長野県で初導入!ICTで生コンクリートの品質を見える化する「スマートアジテーター(R)」

生コンクリートの品質管理をICTで革新

建設業界では、高度な品質管理と労働力不足への対応が重要な課題となっています。こうした背景の中、ICT(情報通信技術)を活用した生コンクリート品質管理装置「スマートアジテーター(R)」が、長野県内で初めて工事現場に導入されました。

スマートアジテーター(R)とは

「スマートアジテーター(R)」は、生コンクリートを運ぶアジテーター車のドラム内の状態をリアルタイムで計測・記録するシステムです。スランプ(コンクリートのやわらかさ)、コンクリート温度、積載量などの品質情報を、インターネット環境があればいつでもどこからでも確認できます。

このシステムは、普通コンクリートだけでなく、高流動コンクリートや再生骨材コンクリートなど、様々な種類のコンクリートの運搬から荷卸しまでの品質確認に活用されています。

SMART AGITATOR システム概要

システムの仕組み

「スマートアジテーター(R)」は、センサー、コントロールユニット、ソーラーパネル、ディスプレイ、I/Oボックス、タブレットで構成されています。センサーが圧力や温度、ジャイロなどのデータを測定し、コントロールユニットで演算。データは4G回線を通じてクラウドにアップロードされ、時系列のグラフとしてインターネット上で閲覧可能です。

システム構成

取得できるデータ

システムからは以下のような情報が出力されます。

  • 車両外部ディスプレイでの生コン情報(スランプ、温度、積載量、ドラム回転速度など)表示

  • ドライバー向けタブレットでの生コン情報表示

  • 地図上での車両位置情報と生コン情報の表示

  • 運行開始からの生コン情報のグラフ表示とエクセルデータでのダウンロード

  • 現場への入退場時間など、車両位置情報の表示

アウトプットデータ

長野県での初導入事例

GNN Machinery Japan 株式会社は、守屋建設株式会社の依頼により、長野県伊那市で発注された工事に「スマートアジテーター(R)」を用いた施工品質管理方法を初めて適用しました。

工事概要

  • 発注者:長野県 伊那建設事務所

  • 工事名:令和7年度 防災・安全交付金(街路)工事

  • 工事場所:(都)環状北線 伊那市 山寺~中央1工区

  • 工事内容:橋梁下部工 P1橋脚 H=13.4 mの橋梁下部工事

  • 工事期間:令和7年9月2日~

  • 受注者:守屋建設株式会社

この導入により、運搬中の生コンクリート情報をリアルタイムで把握できるようになりました。その結果、スランプロス予測による品質向上とロス削減だけでなく、配車の最適化や現場・工場の省力化にも効果が確認されています。

現場見学会の開催

打設最終日には現場見学会が開催され、長野県土木施工管理技士会伊那支部の土木関係者らが多数来場しました。参加者たちは、実際に現場でシステムの概要、有用性、省力化など、システムがもたらす様々な価値を体験しました。

現場見学会での土木関係者

システムの開発と高い評価

「スマートアジテーター(R)」は、アメリカ合衆国に本社を置く生コンプラント制御システム会社Command Alkon社との共同開発により、約5年の歳月をかけて日本独自仕様を盛り込んで開発されました。

その有用性を検証するため、国内のゼネコン11社との共同実験研究会が立ち上げられ、実証実験が行われました。この装置の高い性能は、日本建築学会、土木学会、日本規格協会などで論文発表や講演を通じて報告されています。さらに、第2回経済産業省主催IoT推進ラボセレクションではファイナリストに選考されるなど、各方面から高い注目を集めています。

本システムは、国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、建設材料性能証明も取得しています。

建設業界への貢献

「スマートアジテーター(R)」は、建設業界における高度な品質管理や、人口減少による労働力不足の解決策として期待されています。生コン製造事業者だけでなく、施工者や管理者など、様々な立場のエンドユーザー双方にメリットをもたらすシステムとして、今後も貢献が期待されます。

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