生コンクリートの品質をリアルタイムで管理!「スマートアジテーター®」が長野県で初導入

GNN Machinery Japan 株式会社が開発したICT活用型の生コンクリート品質管理装置「スマートアジテーター®」が、長野県内で初めて現場に導入されました。このシステムは、生コンクリートを運ぶミキサー車のドラム内の状態をリアルタイムで確認できるようにするものです。

スマートアジテーター®とは

スマートアジテーター®は、生コンクリートの品質を測るセンサーをミキサー車に取り付け、そのデータをインターネットを通じてどこからでも確認できるシステムです。生コンクリートの「スランプ(やわらかさ)」や「温度」「積載量」などをリアルタイムで計測・記録します。

既存のスマートアジテーター(R)システム概要

これにより、コンクリートの品質が低下するのを事前に予測し、品質を高く保ちながら無駄を減らすことができます。また、ミキサー車の効率的な配置や、現場と工場での作業を減らすことにもつながります。

長野県での導入事例

今回の導入は、守屋建設株式会社の依頼により、長野県が発注した伊那市での「(都)環状北線 伊那市 山寺~中央1工区」の橋梁下部工事で行われました。システムを取り付けたミキサー車が生コンクリートを運ぶ間、その情報をリアルタイムで把握することで、品質の向上やコスト削減、作業の効率化の効果が確認されました。

建設現場での説明会の様子

工事の最終日には現場見学会が開催され、長野県土木施工管理技士会伊那支部の方々をはじめ、多くの土木関係者が来場しました。参加者は実際にシステムがもたらす価値を現場で体験し、その有用性を実感しました。

現場見学会での土木関係者

システムの開発背景と評価

このスマートアジテーター®は、アメリカのCommand Alkon社と共同で、日本独自の仕様を取り入れながら約5年かけて開発されました。

システムの有用性を確かめるため、国内の11の建設会社と共同で実験研究会を立ち上げ、実証実験が行われました。その結果、この装置の性能が高いことが確認されています。また、日本建築学会や土木学会などで研究発表が行われ、第2回経済産業省主催IoT推進ラボセレクションではファイナリストに選ばれるなど、さまざまな分野で注目を集めています。

システムの仕組みとデータ活用

スマートアジテーター®は、以下の要素で構成されています。

  • センサー: 圧力や温度などを測ります。

  • コントロールユニット: データを計算し、Bluetoothで送ります。

  • ソーラーパネル: バッテリーを内蔵し、電源を供給します。

  • ディスプレイ: 外部に設置され、データを見ることができます。

  • I/O box: ディスプレイとつながり、データをタブレットに送ります。

  • タブレット: 運転席でデータを確認したり、取得したデータをサーバーに送ったりします。

システム構成

取得されたデータは10~30秒ごとに更新され、4G回線を使ってクラウドにアップロードされます。これにより、インターネット環境があれば、現場や工場などどこからでも、ミキサー車の位置情報や生コンクリートの品質情報(スランプ、温度、積載量など)をリアルタイムで確認できます。データはグラフで表示され、必要に応じてエクセル形式でダウンロードすることも可能です。

アウトプットデータ

公的な認定について

このシステムは、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されており、建設材料性能証明も取得しています。

今後の展望

スマートアジテーター®は、建設業界が求める高度な品質管理や、人手不足の解決に役立つシステムとして期待されています。生コンクリートを作る会社だけでなく、工事を行う会社や管理する人など、多くの関係者にとってメリットのある技術となるでしょう。

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