空間情報サービスを提供しています。

創業者であるFranz Lami氏は、建築を学ぶ中で、3Dモデリングやフォトリアリスティックレンダリングを通じて、空間をデジタルで正確に再現する技術を追求しました。病院や産業施設、橋梁、大型客船の建造プロジェクトなど、多様な分野で経験を積む中で、「より良い設計や維持管理は、現実を正しく理解することから始まる」という考えに至りました。

川岸に設置されたレーザースキャナー

この考え方は、Take Overが創業以来大切にしてきた理念となっています。

2016年から2017年にかけて、Franz Lami氏はドローンを活用した写真測量と地上測量、GNSSを組み合わせた新しい測量手法の研究を開始しました。この研究では、交通を遮断することなく、高架橋の橋脚下など従来計測が難しかった場所でも、安全かつ高精度にデータを取得できる手法の確立に取り組みました。

ドローンを操縦する人物

2017年3月にはイタリアで高架橋が崩落する事故が発生し、この出来事をきっかけに「インフラ点検のあり方を変えなければならない」という強い使命感へと変わりました。翌2018年にはモランディ橋の崩落事故も発生し、イタリアではインフラ維持管理の重要性が社会全体で改めて認識されることとなります。

Take Overは、こうした社会的背景の中で、橋梁や高架橋をはじめとするインフラ分野での実績を積み重ね、その後、歴史的建造物、教会、修道院、産業施設、地形測量などへと事業領域を広げてきました。

「Integrated Survey」の考え方

Take Overは創業以来、「Integrated Survey」という考え方を大切にしています。これは、プロジェクトごとに異なる成果が求められるため、一つの技術に頼るのではなく、目的に応じて最適な技術を組み合わせるというものです。

車両に搭載されたセンサーシステム

レーザースキャナー、モバイルマッピング、UAV(ドローン)、GNSS、フォトグラメトリなど、それぞれの技術には得意とする領域があります。重要なのは、最新の機材を導入することではなく、「何を実現するために、どの技術が最適か」という視点からプロジェクトに向き合うことです。技術は目的ではなく、目的を実現するための手段と位置づけています。

橋のような構造物の点群データ

なぜ日本なのか

Take Overが日本への進出を決めたのは、単に事業エリアを広げるためだけではありません。イタリアと日本は、ともに歴史ある建築物や社会インフラを数多く持ち、それらを次の世代へ受け継いでいくという共通の課題を抱えています。

Take Overは、これまで橋梁や歴史的建造物、産業施設など、さまざまな現場で培ってきた経験を通じて、「現実を正しく理解すること」が、維持管理や将来の意思決定につながることを学んできました。その経験は、日本がこれから向き合う課題の解決にも活かせると考えています。

Take Over創業者のFranz Lami氏は、日本への思いを次のように語っています。

「日本は、建設技術とインフラ維持管理において、世界有数の知見と文化を持つ国の一つです。私たちがイタリアで積み重ねてきた経験は、日本の高い技術力と組み合わせることで、さらに大きな価値を生み出せると信じています。私たちにとって日本は、新しい市場ではありません。長期的な視点で、ともに未来を築いていくパートナーです。」

鉄道駅の空撮または3Dモデルビュー

日本法人「Take over Geospatial株式会社」

2026年2月に設立されたTake over Geospatial株式会社は、Take Overグループの日本における事業拠点として、日本のお客様やパートナーとともに新たな価値創造を担います。

イタリア本社で培った技術や経験を基盤としながら、日本の文化や品質基準を尊重し、それぞれのプロジェクトや課題に応じた最適な空間情報ソリューションを提供していく予定です。

トラス構造の橋梁設計図

日本法人責任者の近永朋香氏は、「日本法人は、まだスタートしたばかりです。だからこそ、一つひとつのご縁を大切にし、お客様やパートナーの皆様とともに歩みながら、日本で求められる価値を一つずつ積み重ねていきたいと考えています。Take Overが大切にしてきた理念を、日本のお客様やパートナーの皆様に信頼という形でお届けできるよう、一つひとつのプロジェクトに誠実に取り組んでまいります。」と述べています。

Take Overは、日本のお客様やパートナーとの信頼関係を大切にしながら、一つひとつのプロジェクトに誠実に向き合い、日本で長く信頼される企業を目指していきます。

老朽化した教会内部の3Dスキャン画像

会社概要

  • 会社名: Take over Geospatial株式会社

  • 設立: 2026年2月

  • 代表者: 代表取締役 近永朋香

  • 所在地: 東京都江東区豊洲6丁目2-31-1917

  • 事業内容: 空間情報の取得・解析・活用を通じたジオスペーシャルソリューションの提供(3Dレーザースキャニング、モバイルマッピング、UAV(ドローン)、測量・点群データ処理・3Dモデリング・BIM・GISデータ作成、インフラ・建築物・文化財に関する空間情報ソリューション)

  • イタリア本社: Take Over Rilievi Integrati S.r.l.(Abruzzo, Italy)

  • URL: https://takeover-geospatial.jp

※「Take Over」はグループの名称、「Take over Geospatial株式会社」は日本法人の正式商号です。

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