Teledyne FLIR社の新技術:見やすい熱画像を撮れる小型カメラ「Lepton XDS」が日本に登場

コーンズテクノロジー株式会社は、国内代理店を務めるTeledyne FLIR社が開発した、可視光と赤外線の両方を捉えることができるデュアルカメラモジュール「Lepton XDS」の国内展開を開始しました。

Lepton XDSとは

Lepton XDSは、熱を測るための160×120画素の熱カメラ「Lepton 3.5」と、普通の写真を撮るための500万画素の可視光センサーを一つにまとめた、組み込み機器向けのカメラモジュールです。

Lepton® XDS

このモジュールを使うと、ものの温度だけでなく、その形や周りの様子も同時に知ることができます。これにより、熱画像だけではわかりにくかったものを、もっとはっきりと見分けられるようになります。

MSX技術で見やすい熱画像を撮る

これまでの小型熱カメラは、解像度が160×120画素と低いため、ものの形を正確に捉えるのが難しい場合がありました。

Lepton XDSには、Teledyne FLIR社が特許を持つ「MSX®(Multi-Spectral Dynamic Imaging)」という技術が搭載されています。このMSX技術は、可視光カメラで撮った写真の輪郭(エッジ)情報を熱画像に重ね合わせることで、熱画像の解像度を変えることなく、ものの形がより分かりやすい「視認性・識別性の高い熱画像」を実現します。

電気設備内の熱分布を示す赤外線サーモグラフィー画像

Prism ISPで機器への組み込みが簡単に

Lepton XDSには、Teledyne FLIR社独自の画像処理プロセッサ「Prism ISP」が組み込まれています。このPrism ISPは、カメラモジュールの中でリアルタイムに画像をきれいにしたり、高度な画像処理を行ったりする機能を持っています。これにより、製品を作るメーカーは、開発にかかる手間を減らし、より早く製品を市場に出すことができるでしょう。

Teledyne FLIR製の小型電子基板

主な機能は以下の通りです。

  • 熱画像と可視画像をリアルタイムで融合

  • 特定の範囲の温度測定や、色を変えて温度を表示する機能

  • 詳しい温度情報を含むJPEG形式での保存

  • 専門のソフトウェアと連携して分析やレポート作成が可能

コンパクトで使いやすい設計

Lepton XDSは、サイズ、重さ、消費電力を最小限に抑えた「SWaP」に優れた設計で、USB出力に対応しています。そのため、バッテリーで動く機器や、常に監視が必要な場所など、さまざまな機器に組み込みやすいのが特長です。

また、国際的な輸出規制(ITAR)の対象外であり、世界中で商業用途として利用できます。Leptonシリーズはこれまで600万台以上が出荷されており、安定した供給が可能です。

幅広い分野での活用が期待される

Lepton XDSは、熱情報と可視情報を同時に活用することで、単なる温度検知にとどまらない、状況を理解するようなセンシングを可能にします。たとえば、以下のような場面での活用が期待されています。

  • 火災の検知や予防システム

  • EV(電気自動車)のバッテリー監視

  • ロボットやドローンのような無人機のナビゲーション

  • スマートインフラ(賢い社会基盤)の監視

  • 工場などの産業機器の安全や状態の監視

製品の詳しい情報やアプリケーションの動画は、以下のリンクから見ることができます。

国内でのサポート体制

コーンズテクノロジー株式会社は、国内代理店としてLepton XDSの販売を行うとともに、お客様が製品を大量生産する際にも、技術的な問い合わせ対応、組み込み設計の支援、品質・供給のサポート、最適な活用方法の提案など、充実したサポートを提供します。

Lepton XDSは、Leptonシリーズの持つ「マイクロサイズ・低消費電力」という優れた点を保ちながら、MSX技術とPrism ISPによって、より多くの情報を提供できる次世代の熱カメラモジュールです。

コーンズテクノロジーは、この製品を日本国内に広めることで、組み込み型の熱センシング技術の進化と、その大量生産を後押ししていく考えです。

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